現象としての人間 新版 新装版

  • みすず書房 (2019年2月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (422ページ) / ISBN・EAN: 9784622088028

作品紹介・あらすじ

「宗教は人間を疎外するという考え方の根本的な修正を迫り、宗教が人類の真の進歩のためにどんなに大きな刺激となりうるかを、自らの生き方によって証明しようとした宗教観を彷彿させる。そこには現代科学の成果が信仰を困難にするどころか、むしろこれによってキリスト教の信仰内容がいかに深められ、よく理解できるようになるかの証しに一生を捧げた、テイヤールの姿が大きく浮かび上がってくる。」
(「テイヤールの生涯と仕事」より)
イエズス会の司祭であり、また科学者として北京原人の発掘に関わった、テイヤールの主著。生前は、イエズス会から出版を認められず、歿後まもなく1950年に原書は刊行される。科学とキリスト教の綜合を目指し、人類と神の存在を宇宙にさぐる、深遠な思想を展開する。訳者による「テイヤールの生涯と仕事」と「テイヤールの著作と参考文献」を加えた新版。

感想・レビュー・書評

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  • 野崎まどさんが『小説』を書くきっかけになった本として紹介されていたので、気になって読んでみた。

    人間の進化を宇宙規模で捉えていて、そこにシャルダン独自の思想が詰め込まれている。とにかくスケールが大きくて、読んでいて圧倒された。

    「進化」と聞くと、私はこれまで、枝分かれして個性が増えていくようなイメージを持っていた。
    けれどこの本では “自分らしさ”は、他人とどう違うかという「個性」ではなくて、他者とのつながりや一体感の中で形づくられる「人格」として捉えるべき、としている。
    孤立すればするほど、自分が何者なのかがわからなくなって、存在意義や自己の強さが失われてしまう。

    それに対して、他者と結びつき、集団やコミュニティ、もっと大きく言えば人類全体の方向性みたいなものを共有することで、むしろ個々の存在意義や独創性(人格)は深まり、成長すると主張している。

    たとえば、
    自然の中でふと感じる“畏敬の念”とか、
    星空を眺めているときの“宇宙とつながってる感じ”
    芸術や音楽に触れたときの“言葉じゃ説明できない共感”とか。
    そういう感覚を誰かと共有することが、人間の内側を深めていくという考え方は、素敵だなと思った。

    そして、「小説」という創作そのものが、人々の意識を束ね、共鳴を生み出す装置として働いているという点で、この本と野崎さんの作品の世界がつながっているように感じた。

    野崎さんの手元にある『現象としての人間』にはびっしりと付箋が貼られていて、「1枚の付箋から短編が1本書けそう」と語っていたのも印象的だった。
    これからどんな形で物語が生まれていくのか、とても楽しみにしている。

  • 玉城絵美、『BODYSHARING』

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著者プロフィール

1881年フランスに生れる。1899年にイエズス会に入り、哲学、神学、地質学、古生物学を学ぶ。1911年司祭に叙階される。1914年第一次世界大戦に担架兵として従軍。1920-23年パリのカトリック大学地質学助教授。1923年黄河流域学術調査隊の一員として中国に渡り、以後1946年までの大半を中国で過ごした。この間、ゴビ砂漠、オルドス地方の探検、インドからビルマ(ミャンマー)、ジャワに及ぶ学術調査旅行、さらに周口店における北京原人発掘調査などをおこない、地質学、古生物学の研究に情熱を傾けた。1946年以降はニューヨークの人類学研究機関ウェンナー・グレン財団にむかえられ、米国で暮した。『現象としての人間』『神のくに・宇宙讃歌』『ある思想の誕生』『科学とキリスト』など、諸科学の総合によって統一的世界観をもとめ、科学と信仰の調和をはかる多くの著作を残した。1955年歿。『テイヤール・ド・シャルダン著作集』(全10巻、1968-75、みすず書房)。

「2019年 『現象としての人間 新版 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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