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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784622076971
感想・レビュー・書評
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下巻は、太平洋戦争突入から、2012年、東日本大震災による混乱とその対応までを概観している。
太平洋戦争の経緯については、あっさりしすぎていて物足りない。諸事情にもう少しついて突っ込んでほしかった。また、著者が当事国であるアメリカ人であることから、解釈の仕方にバイアスがあるように感じるのは、日本人のひが目なのだろうか。
本書は、一貫してジェンダー問題に多くのページを割いている。女工の哀史からモダンガールバッシング、終戦直後の「特殊慰安施設」、高度成長期以降のOLまで、女性が押さえつけられてきた歴史をがくまなく紹介されている。明治期に作られた女性の役割(良妻賢母)が根強く残る現代社会の実態にも言及していて、興味深いかった。訳者あとがきを読んで、ハーバード大学歴史学教授である著者が「英語圏における日本の近現代史・日本労働史研究で中心的な位置を占める研究者」として高い評価を得ている人物であり、かつ近年ジェンダー史も手掛けていることを知って納得。
これも訳者あとがきで紹介されていることだが、著者は、「80年代までは高度成長を賞賛する「日本奇跡論」が、次いで急速な大国化を世界の他の国々への脅威とみる「日本脅威論」が盛んになり、バブル崩壊後は、日本社会が機能不全に陥ったことを強調する「日本破綻論」が取って代わる、というように変遷をとげてきたが、どの視点も日本を特殊な社会とみる」「日本特殊論」であって日本研究の「致命的な欠点であった」との認識の下で、「日本の近現代を世界の近現代史の動きとの相互関連性のなかでとらえる」「複眼的なアプローチ」で捉えている。このアプローチを、訳者は刺激的、効果的、魅力的と激賞しているが、その通りと思う。このような刺激的な書が教科書として数多く採用されている米国大学の日本史教育のレベルの高さには驚かされる。
現代史の部分については、やはり評価が固まっていないこともあってか、記述が混沌としている。20~30年経てば、歴史の大きな流れのなかでの整理が進むのだろうか。 -
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