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- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622085508
作品紹介・あらすじ
日本初の近代美術館である“カマキン”こと神奈川県立近代美術館の館長をながく務めた土方定一(1904-1980)は、アナーキズム詩人から出立したのちに美学者となり、美術批評家の草分けとしなった。館長就任以後も旺盛な批評活動を行い、また数々の芸術賞選考委員を務めるなど、指導者的役割を果たした泰斗である。
若き学芸員補として同館に勤務した酒井は、老境にさしかかった八方破れの館長を公私ともに支えることとなり、近代日本の芸術の海に針路を示す土方船長の肩越しに海を望み、その広さ、深さ、波濤の激しさを目の当たりにする。
「地方の公立美術館としてはユニークな企画展で知られ、わたしにもちょっとばかり誇りに思えるところがあった。もちろん企画展だけではない。陣頭指揮にあたっていた土方定一という人の仕事の采配に感心するところが大いにあったからである。氏を囲んで学芸諸先輩と過した夜の〈宴会〉などは、闘いにたとえればちょっとした“作戦会議”の観を呈していた」
(「再読『日本の近代美術』」)
師の影を追ううちに同館館長に就任、批評家として美術界に提言する立場となった著者は、いまなお師の影のなかにいる、と述懐する。師から弟子へ受け継がれた系譜をみずからたどりながら、日本美術の来し方行く末を問いなおす味わい深いエッセイ集。
感想・レビュー・書評
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