愛、ファンタジア

  • みすず書房 (2011年3月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784622075950

感想・レビュー・書評

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  • とっておきのすごくいい小説。もっと早く読めばよかった。作品全体が音楽的でもあり、同時に言語実験のようでもある、届かない手紙の集合体のようだ。コーランが音楽としての価値を有するのと同様に、この作品も詩的かつ文学的かつ音楽的な立体感を有するのだ。

  • アルジェリア出身のフランス語作家の自伝的小説であり、アルジェリアの植民地支配から独立までの歴史小説であり、アルジェリアの名もなき女性たちの声でもある本。

    複雑な構成を持つだけでなく、非常に多数の要素を互いに対となしたり、反復したりしながら、小説は展開される。
    フランス語を習得したアルジェリア女性というのは、実に微妙な立ち位置にいある。
    アルジェリアの女性は伝統的に成人すると社会から隔絶されてしまう抑圧された存在。それを解き放ったのはフランスの植民支配によるフランス語教育である。
    一方でフランスの植民地支配に抗するために、アルジェリア女性は自分たちを抑圧するアルジェリア男性社会に献身し、フランスと対決する。

    抑圧され沈黙されてきた、あちこちで矛盾しあうアルジェリア女性のアイデンティティを、そのままさらけ出し、ぶちまけたうえで、緻密な文章に練りあげたら、こうなるのだろうか。

    普通の筋書きがある小説だと思って飛びつくと火傷する。
    でもこの圧倒的な筆力には感嘆させられる。

  • わからない、けれど絶対に大切な本

  • 2014/12/5購入
    2017/4/24読了

  • 写真家村田信一さんの読後感を読み購入

  • アシア・ジェバールのアルジェリア4部作最初の長編(他は未邦訳)。複雑な構成を持ち、史実あり自伝的記述あり声なき女性の声があり…とめくるめく壮大な物語。原文も難解な語彙が多様されるそうだが、翻訳は読みやすい。文章もとても美しい(第3部の「コーラン学校」とか特に)。ただ、易しい読み物ではない。時間をかけてじっくり読まれるべき傑作。

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