万物創生をはじめよう 私的VR事始

  • みすず書房 (2020年6月18日発売)
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本 ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784622089070

作品紹介・あらすじ

平凡な会社員の生活がバーチャルリアリティ(VR)空間と現実世界にまたがる──こんな時代の到来を、40年前に誰が確信していただろう……この人以外に。 
第一次VRブームの立役者であるラニアーが、VRの来歴と次世代への展望を(意外にも初めて)書き尽くした真骨頂の一冊。人間とVRの関係の本質について、先駆者ならではの思索を綴る。異能の者たち(男性ばかりではない)がひしめく80年代~90年代初頭のシリコンバレーの情景も、アップルやマイクロソフトのようなIT覇者とは異なる視点からいきいきと振り返る。
VRは人間の“主観”に軸足を置くテクノロジーだ。個人が主観的に経験している世界全体(いわば環世界)を拡張し、他人のそれと融け合わせることさえ可能にする。本書が語るその体験はまるで楽器の演奏のように身体的で、人間とは何かを再確認させ、考えさせる。
ラニアーはVR史の最初期からそこに未来を見ていた稀代のプロモーターだった。この型破りな本の中には、どんな読者にとっても、VRだけでなくテクノロジー全般への認識を塗り変えられるような発見があるだろう。
ニューメキシコの砂漠の隅っこにドームの自宅を建てた少年としてはじまる著者のキャリアは、文句なしに非凡でおもしろい。徒手空拳のエンジニアたちがガレージでイノベーションを生み出していた、かつてのアメリカの底力を体現している。

感想・レビュー・書評

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  • VRを最初に作った人って現実世界を壊したかったのかな?とかちょっと怖い気持ちがあったのだけれど全然そうじゃないことがわかった。
    夢があった。

  • ふむ

  • ジャロン・ラニアーの本は毎回面白いと感じているので、深く考えずに本書も購入しましたが、期待を上回る面白さでした。本書はVRの歴史を解説した本であるとともに、VRを生み出してきたラニアー自身の幼少時からの自伝でもあります。その意味では、あたかもラニアーの人生をVRで追体験しているかのようでありました。

    本書ではラニアーが考えるVRの定義がたくさん紹介されていますが、私が個人的に最も印象に残った定義は「VR=-AI」です。どういうことか。私なりの理解ですが、AIは便利ではあるものの、ある意味人間の思考能力や感性を鈍らせる存在である。それに対してVRとは、人間の世界認識能力、感性を研ぎ澄まさせる存在だというところでしょうか。VR技術が進歩してよりリアルに近づくほど、人間はそれがどこかおかしいことに気づく、つまりVRはいつまでたっても完全に人間を欺くことはできず、VRの進歩は人間の感性が研ぎ澄まさせることと軌を一にしているということです。

    現在世の中ではどちらかといえばAI礼賛にあふれていますが、VR(もしくはAR)も企業経営などに活用させる余地は多々あるのではないかと感じました。とても面白かったです。

  • VRの歴史を知りたい人におすすめ。

    【概要】
    ●著者の一つの物語
     1984年~ VR研究開発会社
    ●VR技術の話と物語

    【感想】
    ●古典的なVRの話が多い。
    ●MRの話はあまり出てこない。最新の技術の話がないのは残念だった。

  • 「VRの父」の自伝的エッセイ。
    以前英語で原著を読もうとして全く読まず挫折したやつが邦訳されたので読んでみた。
    数ページ読み始めただけだがなかなかに常識を超える。14歳のときには、父に自宅の設計を任されドーム型の建築を自宅とし、同じ年に総合大学にはインチキで入学した。学費はヤギの飼育と乳製品販売で賄った。『ご冗談でしょう、ファインマンさん』的なノリを感じる

  • 請求記号 548/L 26

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著者プロフィール

コンピューター科学者、音楽家、作家。バーチャルリアリティ研究の大家であり、デジタル環境における、人間の尊厳と持続可能な経済についての提言で知られる。彼が1980年代に創業したVPL Research 社は、VR製品を初めて商業化し、アバターやマルチパーソナルなバーチャルリアリティ体験、そして外科手術シミュレーションなどの主要なVRアプリケーションの原型を開発した。「バーチャルリアリティ」という名称を考案。2000年代よりマイクロソフトの社外研究者およびカリフォルニア大学バークレー校起業家・技術センター(CET)客員教授を務める。09年、IEEE(米国電気電子学会)からLifetime Career Awardを受賞。ニュージャージー工科大学で名誉博士号を取得したほか、カーネギーメロン大学のWatson Awardを受賞。著書『Who Owns the Future』、『人間はガジェットではない』(ハヤカワ新書)は世界的ベストセラーに。本書は「フィナンシャルタイムズ」ベストブック2018、「WIRED」オールタイム・フェイバリットブックに選出されている。

「2019年 『今すぐソーシャルメディアのアカウントを削除すべき10の理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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