この道、一方通行 (始まりの本)

  • みすず書房
4.17
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本棚登録 : 32
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622083733

作品紹介・あらすじ

1928年刊。教授資格申請論文『ドイツ悲劇の根源』の受理を大学に拒否され、アカデミズムへの道を断たれたベンヤミンが、独自の批評スタイルを編みあげた記念碑的作品。エロスと歴史の絡まり合った一本道に刻んだ断章群を、瑞々しい新訳でおくる。

感想・レビュー・書評

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  • 美しい断章
    新しい訳で滑らかに読むことができた。
    こういう冴えた短文を、どのくらいの時間で書くものなのか。

  • 看板や広告、パノラマやからくり人形、建築とその室内など、都市生活を織りなすさまざまな文物を、文字像として捉え、それが喚起する思想をエピグラムのように書き留める、ベンヤミンによる都市のエンブレム集とも言うべき作品。その翻訳には、本訳書のような簡潔体の散文詩のような文体が相応しい。この作品は、ベンヤミンのほとんど片思いに終わった恋の相手アーシャ・ラツィスに捧げられ、エロスと歴史の極限へ向かう一方通行の道を指し示す。鋭敏な批評眼をもって思想を形象に込める彼の思考が、最も洗練された形式で表われているとともに、「暴力批判論」と「歴史の概念について」を結ぶ歴史哲学と、後に「人間学的唯物論」と定式化される思考とが凝縮されたかたちで示されている点で、訳者が述べるように、この作品は格好のベンヤミン入門とも言える。「ドイツのインフレーションをめぐる旅」は、この国の現在に恐ろしいほどぴたりと当てはまる。原書表題Einbahnstraßeの訳を「この道、一方通行」とする着想も卓抜。

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