日本の200年 下[新版] 徳川時代から現代まで

  • みすず書房 (2013年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784622076971

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    「直近の過去を、歴史の視点から描くこと

    旧版と新版のいちばん大きな違いは、今回、最終章として第18章「2008年以後の日本――衝撃と大災害、そして絶望と希望」が新たに書き下ろされたこと、 そして、それにしたがって、旧版の最終章(第17章)「ポスト戦後期」が、「日本の「失われた20年」」として、大幅に書きなおされたことだ。

    思い返すと、たしかに2008年からの4年間は、ひとつの章を立てる必要があるぐらい、政治、経済、社会のあらゆる領域で、「激震」があった。本書は、具体的には、2008年のリーマン・ショック、2009年の政権交代、2011年の東日本大震災に焦点を当てる。

    「これらのできごとは、そのマグニチュード……があまりにも巨大」で、「政治をはじめエネルギー政策、経済問題、環境問題、防災科学などにまたがる時事問題の専門家たちや、これらを報道するジャーナリストたちが」注目するだけでは足りない。歴史家も、「長期的な視野からとらえること」によって、この時期についての「理解を深めるために貢献できる」かもしれず、それを「求められているはず」だ。
    (「日本語版へのまえがき」)

    日々、全国紙や地方紙に載る事件やできごとだけでも、気の遠くなるような数なのだ。そのなかのどれに、「歴史の視点から」注目するか、いわば、その歴史家の長年の蓄積と、情報収集と、勘と、嗅覚が求められるだろう。

    たとえば著者は、リーマン・ショックの直接の社会的影響として、2008年の年末から開設された「年越し派遣村」に注目した。それは、さまざまな直接行動や、逆に労働者の意識を高める結果になった。

    また、3.11後に頻繁に聞かれた「想定外」の表現については、あの「大惨事が肝心な点で、想像力の欠如から生じたのではなく、政治的な意思の欠如から生じた」ことの意味を、掘り下げる。

    3.11以前と以後では、表現にかんする限り、おなじではありえない、と多くの人も認識しているだろう。しかも、このかんに表面化したいくつもの問題は、今後の問題でもありつづける。 」
    http://www.msz.co.jp/book/detail/07697.html

  • 2020.06―読了

    外国人ならではの視点、さらには平易な語り口が、
    日本の近現代史をわかりやすい世界にしてくれている。
    著者.アンドルー・ゴードン-Andrew Gordon-は米国ハーバード大学の歴史学教授。

  • 下巻は、太平洋戦争突入から、2012年、東日本大震災による混乱とその対応までを概観している。

    太平洋戦争の経緯については、あっさりしすぎていて物足りない。諸事情にもう少しついて突っ込んでほしかった。また、著者が当事国であるアメリカ人であることから、解釈の仕方にバイアスがあるように感じるのは、日本人のひが目なのだろうか。

    本書は、一貫してジェンダー問題に多くのページを割いている。女工の哀史からモダンガールバッシング、終戦直後の「特殊慰安施設」、高度成長期以降のOLまで、女性が押さえつけられてきた歴史をがくまなく紹介されている。明治期に作られた女性の役割(良妻賢母)が根強く残る現代社会の実態にも言及していて、興味深いかった。訳者あとがきを読んで、ハーバード大学歴史学教授である著者が「英語圏における日本の近現代史・日本労働史研究で中心的な位置を占める研究者」として高い評価を得ている人物であり、かつ近年ジェンダー史も手掛けていることを知って納得。

    これも訳者あとがきで紹介されていることだが、著者は、「80年代までは高度成長を賞賛する「日本奇跡論」が、次いで急速な大国化を世界の他の国々への脅威とみる「日本脅威論」が盛んになり、バブル崩壊後は、日本社会が機能不全に陥ったことを強調する「日本破綻論」が取って代わる、というように変遷をとげてきたが、どの視点も日本を特殊な社会とみる」「日本特殊論」であって日本研究の「致命的な欠点であった」との認識の下で、「日本の近現代を世界の近現代史の動きとの相互関連性のなかでとらえる」「複眼的なアプローチ」で捉えている。このアプローチを、訳者は刺激的、効果的、魅力的と激賞しているが、その通りと思う。このような刺激的な書が教科書として数多く採用されている米国大学の日本史教育のレベルの高さには驚かされる。

    現代史の部分については、やはり評価が固まっていないこともあってか、記述が混沌としている。20~30年経てば、歴史の大きな流れのなかでの整理が進むのだろうか。

  • ゼミの課題

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