自分だけの部屋 【新装版】

  • みすず書房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622077732

作品紹介・あらすじ

女性の受難史、その存在の意味を、小説や詩をテーマとして明らかにした軽妙な長篇エッセー。フェミニズムの古典。

感想・レビュー・書評

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  • 文学

  • 再読です。一度目はE・サイードの『知識人とは何か』のなかで紹介されていたところから読んだのでした。二度目の今回はこのかん女性作家の本ばかり続けて読んできて、ふと性別(あるいはジェンダー)と文学作品の関係性というものへの興味から手に取りました。

    「〔女性が〕小説なり詩なりを書こうとするなら、年に五百ポンドの収入とドアに鍵のかかる部屋を持つ必要がある」という結論にいたる過程を、架空の人物メアリイ・ビートンの数日間の思索の流れのなかに呈示するという本書の構成は、まことにウルフらしい挑戦です。

    架空の大学都市のなかをゆくミス・ビートンの眼前に広がる風景、彼女の前にあらわれる人物たち、彼女が本を出し入れるする書架、そうした現実世界と、それらに遮られたり触発されたりしながらああでもないこうでもないと考えごとを続ける想像・思索の世界とが入れ替わり立ち代りに語られていきます。その何とも言えない生々しさというか、リアリティというか。

    目の前の本の山がある程度はけたら、また彼女の作品を読みたいなと思いました。

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著者プロフィール

1882年―1941年、イキリスのロンドンに生まれる。父レズリーは高名な批評家で、子ども時代から文化的な環境のもとで育つ。兄や兄の友人たちを含む「ブルームズベリー・グループ」と呼ばれる文化集団の一員として青春を過ごし、グループのひとり、レナード・ウルフと結婚。30代なかばで作家デビューし、レナードと出版社「ホガース・プレス」を立ち上げ、「意識の流れ」の手法を使った作品を次々と発表していく。代表作に『ダロウェイ夫人』『灯台へ』『波』など、短篇集に『月曜日か火曜日』『憑かれた家』、評論に『自分ひとりの部屋』などがある。

「2022年 『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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