意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか
- みすず書房 (2019年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622088660
作品紹介・あらすじ
メスで身体を切り刻まれているあいだ、痛くないのはなぜなのか? 手術のあと、何事もなかったように目を覚ませるのはなぜなのか? 麻酔薬の発見から麻酔科医の日常まで、3万回以上の処置をおこなってきた麻酔科医が描く、謎めいた医療技術をめぐるノンフィクション。
【原書レヴュー】
「生き生きと書かれた、誠実な探索……圧倒され、心を揺さぶられる、医学の必需品をめぐる魅惑的な作品」(Kirkus Reviews)/「非常に重要で秘密めいた専門分野のバックグラウンドを見せる、類まれで思いやりあふれる描写」(Publishers Weekly)/「楽しくて心のこもった説明……現代医学で過小評価された不思議な手技の世界の、めったにできない覗き見である」(Library Journal)/「私たちは麻酔の間、無意識の世界を楽に浮かんでいるように思えるかもしれないが、プリスビロー博士は人間の生理のレバーを引っぱる、操縦士の視界を私たちに与えてくれる」/(ダニエル・オーフリ(『医師の感情』著者))
【著者略歴】
ヘンリー・ジェイ・プリスビロー(Henry Jay Przybylo) シカゴ在住。ノースウェスタン大学医学部麻酔科准教授。麻酔科医として軍医を務め、現在は小児科を専門とし、年間1,000人以上の子どもに麻酔処置を行っている。
感想・レビュー・書評
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麻酔科医というのは一体どんなことをしているのか。
麻酔科医じゃない限り見ることも知ることも出来ない病院での出来事や体験がわかる貴重な内容の一冊です。 -
【麻酔薬を投与するとき、私はいつも患者に「一〇〇からカウントダウンしてください」と言う。私の経験では、九〇より先まで数える患者は一人もいない】(文中より引用)
もはや現代の医療に欠かすことのできなくなった麻酔。その発明に至るまでの歴史を振り返りつつ、麻酔科医がどのような問題意識を抱えながら職務に臨んでいるかを垣間見ることができる作品です。いまだに麻酔がどのようなメカニズムで効くのかが完全には解明できていないというのは驚きでした。著者は、小児科を専門として年間1000人以上の子どもに麻酔処置を施しているヘンリー・ジェイ・プリスビロー。訳者は、翻訳家として活躍する小田嶋由美子。原題は、『Counting Backwards: A Doctor's Notes on Anesthesia』。
痛みの表明に関する考察も☆5つ -
9月新着
東京大学医学図書館の所蔵情報
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_search/?amode=2&kywd=4311475216 -
タイトルからして、麻酔中の意識がどのようになっているのか、とか何か盛り上がって脳科学的な話かと思っていたら、全然違いました。
が、麻酔科医の独白で、医師としての喜びや葛藤が綴られていて、私は素直に感動してしまいました。
脳外科マーシュの告白とよくにた雰囲気です。 -
2019年の年末に人生で初めて手術を受けて、麻酔ってすごいなぁと思ったので。麻酔科医である著者の経験に基づく本で、麻酔をかける人が何を気にしているのか、何を思っているのかを語る本として、ちょっと難しいけど興味深く読めました。
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麻酔科医は、黒子であるが、常にスタンバッテいないといけない。症状に合わせた施術を行わなければならなく、患者のことを主治医同様に知っていないといけない。麻酔の聴く仕組みは本当にはよくわかっていない。新しく麻酔科医に広まった薬はここ20年くらい出ていない。
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請求記号 494.24/P 95