ヒッチコック「裏窓」ミステリの映画学 (理想の教室)

著者 :
  • みすず書房
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本棚登録 : 95
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622083030

作品紹介・あらすじ

事件は無事解決、映画は大団円へ。いや、男はほんとうに妻を殺害したのでしょうか?一本の作品を克明に「見る」こと、徹底的に分析することで浮かび上がる二重のミステリ。「ヒッチコックの映画的冒険、その胆力、その果敢さにわたしたちは心底おどろかねばならない」-シネマ・スタディーズ最前線の真髄をお見せします。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:375/R47/4/K

  • 「外見と内実の乖離」
    難しい… でも「裏窓」を見たあと 殺人が本当にあったのか…というモヤモヤは 感じてもおかしくないことがわかった
    「サイコ」は怖くて見られないけれど ヒッチコックの他の作品は是非見て見たい

  • ヒッチコックの「裏窓」は、評論家も含め多くの人が「実際に」殺人が起こっていると思い込んでいる…私もその一人でした(^q^) この「外見」と「内実」が相違する点が、ハリウッド映画史において真逆をいく方法論であったとし、「裏窓」が重要作品である証左を客観的に示している。「裏窓」が映画の新たなスタンダードになったとすれば、今ドキのサスペンスに慣れた方が見て「古臭い」とか「刺激がない」と感じるのはある程度自然なのかもしれないが、作品の本質はそうした観点にはないとも言えそうです。

  • ヒッチコック映画の在り方を裏窓を通して深く考察してありました。
    見ているものと、中身とでは全く別のことが行われているという外見と内実の乖離。ヒッチコックの映画史における古典期、ポスト古典期の貢献度が読む人に伝わると思います。

  • 途中で読むのやめちゃった。

  • 文章は平易ながら、人に映画研究を志させるくらいにスリリング。

    ただ、私には緑の光線がフィルムで見えたんですが、どうしましょ。

  • [ 内容 ]
    事件は無事解決、映画は大団円へ。
    いや、男はほんとうに妻を殺害したのでしょうか?
    一本の作品を克明に「見る」こと、徹底的に分析することで浮かび上がる二重のミステリ。
    「ヒッチコックの映画的冒険、その胆力、その果敢さにわたしたちは心底おどろかねばならない」―シネマ・スタディーズ最前線の真髄をお見せします。

    [ 目次 ]
    『裏窓』あらすじ
    第1回 二重のミステリ(言い漏らされていること;代表作;裏窓とスクリーン ほか)
    第2回 外見と内実の乖離(「婦人消失」の謎;視線を発見する視線;新妻と亡霊 ほか)
    第3回 映画史のなかのヒッチコック(奇妙な愛の寓話;「ひとを愛すること」と「ひとを見ること」の関係;「わたしはあなたを愛しています」 ほか)

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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 『裏窓』のあらすじの出来が秀逸。<br />脳内に映像がバッチリ見えた。<br /><br />他の『裏窓』論も少々くどい気はしたが、非常に興味深く、そのうえわかりやすい。<br />これは名著だろう。

  • 【目次】
    はじめに
    『裏窓』あらすじ
    第1回 二重のミステリ
     言い漏らされていること/代表作/裏窓とスクリーン/視覚を巡る寓話/「危険な被写体」と「美しい被写体」/なぜ美女の求婚を拒絶するのか/車椅子のうえの観客/車いすのうえの観客/人形の家/不可視の部屋/影と証明/「殺人事件」の成立/観客の合意/あやまちを犯す主人公/当然の報い/作者の意図/客観的証拠の不在/ブラックホール/過剰解釈/埋められない空隙/エロスへの迂回路/女性の二面性/フェミニズム的読解?/フェミニズム的読解?
    第2回 外見と内実の乖離
     「婦人消失」の謎/視線を発見する視線/新妻と亡霊/習慣と空虚な内実/小宇宙の衝突/精神的麻痺/死の問題と生の問題/マリオネット=人間/間違えられた男/幻想の女性/実在しない内実/「間違えられた」まま終わること/特異体質/二重人格者から他者人格者へ/古典的ハリウッド映画の脱構築/名づけえぬ被写体/扉の向こう側/空虚に満たされた空間/深い水脈での通底/視覚の裏切り/「現実」の誤認/緑の光線/映画史の「ポスト古典期」
    第3回 映画史のなかのヒッチコック
     奇妙な愛の寓話/「ひとを愛すること」と「ひとを見ること」の関係/「わたしはあなたを愛しています」/拡大鏡と望遠鏡/クロースアップに呑み込まれる/視点編集と感情移入/望遠鏡はいかに意識を生みだしたか/切り返し/乗り物としての主人公/零度のショット/偽の接ぎ穂/切り返しの排除/眼中にないもの/褶曲運動
    おわりに

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著者プロフィール

映画批評家・映画学者
2020年9月26日没

「2023年 『映画史の論点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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