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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784622073284
感想・レビュー・書評
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企画・デザインは、モノの背後にある 本質やアイデア を探求するところからはじまる。その探求をたくさんの事例を通して紹介している、彼自身のアイデア帳を披露するかのように。
原題は「Da cosa nasce cosa(どこから来たか?)」。邦題が、簡潔にしすぎたミスリーディングな誤訳に思えてならない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
企画のプロセス。
アイデアって先に考えちゃいがちだけど、考えたり調べた後に初めて出すものなんだなあとさいにんしき。 -
プロダクトの企画設計の教科書。
ブルーノ・ムナーリによるデザイン論が記された本。僕が今学んでいる分野と関連していて面白い、直接関連している訳ではないが、応用できると思った。しかし具体的な方法が見つかっていないために再読の必要があると思った。 -
デザイン集。かなり分厚いためパラパラ読み。表紙のフォークの絵が好き。デザインを学んでいる人は、得るものがたくさんありそうな感じです。
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イメージをふくらませるのによい。
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パラパラ読み。いずれちゃんと読んでみたい
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目次
デカルトの方法における4つの規則
企画の方法を知る
豪華さについて
緑色のリゾット
企画の方法論
デザインの問題がある分野とは?
問題とはなにか?
スケッチとデザイン
模型
分析表
コンパッソ・ドーロを無名品に
単純化する
フォルムの一貫性
ヒゲソリの進化
居住可能空間
星座
アビタコロ
パッチワーク
ニットのランプ
読めない本
本の前の本
遊びとおもちゃ
展示のための構造
風向風速計
スクーター
プレファブリケーション
木々の大通り
グランツーリズモ・バス
展示会用の装備
リサイクル
ダブル・イメージ
視知覚のヴァリエーション
生体工学
近接学
人間工学
照明技術
型抜き
すべての感覚に働きかける企画設計を
参考文献
訳者あとがき
問題から解決までのプロセス(p33〜p60)
P:問題:Problema
DP:問題の定義:Definizione del Problema
CP:問題の構成要素:Componenti del Problema
RD:データの収集:Raccolta di Dati
AD:データの分析:Analisi dei Dati
I:アイデア:Idea
C:創造力:Cretivita
MT:素材と技術:Materiali Tecnologia
SP:実験:Sperimentazione
M:模型:Modelli
V:検証:Verifica
DC:製図:Disegni Costruttivi
S:解決:Soluzione
メモ
p8 豪華さはデザインではない。
p33 アントニオ・ロベリーニ「解決できない問題は、問題じゃない。解決できる問題なら、問題じゃない」
p36 「多くのデザイナーは、問題が依頼主によって充分に定義づけられていると思っている。しかし、大部分が不十分なままである」とアーチャーは述べている。
p40 どんな問題でも、それを構成する要素に解体できる。
p62 スタイリングはデザインではない。
p157 進化とは単純化であって、複雑化ではない。
p230 文化とは驚き、つまりこれまで知らなかった事柄から成り立っている。
p377 すべての感覚に働きかける企画設計を
今日なお多くのデザイナーが、見た目ばかり気にして設計し、美しいものだけを作ろうと腐心している。彼らは、完成品の感触が悪かったり、重すぎたり、軽すぎたりしても気にしない。
わたしが日本から学んだことの一つに、まさしくこの設計に関することがある。それは、利用者の感覚、それもすべての感覚を考慮して設計するということである。なぜなら利用者は、ある製品を前にしたとき、あるいは試したとき、すべての感覚で製品を感じとるからだ。
子供はよく知っている。彼らにとっての最初の世界とは、総合的な感覚を用いて認識したものである。それゆえ、わたしは子供たちのために《本の前の本》を企画したのである。子供は読むことを知らなくとも、すべての感覚で世界を認識している。その感覚こそ、大人たちが使い方を忘れてしまったものなのである。 -
いったん問題が定義されると、さあこれで問題解決のグッドアイデアが自動的に生まれる、と思う人がいるかもしれない。
しかしそうではない。なぜなら到達したい解決の種類も定義しなくてはならないからだ。
例えば、
一時的解決なのか、
純粋に商業上の解決なのか、
永続的な解決なのか、
または技術的に精巧な解決なのか
単純で経済的な解決なのか
空想的解決
決定的解決
近似的解決・・・
というように。
ひとつの問題には、いくつもの解決がある。ここでもまた、何を選択するかを決定せねばならない。
●のこぎりとジュードー
押すのではなく引く技術 -
スケッチが魅力的
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企画のプロセス
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ブルーノ・ムナーリのデザイン論であり、デザインに関する「企画の方法論」を述べている。ブルーノ・ムナーリはイタリアの著名なデザイナーで、祝儀のデザインをお願いしている三木氏が崇拝している。
デカルトの方法による4つの規制・豪華さについて・問題とはなにか?など、ムナーリーが考えるデザイン論を解説している。
デザインとは問題解決である。
豪華さとは、貧しい人をびっくりさせようとする野蛮な豊かさの表れである。これは外見に与えられた重要制性の表れであり、文化的向上などといったことにはまったく関心がないということの暴露である。
つまり豪華さとは、実質に対する見た目の大勝利のことである。
豪華さとは、他人を見下したいと感じる大勢の人にとって必需品である。
豪華さとは、じつは愚かさの表れでなのである。 -
イタリア人デザイナーによる設計論。堅苦しくなく、訳も読みやすく、読んで良かった。題材はかなり古いものが多いが初版は2007年と10年前のもの。原書は相当前だったのだろう。ちょっとコンセプト的に意味不明の題材もあったが、改めて勉強になった。前半の仕様設定→実現のプロセス例は、まさにこういう説明を求めていたと感動。自身の考え方を一部補完、一部修正、一部確認、とできたことがありがたい。なぜか知らないが本書読了後、妙な元気が出てきた。
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ムナーリのデザイン論。実は精読していないんだけどσ(^-^;)、持っているだけでなんか嬉しい(笑)。
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キラキラした楽しいデザインの覚書。
生産技術への言及が目立つのが、実際にモノを作っていたデザイナーとしての関心の所在を感じさせる。 -
○(要点、面白いと思ったところに鍵括弧をつけてあります)
○デザインはデザインでも、単なる「工業的なデザイン」ではなく、「技術的なデザイン」の本です。著者はこの2つを明確に区別しています。というのも、前者があくまで見た目(美的感覚)に重きを置く「(いわゆる)デザイナー」なのに対して、後者は美的な視点を含めたより広い意味での「企画設計者(progettista, planner)」なのです。
○企画設計者とデザイナーにはいくつかの違いがあります。まずなんといっても、企画設計者は職業的な設計者です。デザイナーが天才的革新的な閃きによって問題に挑むのに対して、企画設計者は経験から積み上げてきた方法論があるといいます。
○それにはまず、既存のモノをみつめてみること。そこには様々な問題があり、だからこそ企画設計者が働きかける余地があります。そこから問題を定義して細分化、解決に至るための体系的な方法をもつことで、最小の労力で「無駄のない創作」を行うことができます。この本は、まさにこの方法論を踏まえた実践例の本です。
・・・以下感想・・・
○企画設計者にとって重要なのは単なる見た目だけではなくて、「だれに」「どのように使われ」「それはどんな感覚を利用者に引き起こすだろうか」などというような、使われるという視点をもっているということなのだと思います。
○著者は、日本のノコギリや伝統家屋のデザインを称賛しています。ノコギリは見た目にも実用的にも完璧で(著者曰く、ジュードーの技術、思想!, p. 126)、日本の伝統家屋は空間を見事に利用しているとのこと(ふすまや障子などによって空間の大きさやあり方を自在に変化。著者曰く、内外を合一する禅の原理!, p. 345)。
○もちろん、この方法論を使えばいくらでも創作ができるということではありませんが、この方法論は創作を進めてゆくために大いに役立つと思います。デザインはもちろん、それ以外にもなんらかの創造、生産を行う人におすすめしたいです。 -
原題が覚え書きとあるだけに、作者のさまざまなものへのデザインへのアプローチがとりとめもなく綴られている。しかし覚え書きがどんどん出てくるのがすごい。多才な人だな。デザインというのは機能美を追求して装飾をそぎ落としたもの。それはシンプルで美しい。
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デザインという言葉を聞くと,華やか,きらびやか,カラフルといったイメージが湧く。スタイリッシュとかファッショナブルとかいったイメージもある。このようなイメージからは豪華な装飾が施された製品を思い起こすかもしれないが,著者は「豪華さはデザインではない」と断言する。インテリアのデザインであれば,「家具は最小限のものでじゅうぶん。居住空間を最大限に利用して。用途に応じた環境の証明を」等々。また,著者は,単純化こそ難しく創造力が必要とされる作業である,とも言う。
本書はデザイナーである(絵本作家でもある)ブルーノ・ムナーリのデザイン論であり,デザインに関する「企画の方法論」を述べている。ただし,デザイン設計に関わらない人でも,本書から得られるものは大きいだろう。
「問題とはなにか?」と題された章では、企画の方法論として「どのように問題を解決するのか」の手順について論じている。まずは問題を定義し、その問題をいくつかの下位問題に分解し,そして…最後に問題が解決される。これはどんな仕事についても必要な(有益な)考え方だろう。営業であれば「商品(サービス)を売り込むとはどういうことか」を定義するところから始める,など。
多数のイラストや写真も見ていて面白く、お勧めの一冊である。
著者プロフィール
萱野有美の作品
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