劇的な精神分析入門

著者 :
  • みすず書房
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本棚登録 : 62
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622072850

感想・レビュー・書評

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  • 読了できず

  • 読みやすいですが、一貫した北山先生が見ている世界を、一緒に見ることができる。治療者が見えないと、患者は見えないというウィニコットの基本を、先生らしく発展させた傑作。

  • 専門的なことを盛り込んだ、ミュージシャンとしてもご活躍された北山修氏のエッセイ、です。
    冒頭のラジオのエピソードしてぐっと引き込まれる。ああいう歌を作れる方はこんな文章を書けるのだなと、感銘を受けました。
    「詩人と空想すること」の章がインタレスティングでした。詩人に羨望しながらも断念したフロイトのアンビバレンスを過去の文章から暴き出す作りが特に。
    芸術をこよなく愛し論文に引用したフロイトの文章に、品格や風格が漂う理由がなんとなく分かった気になれます。専門家の方は理由はお分かりでしょうが凡人にはなかなか困難です。
    因みにフロイトの論文の特徴については、先日読んだ「現代フロイト読本・1」でも述べられています。これまた面白かったですよ。
    「外から内へ、表から裏へ」の章も、精神分析の本来の方式と日本での実践との違いを仔細に説明してあり(部屋の間取り図つきで)、興味深いです。
    フロイトの思想が主軸ではなく、当然ながら著者の考えのほうがより仔細に述べられている。所々脱線、というか、物語を語るナラティブな方向に進みがちなフシがあるが、氏の思想に触れたい方には最適な本ではないかと。

  •  著者は本書がエッセイであることを前提として書いておられるが、内容としては限りなく専門書に近いものとなっている。というより、表現自体は優しく、文学的であるが、云わんとしていることが専門的過ぎてついていけないと云った方が適切か。ただ、エッセイだからこそ、著者の生き生きとした味わい深い思想や理論、「遊ぶ考え」が伝わってくる。
     さまざまな文学や絵画などの芸術を取り上げながら「劇的観点から見た」精神分析(著者があとがきで述べているように、本書の「劇的」というのは、劇的な展開をいつも約束する治療論ではない)が論じられており、それらに通底する人間理解の奥深さを感じられた。科学や思想、芸術というのは、それぞれ分かち難く、重なり合うところの多いものだと思う。それらの良し悪しを決めるのではなく、それらから「何を汲み取るのか」というところに、人間理解における意義があるように感じられた。

  • まだ自分にははやかったのか、作者の整理がわかりにくかったのかよくわからなかった。でも読んでためになった部分はいくつかあった。

  • 6/1

  • 2007年度前期

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プロフィール

北山 修 (きたやま・おさむ)
1946年生まれ、京都府立医科大学卒業、医学博士。
白鴎大学副学長、国際基督教大学客員教授、九州大学名誉教授。
元・日本精神分析学会会長、国際精神分析協会正会員。
著書に以下のもの他多数。
『見るなの禁止』(岩崎学術出版社, 1993)
『言葉の橋渡し機能』(岩崎学術出版社, 1993)
『幻滅論』(みすず書房, 2001)
『劇的な精神分析入門』(みすず書房, 2007)
『覆いをとること・つくること』(岩崎学術出版社, 2009)
『評価の分かれるところに』(誠信書房, 2013)

「2017年 『週一回サイコセラピー序説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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