宇宙・肉体・悪魔 [新版] 理性的精神の敵について

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622089230

作品紹介・あらすじ

「史上もっとも偉大な科学予測の試み」(アーサー・C・クラーク)。イギリスの生物・物理学者バナールが1929年、弱冠27歳の折に発表した先駆的な人類未来論。書名の「宇宙・肉体・悪魔」は、これまで人類の妨げとなってきた物理的、生理的、心理的な3つの制約を指している。これらのくびきを解き放つため、未来人はロケットを開発して宇宙に進出、その過程で自らの肉体を工学的に改造しつつ機械と融合し、従来の生物を超越した存在へと進化していくだろうと予言する。1世紀近く前の小著ながら、宇宙開発、遺伝子工学、AIによるシンギュラリティー問題など、先端的なテーマがすでに内包されており、その先見性を裏付けている。また、本書が説く宇宙植民島(スペースコロニー)や改造人間(サイボーグ)、群体頭脳などのアイディアは、ステープルドンやクラークらを通じて、小説から映画に至るのちのSF作品に多大な影響を与えたことでも知られる。いまなお読む者を刺激してやまない科学史に残るラディカルな古典。巻末に「新版への解説」(瀬名秀明)を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 数多くのアイデアの源になった現代のSFのツールという触れ込み

  • とあるセミナーで、講演者が合成食糧についての記載を引用していたことをきっかけに読んだ。時代を感じる部分もありながら、ヴィジョンっていうものはこんな感じ?を受け止めました。
    悪魔が印象的と思いましたが、"われわれの能力、われわれの願望、われわれの内なる混乱" を理解・克服するが、未来にできるのでしょうか、、

  • 1929年の未来予測。
    未来に対する夢と希望が溢れている。
    そして、90年後のSFにも影響を与え続けている。

  • 1929年に記された科学の未来予測。科学の発展に対して制約となる事項を物理、生理、心理の3つに区分し論じる。クラークなどSF作家に多大な影響を与えた書物であるが、現代こそその予測が参照されるべき時なのかもしれない。解説を読んでから読み進める事をお勧めします。

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著者プロフィール

1901-1971。アイルランドに生まれる。1922年ケンブリッジ大学卒業。デーヴィ・ファラデー研究所に入りブラッグ卿の下でX 線解析による結晶構造の研究を専攻。1927-34年ケンブリッジ大学講師。1934-37年同大学結晶学研究室副主任。1937年英国学士院会員となる。1938-63年ロンドン大学バーベック・カレッジ物理学教授。1963年同カレッジ結晶学教授、1968年病気のため退職。他方ブリュッセル国際平和会議科学部会議長を務め、大戦中は英国治安省および航空省顧問として防空対策に当たり、統合作戦本部科学顧問としてケベック会談に参加。1947-9年イギリス科学労働者協会会長。1948年世界科学労働者協会副会長。1950年世界平和評議会副会長。1958-65年同評議会代表委員会議長。著書に『科学の社会的機能』(1951、創元社)『生命の起原』(1952、岩波書店)『科学と産業』(1956、岩波書店)『歴史における科学』(第3版、1966、みすず書房)『戦争のない世界』(1959、岩波書店)『宇宙・肉体・悪魔』(1972、みすず書房)『人間の拡張』(1976、みすず書房)など。

「2020年 『宇宙・肉体・悪魔 [新版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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