漱石文学が物語るもの――神経衰弱者への畏敬と癒し

著者 :
  • みすず書房
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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622074939

作品紹介・あらすじ

漱石はなぜ「神経衰弱者」を描いたのか。作品・書簡他、関連資料を渉猟し、作中に込められた真意を読む。精神医学的考察から浮かび上がる、漱石のもうひとつの姿。

感想・レビュー・書評

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  • 烏兎の庭 第五部 書評 10.29.17
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto//uto05/bunsho/SSK.html

  • 自身の神経異常の原因を知るべく、夏目漱石の小説を読んできて、いよいよ到達したかな総まとめ的な本書に出会いました。

    漱石の小説を読んでいると、とても共感できる部分があり、感慨深く、時には胸が苦しくなる時もありながら、一人苦しみの渦の中に溺れる自分を手助けしてくれるほどに希望を見出してくれたものです。

    なぜ共感と希望を得られるのか。結局、神経衰弱者は”他人から理解されない”苦しみを抱き孤独の中に生きている、という事実があるからです。漱石の小説には神経症の苦しみが尽く記されています。
    漱石自身が神経衰弱に悩みながら、気違い扱いを受け孤独を感じ被害妄想を抱き、それでも生きる方向性を追い続けたからこそ、「神経衰弱者への畏敬と癒し」につながる作品諸々、また悩む門下生に癒やしの手を差し伸べられる人になっていったのでした。

    私は素人なので学術的価値の云々はわかりませんが、現代社会においても神経(精神)に不安を抱く人々が増えている中、「神経がおかしくなっている夏目漱石の好きな人」であれば、素人でもこれを読んで生きる力添えになってくれるでしょう。

    則天去私の境地を目指して、歩き続けます。

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著者プロフィール

一九二一年東京生まれ。東京帝国大学文学部英文科卒業。アメリカ文学者・中央大学名誉教授。主な著著に『フォークナー テーマと研究』『アメリカ南部の作家たち』ほか、主な訳書にフォークナー『響きと怒り』『アブサロム、アブサロム!』などがある。二〇〇九年没。

「2022年 『エミリーに薔薇を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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