ユング 夢分析論

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622085171

作品紹介・あらすじ

〈夢とは象徴化を行う人間の能力を研究する上で最も一般的かつ普遍的にアクセス可能な源泉である〉

フロイトが「夢は願望充足であり、睡眠の守り手である」としたのに対して、ユングは、夢とは「あるがままの姿」でこころの状況を描くものであり、共同社会に適応するためにどうしても一面的にならざるをえない自我・意識に対する補償の役割を果たしている、と考えた。さらにユングは、夢の中にあらわれるのは無意識的内容が投影されているイメージであり、それは象徴性に満ちていて、言葉による言い換えのきかないものであること、夢分析においては初回夢が重要な意味を持ち、しかし一回の夢だけで判断するのではなく、それ以降の夢の流れ、シリーズの中で考える必要のあることなどを、心理療法の臨床実践を通して明らかにしていった。ユング心理学のキイワードである「集合的無意識」や「元型」も、そこから確固たるものになってゆく。
本書は夢に関するユングの主要な論文を集めたものである。「夢分析の臨床使用の可能性」「夢心理学概論」「夢の本質について」「夢の分析」「数の夢に関する考察」「象徴と夢解釈」の6編。夢についてのユングの考え方が網羅されるだけでなく、ユング心理学全体がコンパクトに表現されている。臨床家ユングの姿を生き生きと伝える本書は、「はじめてのユング」にもふさわしい。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/676129

  • あるがままの姿で表す、という考えにまったく納得した。
    フロイトのリビドーの考えや夢の働きに違和感があって精神分析入門は読み進められなかったのだが、ユングのこの記述を見てハッとした。あるがままを表現する。心の無意識に感じたものを表しているのであって、それは印象だけが関連したようなもの。私にはちゃんと言葉で明確に出来ないが。。。

    全部が理解できたわけではなく、むしろ一部しか分かってないだろうと思う。しかし何度もこの先の経験も得て分かる様になるだろう。
    同志を得た?良い教授に会った?みたいな感じがして嬉しい。

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著者プロフィール

1875-1961。1875年7月26日、スイス北部のケスヴィルにて生まれる。バーゼル大学卒業後、ブルクヘルツリ病院のブロイラーのもとで言語連想実験の研究に従事。その後、フロイトの精神分析運動に参加し、フロイトの後継者と目されるほど、その中心人物として精力的に活動した。1913年にフロイトと決別。その後は独自の心理学の構築に専心し、「コンプレクス」「元型」「集合的無意識」「無意識の補償機能」「内向/外向」「個性化」などの独創的な理論を提唱していった。1961年6月6日、死去。20世紀最大の心理学者の一人。

「2019年 『分析心理学セミナー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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