映画と黙示録

  • みすず書房 (2019年12月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784622088738

作品紹介・あらすじ

〈もしもこの世界に終わりがあるとしたら、それはいつごろどんな風にやってくるのだろうか。それを克明かつ想像力豊かに記したのが、紀元後一世紀の末に書かれたとされる『ヨハネの黙示録』である。西洋においてこの本は、今日に至るまで、宗教はもとより、思想や芸術のみならず、政治や社会全般にいたるまで計り知れない影響力をもってきた。(…)神が死んだとされる現代においても、黙示録的な想像力がとりわけ映画において脈々と生きつづけているとするなら、それは、映画というメディウム――「霊媒」という意味もある――そのものが、一種の世俗化された「宗教」に他ならないからである。映画とは、儀礼と物語と美学の三つが出会う場なのだ。〉

核による人類滅亡、宇宙戦争、他者としての宇宙人(異星人)の表象、救われる者と救われない者、9・11という虚実の転倒と終末映画、そして、コンピューターやロボット、AIに支配される社会…。ホラー、パニック、アクション、戦争、SF、ミステリー、フィルム・ノワールなど、約250作を取り上げ、原典があらわすイメージ・思想と今日の私たちとの影響関係を解き明かす、西洋美術史・思想史家の面目躍如たる一冊。
「起こりうること」「間近に迫っていること」にとらわれて生きる私たち人間は、黙示録的な世界の鑑賞を欲しているのだろうか?

ブロム/カーティス/モース/ワトキンス/ロンム/ワイズ/ホークス/シーゲル/ベルイマン/マルケル/ゴダール/パゾリーニ/タルコフスキー/ベーラ/フライシャー/トランブル/ヴェンダース/ハネケ/キャメロン/ボイル/フォン・トリアー/バートン/レスター/マーフィー/カーペンター/ヒューズ兄弟/シャマラン/イニャリトゥ/ブロムカンプ/エドワーズ/ゴラック/ヴィルヌーヴ…

感想・レビュー・書評

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  • 紀元後1世紀末に書かれたとされる『ヨハネの黙示録』から、現在まで続く終末の想像。黙示録、黙示録的映画の詳細な解説に読み入った。

    日本ではほとんど知られていない作品にも言及しており、そちらも機会があれば観てみたい。

  • 序章でめちゃくちゃ面白くなると思ったら、本章の分析はそこまでだった。ストーリー説明の部分が多いからかな。

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著者プロフィール

【著者】岡田 温司(おかだ・あつし)
1954年広島県生まれ。京都大学名誉教授。
西洋美術史、思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003年、吉田秀和賞)、『フロイトのイタリア』(平凡社、2008年、讀賣文学賞)、『映画とキリスト』(みすず書房、2017)、『映画と黙示録』(みすず書房、2019)、『イタリア芸術のプリズム』(平凡社、2020)。訳書にロベルト・ロンギ『芸術論叢』(中央公論美術出版、1999年、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞)など多数。

「2025年 『映画が恋したフロイト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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