鶴見俊輔評集成 (1)

  • みすず書房 (2007年7月10日発売)
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本 ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784622073116

感想・レビュー・書評

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  • 『文献渉猟2007』より。

  • 書評には何かと関心があるので、TVでも新聞でもついつい見たくなる。多分それで読んだ気になれるというところが(?)あるようだ。
    まして関心のある評者が、一冊にまとめていると文句なしに手に取る。かつて池沢夏樹の『読書癖』4巻も楽しんだが,同じみすず書房が、3巻にまとめたこのシリーズも面白い。

     いかにもこの年代の読書という「モリスの記号論大系」や「世界の新思想」というグループもあり、そして日本型ファシズムを分析したと、丸山眞男「現代政治の思想と行動」があり、橋本文三「歴史と体験」も取り上げている。
     また「新しい古典/ドス・パソス『U・S・A』」などは、現在読み直すとまた違った感想となりそうだ。

     そして子母沢寛「上州天狗」山本周五郎「小説の効用」白井喬二「富士にたつ影」「宮本武蔵」以前の吉川英治。大佛次郎「鞍馬天狗」などと幅広く楽しめる。「ガロの世界」と「荒地の視点」が並んでいるのも「朝鮮人の登場する小説」もその時代を感じさせる。

     とくに関心を持って読めたのは「三木清のひとりの読者として」「戦争に抵抗した人たちの生涯を記録」「桑原武夫」だった。いずれも1968年のものだが、その頃、こういう書評には見向きもしなかったことも思い出しながら。

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著者プロフィール

922−2015年。哲学者。1942年、ハーヴァード大学哲学科卒。46年、丸山眞男らと「思想の科学」を創刊。65年、小田実らとベ平連を結成。2004年、大江健三郎らと「九条の会」呼びかけ人となる。著書に『アメリカ哲学』『限界芸術論』『アメノウズメ伝』などのほか、エッセイ、共著など多数。『鶴見俊輔集』全17巻もある。

「2022年 『期待と回想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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