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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784622078036
感想・レビュー・書評
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強い「知性」もしくは「理性」の力を感じる。個人的にはこの著者とはどうしたっていくつかの見過ごせない部分で「合わない」と感じるが(いかにもフランスを美化しすぎだしインターネット時代の若者たちにも手厳しすぎる)、それでも誰にもおもねらず思索を練り己自身と愚直に対話を重ねる態度は感服せざるをえない。単独者、という言葉が似合うと思った。それこそシモーヌ・ヴェイユのような書き手が己と対話を重ねて独自の作品世界を織りなしていったように、この著者も日記に託して精神を鍛えたのではないか。異論はあれど無視できない著者と思う
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高橋たか子さん、「誘惑者」読みたいと思いつつもまだ読んではいない。小説家であるのに小説より先に死の間際の数年間書かれていた日記を読むことになろうとは。
私は、愚かであると思う、とか、日本にはない、とかそういう言葉に至った彼女の体験した辛酸や反省を読みたかった。そういう部分を知らずして突っぱねるような物言いだけ読んでも好きになれるはずはない(これは彼女の日記であるんだし、彼女の経歴や仕事を考えると偽らざる気持ちなのだろうが)。やはり小説から読むべきだったと後悔。
頷ける部分も多くあるけれど、全体として自分の世界の幻想に強く生きすぎている人なのかなと思った。中産階級、とか、トップクラスの男性とかっていう言葉はまさにフランス的だ。
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