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Amazon.co.jp ・本 (104ページ) / ISBN・EAN: 9784622077862
感想・レビュー・書評
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送られてきた手づくりの句一つ。
「三・一一神はゐないかとても小さい」
未来はいまま、未ダ来ラヌ時だろうか。
もう、そうではないのではないか。
いま、目の前にある、
小さなものすべて。
今日という、不完全な時。
大切なものは最上のものなのではない。
「未来はどこにあるか」より
長田弘さんの詩集2冊目。
人の一日をささえているのは、
何も、大層なものではない。
もっと、ずっと、細やかなもの。
祖母はよく言ったものだった。
なもむげにすでね。
(何ごとも無下にしない)
「幸福の感覚」より
きみはまず風景を慈しめよ。
すべては、それからだ。
「奇跡」より
『シモーヌ・ヴェイユ』のように社会的悲哀や不条理に鋭敏な感覚と小さな日常を愛しむ姿勢に胸を打たれる。
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いせひでこさんとのコラボ絵本、「幼い子は微笑む」で、長田弘さんのことを知り、初めて長田さんの詩集を読むことができました。改めて、出会いに感謝。
私の中で詩って、何か抽象的なイメージや語彙が多くて、分かりづらい印象をもっていたのですが、長田さんの詩は、わかりやすく、心に残る余韻のようなものがありました。そして、そのわかりやすさには、そっと励ましてくれるような温かさも感じられました。
また、長田さん自身の御不幸や、東日本大震災を経ての詩集ということで、改めて、世界や人の人生、喪失の先の希望を見つめ直すような表現がいくつかあり、読んで、何度も噛みしめるうちに、思わず、平和で穏やかな自分の家の庭を眺めたくなりました。
「未来はどこにあるか」より
いま、目の前にある、
小さなものすべて。
今日という、不完全な時。
大切なものは最上のものなのではない。
「人の権利」より
木立の上に、
空があればいい。
大きな川の上に、
風の影があればいい。
花と鳥と、光差す時間、
そして、おいしい水があれば。
僅かなもの、ささやかなものだ、
人の生きる権利というものは。
「ロシアの森の絵」より
それから後の、この星の、この世界の、
不幸は何だと思う?
それから到来したのは、
ゆたかでまずしい時代だった。
わたしたちは、畏れることを忘れた。
「徒然草と白アスパラガス」より
不要なものを捨てる。人生はそれだけである。
最初に「いつかは」という期限を捨てる。
それから「ねばならない」という言い草を
捨てる。今日という一日が残る。
その一日を、せめて僅かな心遣りをもって、
生きられたら、それで十分なのだと思う。
「賀茂川の葵橋の上で」のタクシー運転手の何気ないことばから、希望の存在に気づかされます。
「梅の開花が遅れとるようやけど、言うても、梅のことやさかい、時季がくると、それなりに、そこそこは、咲きよるけどな・・・・・・」
「賀茂川の葵橋の上で」より
希望というのはそういうものだと思う。
めぐりくる季節は何をも裏切らない。
何をも裏切らないのが、希望の本質だ。
めぐりゆく季節が、わたし(たち)の希望だ。
死を忘れるな。時は過ぎゆく。季節はめぐる。
喪うものが、どんなに多くても、その日一日を、ささやかな光景に感謝しながら、おごらず、かつ、慄かずに生きていくことの大切さを教えてくれた気がします。これからの私の人生において、悩み苦しむことがある時には、読み返して、何度でも、自分自身を見つめ直そうと思いました。一生、手元に置いておきたい作品。
「おやすみなさい セレナード」より
おやすみなさい私たちは一人ではない
おやすみなさい朝(あした)まで-
まいけるさん、こちらにもコメントをありがとうございます!
この詩集も大分前に読んだのですが、改めて現代の私たちは、何か大事なことを忘れてい...まいけるさん、こちらにもコメントをありがとうございます!
この詩集も大分前に読んだのですが、改めて現代の私たちは、何か大事なことを忘れているのではないかということを、多くの大事なものを失った後に書かれているだけに、とても沁みるものがあり、幸せとは何なのかを考えさせてくれます。
私も久しぶりに長田さんの詩集、読みたくなりました(^_^)2024/07/18 -
たださん、こんにちは。
たださんのおかげでこの詩集とも
出会えました。
社会的事象の奥にあるものにも
敏感でありたい。
そして何より「何でも...たださん、こんにちは。
たださんのおかげでこの詩集とも
出会えました。
社会的事象の奥にあるものにも
敏感でありたい。
そして何より「何でも無下にしない」
そんな教えを胸にとどめておきたいと
思いました。
感謝して2024/07/24 -
まいけるさん、こんばんは。
レビュー、拝読いたしました。
改めて、長田さん自身の辛かった心境を映し出しながらも、その時代に於ける物事の本質...まいけるさん、こんばんは。
レビュー、拝読いたしました。
改めて、長田さん自身の辛かった心境を映し出しながらも、その時代に於ける物事の本質を見出していく姿、そして、それを詩人らしく詩という形で表してくれたことに、3.11後の希望のあり方を示してくれたようで、このどうしてもやり切れない悲しみがあったからこそ、大切なものに気付くことができたのかもしれないという気持ちを、これからも大事にしていきたいと思いました。
こちらこそ読んで下さり、ありがとうございます。2024/07/24
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ぼくも最近この人のこの詩集を読みました。「希望のように、心の上に、落ちてくるまで。」
がミソなんですよね。きっと。「蜜柑」の読み方なんでし...ぼくも最近この人のこの詩集を読みました。「希望のように、心の上に、落ちてくるまで。」
がミソなんですよね。きっと。「蜜柑」の読み方なんでしょうね。長田流の。
2019/02/10 -
2019/02/10
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今更ながら長田さんの詩集を読むのは初めてだ。シンプルだけど深い言葉のひとつひとつが、読み込むほどに、体の…細胞の奥深くまで染みわたるようだ。身近な自然の風景、ささやかな幸福。ふるさとの東北に思いを馳せ、ベルリン、ロシア、ウィーン…それらの国の歴史に思いを馳せ、時を重ねていくことの意味を考える。
印象的な言葉はたくさんあるが、
「悲しみは窮まるほど明るくなる。」
この一文が深く心に刻まれた。
うまく言葉に言い表せない、喜怒哀楽をごちゃ混ぜにしたような感情が、輪郭が曖昧なまま存在している。心に残る詩集に出会ったときはいつもそう。心が揺さぶられた証拠なのだ。
「日々にごくありふれた、むしろささやかな光景のなかに、私(たち)にとっての、取り換えようのない人生の本質はひそんでいる。」
これまで自分の中にあった「奇跡」の定義が、間違いなく変わる詩集。
「幸福とは、単純な真実だ。」 -
「青空」を描く詩人が好きだ。
たとえば「空の青さをみつめていると」と書いた谷川俊太郎。「見よ今日もかの青空に…」と書いた啄木。
「透き通ってゆく青磁の空が、束の間の永遠みたいに」と書いている長田弘も加えることにしようか。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201906280000/
https://www.freeml.com/bl/12798349/1064816/ -
長田弘さんの詩、やっぱりいい。物欲にまみれた生活が恥ずかしくなる。この詩集はベルリンなどヨーロッパの各地の風景とともに、かつてこの地で起こった悲劇に思いを馳せている。平和教育にも。
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ささやかな生活のなかに、きらりと光るものを見つけること。
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長田弘 NHK「視点・論点」出演
2013年7月10日(水) 放送のNHK「視点・論点」に、詩人・長田弘氏が出演されます。「季節とともに考...長田弘 NHK「視点・論点」出演
2013年7月10日(水) 放送のNHK「視点・論点」に、詩人・長田弘氏が出演されます。「季節とともに考える」をテーマに、今月刊行されたばかりの詩集『奇跡―ミラクル―』からの詩の朗読もあるようです。放送予定はNHK総合で早朝4:20から、Eテレでは13:50からのそれぞれ10分間です。
http://www.msz.co.jp/news/event/2013/07/09
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”何がなくていいか、それが、人生の
たぶんすべてだと。それは本当だった。”
”もしも誰かに、平和とは何か訊かれたら、
秋のうつくしさ、と答えたい” -
詩集。書くとはじぶんに呼びかける声、呼び止める声を書き留めて言葉にするということである。物言わぬものらの声。幼い子は微笑む。ベルリンはささやいた。夏の午後、ことばについて。未来はどこにあるか。
書かれていても読み取れないのに、書かれていないところをどこまで読み取れるか。私には、なかなか難度が高いです。 -
P6 幼い子は微笑む
P31 空色の街を歩く
P48 幸福の感覚
が印象的
“奇跡”について書かれたあと書きに、
すべてが集約されていると思う。 -
ナチスドイツ時代のベルリンでのユダヤ人についての詩もある。
幸福ってなんだろう?
生きてることも奇跡なんだろうな -
自分が読んだ長田さんの作品の中で、一番難解だった。最初の「幼い子は微笑む」が一番印象に残っている。
ー「この世で人が最初に覚えることばではないことばが、微笑だ」
ー「人は、ことばを覚えて、幸福を失う」
大人になればなるほど、言葉を覚える。
それと引き換えに、最も幸福な「微笑」からははなれていく。そのような意味だろうか。
いつしか仏教の本かなにかで、
「微笑みをだせるのは、すごく尊い」みたいなニュアンスの言葉があった。
なにかつながりがあるのかな?
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感想 :

長田弘さんの詩に込められた思いを次の世代にも伝えたいです。「何事も無下にしない』にはどきりと...
長田弘さんの詩に込められた思いを次の世代にも伝えたいです。「何事も無下にしない』にはどきりとしました。小さい頃自分が聞いた言葉が、風景が鮮やかに呼び戻されてきます。
これからも折にふれ読んでいきたいです。
ありがとうございます。