中原中也悲しみからはじまる (理想の教室)

  • みすず書房
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本棚登録 : 49
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622083115

作品紹介・あらすじ

中原中也の詩のなかの「悲しみ」。第一詩集『山羊の歌』の題名の背景にある「悲劇」の意味。そして第二詩集『在りし日の歌』に込められた、青春への別れと悲しみ。人は自らの青春を救うことができるのか。決定版『新編中原中也全集』編集の成果をたずさえて、現代の詩人が中也の詩の魅力、その「生成」の秘密に鋭く迫ります。

感想・レビュー・書評

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  • とても面白い。中原中也は「汚れちまった悲しみに」くらいしか知らなかったけど、創作の過程で言葉の順番を変えるだけで詩の印象が大きく変わることが分かった。単なるインスピレーションではなく推敲で練り上げていくものなのだな。雪が降っているという作品がよかった。

  • 中原中也の詩を読んでみたくて、でも解説がないとわかんないなと思って、これ読みました。
    解説のおっちゃんは学者だろうけど、学者=オタクですね。
    中原中也の原稿を見つめまくって、推敲の過程を分析して、
    その含意を読み解くとか、マジでコア過ぎてワロタ。
    でも、ここまで深く読み込むと本当に面白い。

    中原中也って意外とふつうなんだよね、
    彼女に情けない感じで振られたり、親との関係とか、子どもへの愛とか
    エピソードが共感できるし、
    その結果詠んだ詩がこれかと思うと、美しいし儚いし、
    悲しげだけど心地よいリズムがあったりして、いいな~ぁと思った。

  • 水平にひろがる悲しみ○それから、それから○恍惚○陶酔○存在○この身一点


    文也のこと本当に愛してたんだなあ。。
    日記帳の文字が
    痛々しくて悲しすぎる。

    文也逝去、青空童子、と


    ×印で消された



    「降る雪は、

    いつまで降るか」

  • ☆未読 

  • 佐々木幹郎による詩論。みすず書房から出ているこのシリーズは大変読みやすくてよいです。中原中也が、どんな時に、どんな思いで、その思いを爆発させるように、紙にぶつけるように、詩を書いたのか、その片鱗を読み取ることができたらなあと思います。

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著者プロフィール

詩人。1947年奈良に生まれ大阪で育つ。同志社大学文学部哲学科中退。
ミシガン州立オークランド大学客員研究員、東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文芸非常勤講師を歴任。
詩集に『蜂蜜採り』(書肆山田、第22回高見順賞)、『明日』(思潮社、第20回萩原朔太郎賞)など。
評論・エッセイ集に『中原中也』(筑摩書房、第10回サントリー学芸賞)、『アジア海道紀行』(みすず書房、第54回読売文学賞)、『やわらかく、壊れる』(みすず書房)、『雨過ぎて雲破れるところ』(みすず書房)、『旅に溺れる』(岩波書店)、『瓦礫の下から唄が聴こえる』(みすず書房)、『東北を聴く―民謡の原点を訪ねて』『中原中也―沈黙の音楽』(ともに岩波新書)など。『新編中原中也全集』全6巻(角川書店)責任編集委員。
最新刊に、共著『大正=歴史の踊り場とは何か── 現代の起点を探る』(講談社選書メチエ)、詩集『鏡の上を走りながら』(思潮社)、英訳詩集『Sky Navigation Homeward』(Dedalus Press)。
第1回大岡信賞受賞。

「2020年 『猫には負ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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