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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784622077626
感想・レビュー・書評
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長年出版業界でご活躍されていた著者が一線を退いたのち、一般の一利用者として公共図書館を利用しながら感じられたことや考えられたことを綴った1冊です。
世間では現代の公共図書館を否定的な意味合いで「公立無料貸本屋」という言い方をすることがあります。
しかし、著者が投げかけるのは「なぜ図書館は無料貸本屋であってはならないのか」という問いなのです。
著者は、編集や翻訳などに携わられていた現役時代に、国会図書館を調査に利用することはあったようです。
ですが、娯楽のための読書を目的に公共図書館を利用するようになったのは引退されてからとのこと。
そのため、現代の図書館事情には疎いようです。
本書は一利用者(もちろん出版会の事情には通じていらっしゃいますが…)の視点で書かれており、それは私にとっては新鮮な視点でした。
興味深く読みましたが、「読書のための図書館」という路線に偏っていることが、図書館関係者としてはやや引っかかりました。
読書のために本を借りるのも1つの利用の形ですが、公共図書館は地域の人々にとって、興味を持ったことや生活に必要な情報を調べることができる身近な施設でもあるのです。
出版界に通じており、なおかつ情報を入手するスキルを持った著者だからこその「図書館は無料貸本屋でもいいじゃないか」という主張なのかなぁとも思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館利用者の視点から、図書館の役割、出版社や著者と図書館との共存に向けた私見などが綴られたエッセイ。
電子図書時代に図書館が読者層を増やし、出版部数を増やすことに貢献し得ることや、大活字本により高齢者へ読書の楽しみを提供でき老人福祉にも貢献し得ることなどに気がつかされた。
図書館での選書の方針には、確かに興味を唆られる。
地域との対話を通じて読書の楽しみや課題解決の糸口の提供、地域資料や絶版本の保存などをし、読者層を増やすことが出来れば、無料貸本屋との謗りをはね返し、図書館の役割をアピールできるのではないかと思った。 -
図書館は無料貸本屋として利用しています。
著者はレファレンスサービスについてほとんど触れないので、私が無料貸本屋と図書館の違いの最たるものと思うものは著者にとって意味のないものなんだなと思います。-
「違いの最たるもの」
そうなんだ、全部ご自身だけで完結させられる、お偉い方なのでしょうね。。。「違いの最たるもの」
そうなんだ、全部ご自身だけで完結させられる、お偉い方なのでしょうね。。。2014/03/12
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/60093 -
うーん、図書館司書資格の講習でも聞いたような話がいくつか
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図書館の利用者の視点、考え方捉え方参考になる
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「当世公立無料貸本屋」のサブタイトルが結構刺激的。
寄り道も多々あれど、提言されているものはなるほどと頷かされるものが多い。介護施設に大型本の提案だとか、ブックレビューの蒐集だとか。
エッセイゆえ総論的なものがなく、とっ散らかっているように読めたのが少々残念。 -
『図書館に通う――当世「公立無料貸本屋」事情』
著者:宮田昇
四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/256頁
定価 2,420円(本体2,200円)
ISBN 978-4-622-07762-6 C0095
2013年5月17日発行
編集者、翻訳権エージェントとして、出版界で60余年を生きてきた著者。第一線を退き、今度は本好きの一市民として、街の図書館の奥深さと変貌を、つぶさに経験する。
同時に、みずからの半生と対話しながら、たくさん読んできたエンターテインメントのこと、むかし営んだ貸本屋のこと、貧しいハンガリー移民のピューリツァーが、アメリカで図書館を学校として育った逸話、図書館と著作権の問題をはじめ、誰も書かなかった、本と人を繋ぐエピソードを満載。
アイデアにみちた提案とともに、デジタル・ネットの時代に、図書館も書店も出版社も、ともに活躍できる道を探る。
〈https://www.msz.co.jp/book/detail/07762.html〉
【目次】
はじめに――図書館は「公立無料貸本屋」ではいけないのか
1 出版社がこしらえた図書館
2 『広辞苑』と『第二の青春』
3 『未刊行初期短篇』の公表
4 貸本屋と漫画喫茶
5 キングと『夏草』
6 『われらにとって美は存在するか』
7 『彼もまた神の愛でし子か』
8 『ドクトル・ジバゴ』とアメリカ文化センター
9 『アメリカの出版界』と図書館
10 『リリアン』と『オリンピア・プレス物語』
11 『蜩ノ記』とペーパーバック
12 『裏通りの紳士』と開架
13 ジャレド・ダイアモンドと運営委託
14 『暁の死線』と地域の図書館
15 『点と線』と書評の役割
16 『町奉行日記』と電子書籍
17 「異聞浪人記」と『知の広場』
むすび――インフラとしての図書館
謝辞 -
図書館
本の本 -
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ビット2013.07.17 電通報2013.07.15号で見つける。
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月刊「みすず」に連載された図書館に関連したエッセーである。著者は編集者、翻訳権エージェントとして出版業界を生きてきた経験をもとに、後期高齢者として昨今の図書館を利用している者としての視点で図書館を見たことを書いている。より利用者目線に立った図書館の活用形態が翻って図書館の存立基盤に利するだろうと言っているように思う。
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大活字本の読書 施設入所老人の不穏を抑えた
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利用者目線はこうしたものか。
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出版社に勤めていた方でも、図書館に対する知識はその程度なのか、と思った。しかし、近い位置にありながら図書館の知識を伝えられていない、広報が不得手な図書館側の問題も大きいと感じた。普段聞くことができない、利用者目線からの図書館に対する意見を聞くことができた。
翻訳など、知らなかったことは目から鱗。
論の進め方は奔放であるのが気になった。過去と現在に至るつながりや、別の論に飛ぶ際のつながりが記されていないため、やや混乱することも。
もう少し整理されていれば読みやすく、著者の考え方を理解することができるのに、という点が残念でならない。 -
『戦後「翻訳」風雲録』の宮田昇さんの本です。今度は図書館について。図書館の蔵書があまりにも汚く、「借り手のモラルの低下以上に、汚れた本を棚に置いて恥じない公共図書館と行政に、「タダで読ましてやる」という読者蔑視を感じた」(p117)というくだりには胸がすっとしました。また、アメリカの電子書籍専門図書館について。端末で2週間だけ貸出できるシステム、日本にも導入できないんでしょうか?
最後に、「敵法な引用」について自分のために引用しておきます。「敵法とは、引用された部分が明瞭にわかり、かつ歪めず正確に、しかも引用される必然性があり、最低限の量であること。そしていちばん重要な要件、どの著作物のどの箇所から引用したかという、出所が明示されていることである」(p212) -
図書館というサービスが何を目的にしているのか。その経済事情はどうなっているのか。これからの図書館は何を目指すのか・・・といったことが書いてあるのかと愉しみに読んだのだが、期待外れ。基本的には図書館で読んだ本の話であって、図書館について全然触れていないというわけではないが、素人の所感レベルで目新しいものはない。この人、編集者だったのだから素人じゃないと思うのだが。
「中の人」の話が読みたい。 -
図書館は「公立無料貸本屋」ではいけないのか? という問いかけから始まる図書館を利用しての読書エッセイ。
出版界から第一線を退いてから図書館で小説を借りるようになりおもしろさにはまった、という著者。
でも<当世「公立無料貸本屋」事情>という刺激的?なサブタイトルからもうちょっとつっこんだ図書館への取材や考察があるかと思ったらちょっと期待はずれ。
あちこちで取り上げられる匿名の人物や地名もなんだか中途半端でもやもやする。
でも昔の大橋図書館や貸本屋の事情や取り上げられる本には興味をそそられた。 -
僕も図書館をよく使う。『当世「公立無料貸本屋」事情』というタイトルに惹かれる。著者は出版業に長く携わり、かつては貸本屋も営んでいたという著者が何を語るのか。ところが、過去の詳細な描写に対して、現在は隠遁した老人として公立無料貸本屋を利用する著者の立場はずいぶんと身近、いやそれを通り越して、ぼやきにさえ見えてしまう。過去と現在の断層が大きくて、「当世」を期待したのに過去の話のほうが面白いという皮肉。公立無料貸本屋をなくさないでほしい、あれしてほしい、これしてほしい、という要望が目立ってしまう。過去と当世を断層ではなく、連続した変化として読めれば、この本は面白いかもしれないが、僕にはなかなかむずかしい。
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(ちょっと不真面目だけど、『図書館戦争』のDVDを観ていて思い出した)
全くの使う側からの目線で、図書館側のデータは、本当にデータだけで取材したような形跡はなし。
でも内容は図書館のみならず出版に関わる事柄まで広くて、感心しながら読んでたら読み終わった感じ。
いや私だってこの本そのもの、図書館から借りて読んだわけですが
なんかこの本は図書館にあるのにふさわしい図書だなと思った。
『図書館は利用されてナンボ』(要)
ってのがあったと記憶していますが、ええ、利用させていただきます。
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