『ヴィーナスの誕生』視覚文化への招待 (理想の教室)

  • みすず書房 (2006年4月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (170ページ) / ISBN・EAN: 9784622083184

感想・レビュー・書評

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  •  ルネサンス期、イタリア・フィレンツェの絵画事情が、分かりやすく説明されています。
     神話をモチーフにした作品の中に、こっそり世俗的要素が入り込み、その対称性が面白いです。

  • ボッティチェッリの名画とそれを取り巻く社会情勢・様々な文化的背景を見ていくうちに、当時のフィレンツェの熱気が伝わってくるようだった。イコノロジーとその限界という部分では、作品(絵画に限らず)の解釈について、もやもやと感じていたことを自分の中でわずかながらも整理できたように思う。

  • 絵画鑑賞の手引き。
    ボッティチェリの、ヴィーナスの誕生と、春というふたつの作品を、段階を追って鑑賞していく。
    説明がていねいで、わかりやすくて良かった。
    イコノロジーの限界についての話は、思うところがあった。

  • 岡田先生の本をすごい褒めている先生の授業だったので、これは絶対岡田先生の本を読んだ方が良いなと思い読みまくったのですが、これが一番分かりやすくて面白かったです。ちょうどヴィーナスがテストに出たのですが、一度読んだおかげかすらすらと記述が書けたので、良かったです。お世話になりました。

  • 2つの作品をみる立場を、美術(単体で鑑賞する絵画)からインテリア(空間装飾としての調度品)へ、さらにフィレンツェの祝祭空間(作品の誕生した時代の文化)へと移動する。それによって解釈に用いるコードが劇的に変化し、全く違った様相を見せるのが興味深い。

  • ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」についての論考・・・というより、一点の有名な作品を題材にした、絵画の鑑賞法入門になっている。
    「ヴィーナスの誕生」をもとに、まず、対象の絵画それ自体から見えるもの・・・様式論、エクフラシスを試み、次に、イコノロジーを通じて
    絵画に暗示されるものを読み取ってみせる。さらに、イコノロジーの限界についても注意を促したうえで、それを越えて絵画を捉える・・・
    描かれた当時の社会的、文化的背景から、生きた絵画の解釈にたどり着く・・・これを「絵を楽しむ」と著者は表現している。
    実は難しいこと、深いことだけれど、それをとてもわかりやすく、やさしく書いてある、いい本です。

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著者プロフィール

【著者】岡田 温司(おかだ・あつし)
1954年広島県生まれ。京都大学名誉教授。
西洋美術史、思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003年、吉田秀和賞)、『フロイトのイタリア』(平凡社、2008年、讀賣文学賞)、『映画とキリスト』(みすず書房、2017)、『映画と黙示録』(みすず書房、2019)、『イタリア芸術のプリズム』(平凡社、2020)。訳書にロベルト・ロンギ『芸術論叢』(中央公論美術出版、1999年、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞)など多数。

「2025年 『映画が恋したフロイト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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