- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622085461
作品紹介・あらすじ
「東京に戻って、すでに一ヵ月半が経ちました。そして現在、私は、私がいない間の日本で、何が起って何が起ろうとしているのかを理解しようとし始めています。見るもの聞くものすべてが恐ろしいほど嫌気がさします。今日では、もし私たちが真剣に、取り巻くすべての現実の条件と状況を見つめるなら、私たちには、二つの選択肢しか残されていません――ニヒリズムになるか、左翼になるか」
(前川國男、ル・コルビュジエ宛書簡)
ル・コルビュジエのもとで学び、帰国後レーモンド事務所を経て独立した建築家・前川國男(1905-1986)の前半生、敗戦までの軌跡。「日本趣味を基調」という募集規定にあえて逆らった案により一躍モダニズム運動の旗手として脚光を浴びた東京帝室博物館(現・東京国立博物館)コンペ、代々木か明治神宮外苑か駒沢か――IOC総会で開催決定後も主競技場の敷地が二転三転するなか岸田日出刀のもとで練りあげた幻の「第12回オリンピック東京大会」会場計画、当初の前川案から紆余曲折を経て坂倉準三の手に委ねられ、建築部門グランプリを受賞したパリ万博日本館、前川が審査員に加わり丹下健三が一等当選を果たした日米開戦後の大東亜建設記念営造計画、そして戦時下最後のコンペとなった在盤谷日本文化会館ほか日本近代建築史上重要な設計競技やプロジェクトの実相を水面下の動きとともに浮かびあがらせ、戦時下の体制への建築家の関与や抵抗をも検証した決定版資料である。収録図版約200点。
感想・レビュー・書評
-
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/67451詳細をみるコメント0件をすべて表示