ロラン・バルト 喪の日記 【新装版】

  • みすず書房
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本棚登録 : 68
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622079774

感想・レビュー・書評

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  •  二十代で出会ったロラン・バルトですが、わかったと得心したことは一度もありません。にもかかわらず、ある種の深情けの網から逃れられず、読み続けていましたが、50を過ぎたころ諦めがついたようです。
     バルトはとっくになくなっていて、思い入れも思い出になった今日この頃、若い友人が「バルトを…」と口にしたことで、はっとして、手に取りました。
     わからなさに角が立たなくなっている自分に気付きました。年を取ったのでしょうか。ロラン・バルトが生きた時間を超えて生きていることに気付いたのが、いちばんの衝撃でした。
     ブログに、本文から少し引用しました。よければどうぞ。
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202007030000/

  • 職業柄、難しい言葉をこねくり回すことで喪をやり過ごそうとしているけど、一番胸に迫るのはシンプルな言葉だ。

    "悲しみに生きること以外はなにも望んでいない。"

  • 一言ひとことの、短く深く捉えた喪失の悲しみが痛いほど伝わってくる。
    生まれ持った洞察力の鋭さが、自身の喪失をより一層えぐるように冷たい言葉を生み出しているが、しかしそれが、その作業を怠らずにいられないバルト自身の喪の作業である。

著者プロフィール

(Roland Barthes)
1915-1980。フランスの批評家・思想家。1953年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1975年に彼自身が分類した位相によれば、(1)サルトル、マルクス、ブレヒトの読解をつうじて生まれた演劇論、『現代社会の神話(ミトロジー)』(2)ソシュールの読解をつうじて生まれた『記号学の原理』『モードの体系』(3)ソレルス、クリテヴァ、デリダ、ラカンの読解をつうじて生まれた『S/Z』『サド、フーリエ、ロヨラ』『記号の国』(4)ニーチェの読解をつうじて生まれた『テクストの快楽』『ロラン・バルトによるロラン・バルト』などの著作がある。そして『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』を出版したが、その直後、1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

「2023年 『ロラン・バルト 喪の日記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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