黒い皮膚・白い仮面 【新装版】

  • みすず書房
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本棚登録 : 142
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622089506

作品紹介・あらすじ

黒い皮膚への偏見に身を貫かれた自らの体験から、黒人と白人の関係を理解する試みがはじまった。皮膚の色に閉じこめられた人間の意識を、鮮やかに抽出する。
精神科医、同時にフランス領マルチニック島に生まれたひとりの黒人として、ファノンは最初の著作である本書で、植民地出身の黒人が白人社会で出会う現実と心理を、精神分析学的なアプローチを含め、さまざまな側面からえぐり出してみせた。
他からの疎外があるとき、内面においても自己を疎外する黒人に向けて、そこからの解放を訴えたファノンの言葉は、彼自身の生を出発点として実践のただ中から発せられたものであるゆえに、読む者の心に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 難しかった。しかし、人種差別、特にアフリカ系への人種差別について考えるには必須の本だろう。おそらくほとんどの黒人と言われる人たちがどのような葛藤を経て、克服しているのか(またはできずに苦しんでいるのか)を克明に記している。この歴史も知らずして、人種差別主義者ではないとは言いにくい。知らないことで許されるものではないのは、全ての差別について言えることでもある。

  •  1925年生まれの著者が27歳の時の作品だ。
     白人(フランス)が統治する植民地(アンティル諸島、マルチニック島)に黒い皮膚を持って生まれ、人種差別を受ける黒人の精神性について、同じ島民の精神性を通じて深く切り込んでいる。
     統治者である白人と同化する黒い皮膚の精神性に対して「白い仮面」として切り込んでいる。
     今でこそ欧米での警察官の黒人に対する暴力等が人種差別として報道されるが、17世紀から20世紀にかけて奴隷としての黒人の非人間的な扱いが当然だった時代の傷は癒えるのだろうか。
     

  • 白人、西洋人、ハーフへの憧れ、英語を話せるようにならねばならぬことが当たり前になっていること、海外の人たちの中で感じる劣等感、そういうものも通じている気がして読んでみたい。

    読了。これは理解するというより考え続ける、まさにファノンのように問い続けるものだろうとおもう。日記のようにその時の自分の思いを表している。決まった答えでなくて良いのかもしれない、それで。
    アドラーを、この視点で読んだことはなかった。

    過去の奴隷になる権利も義務も持たないと書く気持ち。27歳で!
    彼が今も生きていたら、どういうことを語るだろう。

  • 黒人のことなんだけれど、女性のことを始め、あらゆる差別問題に通ずる。

  • #英語 Black Skin, White Masks by Frantz Omar Fanon

    #100分de名著 を見ながら #読書
    難解でした

    海老坂武さんによる「フランツ・ファノン」(人類の知的遺産78巻 )も読んでみたい

  • 100分de名著で紹介され、なかなか読めずにいた本。黒人であること、植民地の出身であること。正直、現代の日本にいる私には想像することも難しい状況。だが、読んでいるとその複雑さの理解はできる。アメリカの黒人とは明らかに違うということも理解できる。ただ戦うということでは解決しない。植民地の恐ろしさ、怖さはそこにあるのではないかと思った。

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著者プロフィール

1925-61。フランス領マルチニック島で黒い皮膚をしたマルチニック人として生まれる。第二次大戦中、「自由フランス」に志願して参加し、各地で戦った。戦後はフランス本国に学び、リヨン大学で精神医学を専攻して学位を取得、この頃白い皮膚のフランス人と結婚した。1952年『黒い皮膚・白い仮面』を刊行。1953年11月フランス領アルジェリアにある精神病院に赴任。翌年、アルジェリア独立戦争が勃発。戦争初期は民族解放戦線(FLN)の活動を密かに助けていたが、1957年以来病院の職を辞し全面的にFLNに身を投じる。FLNの機関誌『エル・ムジャヒド』に精力的に寄稿するなど、アルジェリア革命のスポークスマン的役割を果たした。1958年には『アルジェリア革命第五年』(後に『革命の社会学』と改題)を発表、そして1961年には、白血病に冒されつつも『地に呪われたる者』をわずか10週間で執筆。闘争の総決算である同書が刊行されてからわずか数日後の1961年12月6日、ファノンは息を引き取った。36歳の若さであった。死後、『エル・ムジャヒド』その他に書かれた文章を集めた『アフリカ革命に向けて』が出版された。

「2020年 『黒い皮膚・白い仮面 【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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