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- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622075776
作品紹介・あらすじ
ドイツ国歌の怪、ヒトラーの文化帝国、幻の指揮者レオ・ボルヒャルト、カラヤンとオペラ原語上演、忘れられた歌劇場、ユダヤ文化同盟、ヒトラーに褒められたオペラ、サイレント映画の音楽、踊り場デルフィ…逸話から浮かび上がるドイツ現代史の襞。
感想・レビュー・書評
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ヴァイマル共和国期、そしてナチスが支配した時期に、政治は音楽にどう接したのか、対して民衆はどのように音楽を楽しんだのか、両者の交錯が劇場などのどのような変遷に表われているのか、ベルリン在住の著者がみずからの足で突き止めたことにもとづいて、読み物としてもきわめて面白く描き出されているが、文化史の深部に及ぶ記述には、その従来の物語を覆す起爆力を有していよう。みずからの発想と文体に、虚構の飼い猫に突っ込みを入れさせるあたり、前著のフリッツ・ラング論よりも芸が洗練されているように思うが、その猫が言うとおり、一貫した問題意識に貫かれているように見えないのが惜しまれるところ。
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