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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622079774
感想・レビュー・書評
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二十代で出会ったロラン・バルトですが、わかったと得心したことは一度もありません。にもかかわらず、ある種の深情けの網から逃れられず、読み続けていましたが、50を過ぎたころ諦めがついたようです。
バルトはとっくになくなっていて、思い入れも思い出になった今日この頃、若い友人が「バルトを…」と口にしたことで、はっとして、手に取りました。
わからなさに角が立たなくなっている自分に気付きました。年を取ったのでしょうか。ロラン・バルトが生きた時間を超えて生きていることに気付いたのが、いちばんの衝撃でした。
ブログに、本文から少し引用しました。よければどうぞ。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202007030000/詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
職業柄、難しい言葉をこねくり回すことで喪をやり過ごそうとしているけど、一番胸に迫るのはシンプルな言葉だ。
"悲しみに生きること以外はなにも望んでいない。" -
一言ひとことの、短く深く捉えた喪失の悲しみが痛いほど伝わってくる。
生まれ持った洞察力の鋭さが、自身の喪失をより一層えぐるように冷たい言葉を生み出しているが、しかしそれが、その作業を怠らずにいられないバルト自身の喪の作業である。