本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784622073307
感想・レビュー・書評
-
「ジェーン・エア」風だけど新鮮。イギリスのカトリック。自伝とは。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
100年前のカトリックの寄宿女学校が舞台。
-
アントニア・ホワイトは、イギリスでは著名な作家で、シャーロット・ブロンテの後継と高く評価され、また『五月の霜』は、「少女のスクール・ストーリーのなかで、古典として残る唯一の作品」と賞賛されているらしい。
しかし、この作家の存在は、日本ではほぼ無名で、長編の邦訳は今回が初。(短編の翻訳はあるようだ。読んだことないけど)
『五月の霜』は、父の改宗に伴い、カトリックの寄宿女学校に入学した少女ナンダ・グレイの物語だ。シスターたちの監視と抑圧的な態度や、厳格な規則に則った生活、友人関係、身分差からおこる階級問題、信仰についてなど、さまざまに悩みながらも成長していくナンダ。
しかし、最終的にナンダはある事件によって、この学校のシステムと決定的に決別することになる。他の少女たちと違って、改宗者であり、中産階級の娘であるナンダに注がれるシスターたちの目はとても厳しい。それに、ナンダは友人である少女たちからもカトリックであるための「何か」が欠けていることを常に指摘される。
美術や音楽さえ、全て宗教と結びつけて考えなければならず、読む本や書く文章さえすべて検閲を受ける。厳しい生活の中でも、ちょっとしたことで楽しみを見つける少女たちの姿はほほえましいけれど、こんな生活、私は耐えられそうにない。それは私がカトリックじゃないからかもしれないけど。
ところでこの物語は、著者自身の経験をもとに書かれたらしい。でもこの著者、3度の結婚と離婚を経験したと書かれてるんだけど、カトリックって離婚してはいけないんじゃなかったですかね?経歴を見ると、結構すごい生涯をおくったようですが・・・。
面白いのに翻訳されてない本というのは、まだまだあるんだろうなあ。この作品は4部作の1作目なのだが、2作目以降も是非翻訳していただきたいです。
北條文緒の作品
本棚登録 :
感想 :
