水の構造と物性【新装版】

  • みすず書房
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622088059

作品紹介・あらすじ

水は地球上にもっとも多量にある化合物であり、すべての生体系の主要成分であるが、その構造と物性は十分に解明されていない。今日の物理化学の立場からの水、氷、水溶液の研究は、“水素結合”の考えが次第に定着しつつあった時点でバナールとファウラーが1933年に発表した論文が原動力となったと言えるであろう。以来、水、氷、水溶液の研究、或いは無機界、生物界において水が果たす重要な役割についての研究が続々行われ、基礎的研究の見地からだけでなく、応用の立場からも最近では環境問題と結びついて、ますます関心が高まり、広義の水に関する種々の国際会議が毎年のように開かれている。

本書は、水に関するおびただしい文献の中から、もっとも重要で信頼のおけるデータを要約し、またこれらのデータを関連づけるような有効な理論を示し、水の物性をその構造と関連づけることを目標としている。さらに最近、さまぎまの分野の科学者や技術者の水に対する関心が激増していることを考慮して、主題の論点を理解する上で必要な物理化学的知識を本文に含ませて、初等的な物理化学のコースをおえた人なら誰でも本文が理解できるように配慮されている。したがって、本書は極めてバランスのとれた入門的な標準教科書であるとともに、専門家の知識の整理にも大いに役立つであろう。

感想・レビュー・書評

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  • 『水の構造と物性【新装版】』
    原題:THE STRUCTURE AND PROPERTIES OF WATER
    著者:Walter J. Kauzmann
    著者:David Eisenberg
    訳者:関集三
    訳者:松尾隆祐

    【書誌情報】
    A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/320頁
    定価 7,776円(本体7,200円)
    ISBN 978-4-622-08805-9 C3040
    2019年4月10日発行

     水は地球上にもっとも多量にある化合物であり、すべての生体系の主要成分であるが、その構造と物性は十分に解明されていない。今日の物理化学の立場からの水、氷、水溶液の研究は、“水素結合”の考えが次第に定着しつつあった時点でバナールとファウラーが1933年に発表した論文が原動力となったと言えるであろう。以来、水、氷、水溶液の研究、或いは無機界、生物界において水が果たす重要な役割についての研究が続々行われ、基礎的研究の見地からだけでなく、応用の立場からも最近では環境問題と結びついて、ますます関心が高まり、広義の水に関する種々の国際会議が毎年のように開かれている。
     本書は、水に関するおびただしい文献の中から、もっとも重要で信頼のおけるデータを要約し、またこれらのデータを関連づけるような有効な理論を示し、水の物性をその構造と関連づけることを目標としている。さらに最近、さまぎまの分野の科学者や技術者の水に対する関心が激増していることを考慮して、主題の論点を理解する上で必要な物理化学的知識を本文に含ませて、初等的な物理化学のコースをおえた人なら誰でも本文が理解できるように配慮されている。したがって、本書は極めてバランスのとれた入門的な標準教科書であるとともに、専門家の知識の整理にも大いに役立つであろう。
    [初版1975年12月発行、新装版2001年11月発行]
    https://www.msz.co.jp/book/detail/08805.html

    【目次】
    日本版への序文
    緒言
    記号の説明

    1. 水分子
    1.1. 水分子:実験にもとづく記述
    組織/生成エネルギー/分子の大きさ/分子振動/電気的性質/分子エネルギーの比較
    1.2. 水分子:理論にもとづく記述
    静電気モデル/分子軌道論/電子密度分布/正確な波動関数と物理的性質の計算/電荷分布:まとめ

    2. 水蒸気
    2.1. 水分子の間に働く力
    力の起因と書き表わし方/ビリアル係数/水分子の間に働く力:まとめ
    2.2. 熱力学的性質
    圧力‐体積‐温度関係/熱エネルギー

    3. 氷
    3.1. 氷Iの構造
    酸素原子の位置/水素原子の位置/熱振動の振幅/氷Iの構造:まとめ
    3.2. 氷の多形の構造
    氷II、IIIおよびV/氷VI、VIIおよびVIII/ガラス状氷と水Ic/氷の多形の構造的特徴:まとめ
    3.3.熱力学的性質
    相関係/熱エネルギー/氷IのP-V-Tデータ
    3.4. 電気的性質と自己拡散
    誘電定数と双極子モーメント/誘電分極と緩和/電気伝導度/自己拡散
    3.5. 分光学的性質
    氷Iの振動スペクトル/氷の多形の振動スペクトル/核磁気共鳴
    3.6. 水素結合
    水素結合エネルギーの実験値/水素結合で結ばれた分子のポテンシャル関数/氷における水素結合の理論的な記述/水素結合によって規定されている氷の性質:まとめ

    4. 液体としての水の性質
    4.1. はじめに
    水における「構造」という術語の意味/液体の構造と実験方法
    4.2. X線回折
    動径分布関数/V-構造にもとづく動径分布関数の解釈
    4.3. 熱力学的性質
    熱エネルギー/圧力-体積-温度関係
    4.4. 静的誘電定数とNMR化学シフト
    静的誘電定数/NMR化学シフト
    4.5. 光学的性質
    屈折率/光散乱
    4.6. 分子の移動速度に依存する性質
    誘電緩和/核磁気緩和/自己拡散/粘性/イオンの解離と移動/分子の移動:まとめ
    4.7. 振動分光
    スペクトル帯の同定/O-HおよびO-D伸縮帯/分子間振動/倍音と結合音
    4.8. 水の構造:物性から導かれる結論
    水素結合にもとづいて水の性質を記述するときの問題点/水のV-構造:まとめ/水のD-構造:まとめ

    5. 水のモデル
    5.1. 小集合体モデル
    5.2. 混合物モデルとわりこみ分子のモデル
    基本的な仮定/いくつかのモデルの詳細/混合物モデルと実験データの整合性
    5.3. 歪んだ水素結合のモデル

    補遺
    文献
    訳者あとがき
    事項索引

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著者プロフィール

1916-2009。ニューヨーク州マウント・バーノンに生れる。1937年コーネル大学で化学のB. A.を受け、1940年にプリンストン大学で物理化学のPh. D.を受けた。1940年から42年までペンシルバニア州ピッツバーグのWestinghouse電機会社の研究員となり、1942-46年の間、政府関係の研究に従事した。1946年プリンストン大学化学科助教授、1963年教授に就任。1963-82年David B. Jones化学科教授。1982年退官。1966年Linderstrom-Lang金メダルを受賞した。36年にわたり物理化学の研究と教育に専心し、引退後も引き続き水の構造とたんばく質の性質に関心を抱いた。

「2019年 『水の構造と物性 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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