レヴィ=ストロース『神話論理』の森へ

  • みすず書房 (2006年4月14日発売)
3.38
  • (1)
  • (2)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 66
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784622072089

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 長い間、気になりながら、あまりの分厚さにおじけていたレヴィ=ストロースの「神話論理」に挑む気にだんだんなってきていて、その登坂準備に読んでみた。

    浩瀚な「神話論理の森」で迷わないためののガイドブックみたいなものかな?と思って読み始めたのだが、これはこれでなかなか癖のあるエッジのある本だな〜。

    レヴィ=ストロース大好きな中沢さんの紹介は、基本、大絶賛な感じだけど、森の入り口まで連れて行くところまでで、あとは自分で読んでねな感じ。

    エナフさんの論文が一番包括的だと思うのだが、これも方法論的な議論。

    編者の一人の木村さんは、アマゾンにいる動物と神話論理にでてくる動物の関係とか、神話論理のもとになっている原典テキストとの関係とか、レヴィ=ストロースの方法論への批判的な視点を提示しつつ、全体としてはレヴィ=ストロースを評価するみたいな感じ。

    もう一人の編者の渡辺さんによるレヴィ=ストロースのインタビューも、なんだか焦点が定まらず、肩透かしなままで、漂っているうちにおしまいだったり。(が、だからこそ伝わってくるレヴィ=ストロースという人のあり方がみえて、これはこれですごく面白い)

    最後のほうは、いろいろな分野の人がレヴィ=ストロースをどう読んだかという話し。が、まだ「神話論理」を読めてなくて、「野生の思考」を踏まえての議論。(これはこれでまた面白い)

    で、その論者のなかに、安富歩さんもいて、複雑系科学の始祖として、レヴィ=ストロースを読んでたりする。

    最後、池澤夏樹さんの物語との関係でレヴィ=ストロースについてエッセイがあっておしまい。

    つまり、これから「神話論理」に挑戦するにあたって、全体の見取り図をおしえますみたいな本ではないわけ。

    「神話論理」を読んだ気にはまったくさせない、「神話論理」の広大な森で、楽しく迷うためのガイドブックだな〜。

    いや〜、ほんとに読むぞ〜という気になってきた。

  • 『神話論理』を読む前に、よいガイドブックです。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1949生まれ。元・立命館大学副学長。2017年没。

「2018年 『仮面の道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡辺公三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×