世界はうつくしいと

著者 :
  • みすず書房
4.24
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本棚登録 : 275
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622074663

作品紹介・あらすじ

ますます自在な詩法、深く緩やかな言葉で綴られた、静かに心をつないでゆく、寛ぎのときのための詩集。

感想・レビュー・書評

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  • “目に見えるどんな風景も、その風景のなかに、ここから消えていった人の、目に見えない記憶をつつみもっている。”

    あとがきに残されたこの言葉が、胸に染み渡ったのは、3.11東日本大震災から7年目の朝のことでした。

    『冬の夜の藍の空』がすき。

    “空が、最初にこの世につくったのは、
    闇と、夜だ。その二つが結ばれて、昼が生まれた。”
    “明るさに、人は簡単に目を塞がれる、
    夜の暗さを見つめられるようになるには、
    明るさの外に身を置かなければならない、と。”

    闇と夜を知っている人は、きっと美しい人なんだと思う。だって星は夜の闇の中だからこそ、あんなに綺麗に瞬くのだから。

    何気ない風景のなかに、ありふれた日常のなかに、美しいものはちゃんと存在していて。それは姿を消し去ったものが後に残してゆくものなんだと。
    あぁ、そんなふうに思うことが出来たら。ほんの少しでも癒やされる人がいるかもしれない。

    たくさんの記憶と祈りを抱く世界にわたしは生かされている。

    • nejidonさん
      地球っこさん、こんばんは♪
      しみじみと感動が伝わる素敵なレビューですね。
      長田弘さんが亡くなられた時は、まさに心に穴があいてしまったよう...
      地球っこさん、こんばんは♪
      しみじみと感動が伝わる素敵なレビューですね。
      長田弘さんが亡くなられた時は、まさに心に穴があいてしまったような、そんな気持ちになりました。
      時々中学生向けのお話会でも、長田さんの詩を紹介したりします。
      いつもしーん・・・・と静かになります。
      今夜、この本を本棚から取り出して、また読み返そうと思います。
      ありがとうございました。
      2018/03/13
    • 地球っこさん
      nejidonさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます(*^^*)
      nejidonさんは、子どもたちに読み聞かせや中学生...
      nejidonさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます(*^^*)
      nejidonさんは、子どもたちに読み聞かせや中学生へのお話会など、ご活躍されてるんですね。すごく素敵ですね!本に対する子どもたちの感性は大人とはまた違うものがあるのではないでしょうか。
      長田さんの詩を読まれた時の中学生のみなさんの様子、とても興味深いものでした。
      人それぞれ、育ってきた環境や思い出、性格や感情が違うから、きっと読まれた詩への想いや、想像することはみんな一緒ではなかったはず。でも、そんなたくさんのモノを全てあるがままに受け入れて、大切な何かを一人ひとりに与えてくれる詩。詩ってそういうものなのかなって思いました。そして、そういう詩は読む年代を選ばず、時代を超えて残って行くんだと思います。
      うーん(-- )うまく言えないな。
      恥ずかしながら長田さんの詩は今回初めて読みました。『365日の本』という本で紹介されていたので、手にとってみました。読むことが出来て良かったです。
      2018/03/14
  • タイトルがすてき。
    買う。何度も読みたい。

    ・なくてはならないもの
    ・世界はうつくしいと
    ・聞くという一つの動詞
    ・大丈夫、とスピノザは言う
    ・we must love one another or die
    ・人の一日に必要なもの
    ・花たちと話す方法
    お気に入り。

  • この方の作品は初めて読みました。
    先に「われら新鮮な旅人」も読んだのですが、こちらの方がわかりやすかったです。
    あとがきで「草花の咲きみだれる道で、また星ふる夜の空の下で、思わず魅せられて立ちどまるようなとき、日々をうつくしくしているありふれた光景が、この世のあるべき様(よう)への信頼を人知れず深くしていることに、いつも明るいおどろきを覚える」とあります。
    美しい風景を切りとってきて、綺麗なことばにまた、おきかえなおす方だと思いました。
    美しくてため息のでるような詩ばかりですが、特に好きだったものは、
    「蔵書を整理する」
    「クロッカスの季節」
    なんとも美しく印象的で、その情景が目にうかぶようでした。

  • 大人のための詩集。

    表題作『世界はうつくしいと』は素晴らしい。
    四季を感じ、自然を感じ、
    人間なんて小さなものだ、と感じる。

    『聴くという一つの動詞』の一節に、
    「読むことは本にのこされた沈黙を聴くことである。
    無闇なことばは人を幸福にしない。」とある。

    あー、本当にいろいろごめんなさいと心で言ってみた。

  • もう長田弘さんの詩集を読むのは癒しのひと時になりつつあります。
    何冊か長田弘さんの詩集を読みましたが、すごくいい。もっと新書も出して欲しい。
    やっぱり言葉がうつくしくないと、世界のうつくしさは語れない。言葉の選び方がすごくうつくしいからこそ語れるものがあるんだなあと思う。
    あくまで沈黙を大切に…。

  • 新宿の喫茶店にて。
    繰り返し、繰り返し、繰り返して、心の中で唱える。
    「世界は美しいと」。
    「世界は美しい」ではなく、「世界は美しいと」。
    この「と」が持つ圧倒的な力を前に、私は戸惑ってしまうんだけど。
    「と」に込められたのも、願いであり、信仰であり、祈りであるような。

    本は、物語は、希望の産物だ。
    だから読まずにはいられない。未来へ導こうとする希望の手が差し伸べられているような気がするから。その手を、己の手で包み込むことを私は求めているし。そして、そういう本を提示してくれる人が、長田弘。常に求めれば、差し出してくれる。そういう詩人。

    詩はいい。売れること、万人に理解されることを前提にしておらず、自分が伝えたい想いを言葉にのせることができるから。そういう言葉から、私は何かを受け取りたいんだよな。

  • 世界はうつくしいと、だけがとても読みたくて、それだけ読んだ

  • 話のための話はよそう。それより黙っていよう

    人生は受容であって、戦いではない

  • 人の一日に必要なものは、
    意義であって、
    意味ではない。


    ~もう、なんというか。ステキすぎる~

  • 手元に置いて繰り返し読みたい本です。

    ”さらりと老いていく人の姿はうつくしいと。”

    そういう老い方を目標にしたいです。

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著者プロフィール

詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971-72年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(82)桑原武夫学芸賞(98)講談社出版文化賞(2000)詩歌文学館賞(09)三好達治賞(10)毎日芸術賞(14)などを受賞。2015年5月3日死去。

「2017年 『エミリ・ディキンスン家のネズミ  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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