ゲーデルの悪霊たち 論理学と狂気

  • みすず書房 (2020年7月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784622089162

作品紹介・あらすじ

「不完全性定理」を発表し、アリストテレス以来最も偉大な論理学者といわれるクルト・ゲーデル(1906-78)とは、いったい何者か。本書は、ゲーデルが公にすることのなかった多くの考察が含まれる「ゲーデル文書」(プリンストン大学図書館に遺贈された大量の草稿類)に長年取り組んできた著者の成果である。草稿や書簡の下書きだけでなく、断片的メモ、走り書き、図書カード、ホテルの請求書に至るまで、ゲーデル自身がその痕跡を残したものを、著者はゲーデルの人的交流、発表された論文、書簡などと照合することによって、ゲーデルの(ゲーデルがその中で生きた)世界を浮き彫りにしていく。
実生活上でのゲーデルの奇異な振る舞いや妄想癖のようなもの(著者はそれを《狂気》と呼ぶ)は、彼の論理学とどう関係しているのか。ゲーデル自身の不完全性定理への理解、数学的プラトニズム(実在論)、数学的対象を知覚するという脳内の器官の主張、時間旅行を可能にする相対性理論の解釈、神の存在証明についてのその言動を、われわれはどう考えればよいか。ゲーデルのいう「時代精神」とは? ライプニッツやデカルト、さらには同時代の論理学者エミール・ポストやアラン・テューリングの思考のあり方とも絡み合わせつつ、著者は数々の疑問や謎を紐解いていく。
ときにフィクションを織り込みながら、20世紀という時代と思想を生きた一人の天才の真実に迫った、類のない書である。

感想・レビュー・書評

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  • ゲーデルの不完全性定理を敷衍した哲学的言明を、「定理をよく理解せずに都合よく使っている」と批判している文章をチラホラみかけるが、その定理を最もよく理解していたであろう当のゲーデルがこれほどまでに形而上学で語られる領域に足を踏み入れていたというのは皮肉な話だなぁと感じた。
    ゲーデルの思考世界は狂気そのものだが、学問の敷衍がただただ叩かれる現代においてはこのような狂気は生まれ得ないのかもしれない。

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