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本 ・本 (104ページ) / ISBN・EAN: 9784622074663
感想・レビュー・書評
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眠りにつく前に少しずつ読んでいた
やさしい言葉たちが周りを囲んでくれる
一瞬にして自然の中へ、ここではない穏やかなところへ、音楽の世界へ、連れて行ってくれる
これからもきっと読み続ける -
誰もいない静かな場所。深呼吸をする。穏やかな気持ちで、この詩集と向き合い、味わう。それが一番ふさわしいのでは、と思えるような詩集でした。
紡がれる言葉をじっくりと噛みしめて、ゆっくりゆっくり味わいました。時々現れる1羽のミミズクに、気持ちを見透かされているような感じもしました。
風景のなかに、もうここにはいなくなったものの存在を間近に感じることと、姿を消し去ったものが残していくものが、この世界の何気ない美しさだということが、あとがきに書かれていました。そうかもしれないと思いました。
これからは詩集も読んでいこうと思うきっかけになった素敵な詩集でした。最後に、これからも読書をする上で、なるほどと思った言葉です。
読むことは、本にのこされた
沈黙を聴くことである。
無闇なことばは、人を幸福にしない。
「聴くという一つの動詞」より
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フリージアさん、この視点はホントに素敵ですね。過去の存在が今の美しさを形作っているというか、引き立てている側面てありますよね。それが美しいも...フリージアさん、この視点はホントに素敵ですね。過去の存在が今の美しさを形作っているというか、引き立てている側面てありますよね。それが美しいものなら、今在るものに繋がるストーリーが目の前にある何かをより美しく見せ、それが醜いものならそれもまた目の前の何かを比較によってより美しく見せてくれる。全然見当違いなことを言っているかも。。最後の言葉にすっかりノックアウトされてボーっとしてます♪(*‘ω‘ *)2024/09/07
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コルベットさん、こんばんは♪
慌ただしく、効率のよさばかりが重宝される今日この頃。たまには、ゆったりと詩集でも、と思い手に取った本でした。他...コルベットさん、こんばんは♪
慌ただしく、効率のよさばかりが重宝される今日この頃。たまには、ゆったりと詩集でも、と思い手に取った本でした。他にも、素敵な言葉がたくさんありましたよ(*^^*)2024/09/07
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“目に見えるどんな風景も、その風景のなかに、ここから消えていった人の、目に見えない記憶をつつみもっている。”
あとがきに残されたこの言葉が、胸に染み渡ったのは、3.11東日本大震災から7年目の朝のことでした。
『冬の夜の藍の空』がすき。
“空が、最初にこの世につくったのは、
闇と、夜だ。その二つが結ばれて、昼が生まれた。”
“明るさに、人は簡単に目を塞がれる、
夜の暗さを見つめられるようになるには、
明るさの外に身を置かなければならない、と。”
闇と夜を知っている人は、きっと美しい人なんだと思う。だって星は夜の闇の中だからこそ、あんなに綺麗に瞬くのだから。
何気ない風景のなかに、ありふれた日常のなかに、美しいものはちゃんと存在していて。それは姿を消し去ったものが後に残してゆくものなんだと。
あぁ、そんなふうに思うことが出来たら。ほんの少しでも癒やされる人がいるかもしれない。
たくさんの記憶と祈りを抱く世界にわたしは生かされている。-
地球っこさん、こんばんは♪
しみじみと感動が伝わる素敵なレビューですね。
長田弘さんが亡くなられた時は、まさに心に穴があいてしまったよう...地球っこさん、こんばんは♪
しみじみと感動が伝わる素敵なレビューですね。
長田弘さんが亡くなられた時は、まさに心に穴があいてしまったような、そんな気持ちになりました。
時々中学生向けのお話会でも、長田さんの詩を紹介したりします。
いつもしーん・・・・と静かになります。
今夜、この本を本棚から取り出して、また読み返そうと思います。
ありがとうございました。2018/03/13 -
nejidonさん、おはようございます。
コメントありがとうございます(*^^*)
nejidonさんは、子どもたちに読み聞かせや中学生...nejidonさん、おはようございます。
コメントありがとうございます(*^^*)
nejidonさんは、子どもたちに読み聞かせや中学生へのお話会など、ご活躍されてるんですね。すごく素敵ですね!本に対する子どもたちの感性は大人とはまた違うものがあるのではないでしょうか。
長田さんの詩を読まれた時の中学生のみなさんの様子、とても興味深いものでした。
人それぞれ、育ってきた環境や思い出、性格や感情が違うから、きっと読まれた詩への想いや、想像することはみんな一緒ではなかったはず。でも、そんなたくさんのモノを全てあるがままに受け入れて、大切な何かを一人ひとりに与えてくれる詩。詩ってそういうものなのかなって思いました。そして、そういう詩は読む年代を選ばず、時代を超えて残って行くんだと思います。
うーん(-- )うまく言えないな。
恥ずかしながら長田さんの詩は今回初めて読みました。『365日の本』という本で紹介されていたので、手にとってみました。読むことが出来て良かったです。2018/03/14
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27編の詩を読んでいる中で、何度も言葉に立ち止まる瞬間がありました。それは、素敵な本の絵に見入ってしまう。流れてくる音楽にうっとりと聴きいってしまう。そのようなことと同じだと思いました。詩は言葉の芸術なんだなあと。
「フリードリヒの一枚の絵」という詩の中に「よく生きるには - パスカルはこうも言った。よく澄んだ眼をもつことができなければならないと。」という言葉があります。まさに長田さん自身が澄んだ眼で世の中の事象をとらえ、表現されておられる。長田さんからつむぎ出された言葉によって、私の心も澄み渡りました。立ち止まった言葉、覚えておきたい言葉が数多くありました。あとがきも、一つの詩のようでした。今後も何度も、読み返すと思います。 -
あまり詩を読むことがなく、読んでもいまひとつ分からない…そんな私が久々に詩っていいなとずっと持ち歩いて読んだ一冊。
大好きな児童文学作家・翻訳家のひとり、長田弘さん。長田さんのことばの表現はいつも穏やかで優しく、そして何とも言えない心地良さがある。もう安心と信頼の長田さんです。
まだ詩の世界は分からない、けどなんだか気になる。
(読んだ数少ない詩のなかだと中原中也の 「全身」と「心臓」が好きでした。)
図書館で探し物をしていたとき、いつのまにか詩のゾーンに入っていて詩かぁ…と思っていた時に目に飛び込んできた 長田弘 、、!!
「世界はうつくしいと」
二十七篇ある詩のなかの心にのこった作品をあげようと思いましたがどれも良かったので雰囲気が伝わるようタイトルと、一部のみ。
・なくてはならないもの
・世界はうつくしいと
・大いなる、小さなものについて
・聴くという一つの動詞
・シェーカー・ロッキング・チェア…他
◆ 二〇〇四年冬の、或る午後 一部抜粋 ◆
うつくしさを知ったのも、色彩なしだった…
どんな色彩あふれる世界よりも、ずっと、ほんとうの世界に近いのだ。 …
世界を、過剰な色彩で覆ってはいけないのだ。
沈黙を、過剰な言葉で覆ってはいけないように。
表紙のようなうつくしい世界が静かに広がっている素敵な詩集でした。
さっそく本屋へ迎えに行かなくては。 -
身の回りのもの、自然、音楽、芸術など、美しいものを美しいと思える人でありたい、そう思いました。
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《詩人の仕事とは、何だろう?
無残なことばをつつしむ仕事、
沈黙を、ことばでゆびさす仕事だ。
人生は受容であって、戦いではない。
戦うだとか、最前線だとか、
戦争の言葉で語ることはよそう。》
(We must love one another or die)
「聴くという一つの動詞」「雪の季節が近づくと」が特に印象に残っている。
静謐で日常の一瞬一瞬を噛み締めるような詩集。
この詩集を読むと、時間の流れがゆっくりになり、身の回りにある自然、物、芸術、人生そのもの、全てがうつくしいものに思え、愛おしくなる。
広い世界を知っているからこそ書ける詩だと思う。
わかりやすいので、詩は理解するのが難しくて苦手だ、という方にもおすすめ。
ぜひ、静かな場所で、ホットコーヒーを啜りながら、窓を開けて外の風を感じながら読んでもらいたい。
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