史上最大の革命

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622089520

作品紹介・あらすじ

第一次世界大戦が終わり、ドイツ革命を経て誕生したヴァイマル共和国。ヒトラーの独裁体制の到来により崩壊したことから、民主主義の失敗の象徴として注目されてきた。それは滅亡を運命づけられた民主主義体制だったのか。11月革命、議会制民主主義の創出、女性参政権、極左と極右の動き、ヴェルサイユ条約、金融危機など、複雑で多様なヴァイマル期を明快に活写し、現代史の死角を照らし出す。

感想・レビュー・書評

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  • 「ドイツ革命」といわれても、ああ第一次世界大戦末期のあれか〜と思い出すのにしばし時間がかかるわけだが、そのドイツ革命が「史上最大の革命」となると、なんだろうと好奇心が動き出す。

    あまり評判のよくないワイマール共和国を生み出した革命ですからね。


    「史上最大」というのは、当時の人が名付けたもので、著者も本当にそう思っているのかどうかは不明。多分、「史上最大」みたいにカッコにいれたほうがいいのだろうと思うが、それでも著者のドイツ革命への評価はかなりポジティヴ。

    まずは、本の前半では、第1次大戦終盤のこう着状態、そうしたなかでのロシア革命の勃発という状況説明があり、ついにドイツ革命は海軍から始まる。

    それがみるみるとひろがり、市民も他の軍隊もどんどん革命に参加する。ほぼ無血状態で革命はひろがり、いよいよ首都ベルリンにせまり、革命を制圧すべく、ドイツ皇帝に最も忠実と思われる部隊が派遣されるが、あえなく革命側にひるがえる。あれよあれよと首都も制圧され、ヴィルヘルム2世は亡命を余儀なくされる。

    そして、さまざまな自主的な政治参加の活動が活発化していく、このプロセスを読むと、ほんとすばらしい革命。これで、戦争は終わるし、民主主義がやってくるはず。

    しかし、徐々に現実はきびしくなってくる。

    ウィルソンの理想主義的な講和条件に希望を託していたのに、現実の終戦処理は、すべての責任をドイツや同盟国に求め、領土の分割や負担不能な賠償金を求めるもの。

    国全体を巻き込んだ総力戦をやっていて、多くの死者をだした国は、なんらかの見返りがないと、政治的にもたないのだ。

    こうした厳しい状況のなかで、革命によせられた希望はしぼみ、批判、不満が高まり、国内でも、極左、極右の革命やクーデター的な動きがしばしば起こるし、有名なハイパーインフレーションも起きる。

    ロシア革命や敗戦国の領土分割にともない大量の難民がでて、ユダヤ人もドイツ国内に雪崩込み、ドイツ人のなかに反ユダヤ主義的な感情が高まる。

    などなど、極めて厳しい状況が続き、ここからナチズムが生まれてくる流れも見え隠れする。

    それはそうなのだが、それはある意味、後知恵というもの。

    ここまで困難な状況にもかかわらず、ワイマール共和国が、14年もったということを著者は積極的に評価する。たくさんの問題はあったのだが、1923年くらいには一定の安定状態にたどりつき、のちのちのナチズムにつながる動きもあるもののそれはその当時にはあまりリアリティがあるものではなかった。その時点では、そういう未来はまだまだ不確定だったのだ。

    その後に起こったことで、歴史を解釈してはならないのだな〜。

  • ・作者認為這場革命曾被時人評價為偉大的革命並被不少人熱烈地支持,但在納粹的敘事中是負面的恥辱,後來也一直維持這種形象,被戰後左派定位為中途半端的革命(被中產階級背叛),被戰後右派認為是帝政與納粹之間的即興幕間劇,都是被當作負面教材在討論
    ・重開潛艇戰是引起米國最終參戰的導火線之一。德國其實在戰中一直持續培養許多革命份子潛入破壞他國的戰術(列寧這組就成功了)
    ・1918年春天布列斯特里托夫斯克條約讓德國獲得蘇聯一大片東方土地,又跟羅馬尼亞搶劫,當時多半人均很樂觀判斷最終會贏(這也是背後捅刀理論之所以可以流行的土壤,戰後連合國側軍隊也沒有進入德國),只是春季攻勢不理想後繼無力且錯估美軍加入後挹注的力道(本來評估在美國大量投入前就可以贏),在保加利亞跟奧匈帝國等中央同盟國接連投降後一口氣局勢改變,參謀本部只好提議休戰但支持度已經開始跌落
    ・從基爾水兵蜂起市民加入,革命最後擴及到柏林,德皇發現已經無法控制軍隊鎮壓只好退位,艾伯特政府接手。
    ・東線與非洲並未停戰,也出現虐殺
    ・由於1917共產黨的先例,當時也普遍存在各國左派也想藉此搭上流行,共產主義蔚為風潮的恐懼,因此復員的前線將校也成為義勇軍協助在1919年鎮壓各地左派蜂起的暴力革命
    ・復員軍人的傷病與創傷
    ・大德意志(德奧合邦,回復1848、1849革命未能達成的理想)的幻想在1戰後普遍地流行(小德意志是普奧戰爭後德國自己成立帝國),因為兩國並肩作戰,且在共和國手上併合具有相當大的歷史意義,再加上民族自決、都講德語(所以希特勒這樣做並不突兀),甚至在憲法之中也替奧地利在議會留了一席之地,但後來被凡爾賽會議否決任何領土擴張頓挫
    ・威瑪憲法賦予總統極大權力但是在1919時空背景下制定(無法預料到1929年的危機跟後果)
    ・慕尼黑在戰爭中沒有受到直接波及,但1919年左派奪取政權的事件引起義勇軍攻擊,引起戰亂與亂鬥屠殺,不少居民憤怒地認為暴力與無秩序的責任在赤衛隊側,因此轉變為一個高度右傾化、國粹主義、反布爾什維克的牙城,納粹在此地興起絕非偶然
    ・德國代表團事前以為已往威爾遜十四條靠攏(威爾遜本人喊出的正是"公正的和平",德國人對此點寄予厚望),也是民主政權防止了赤化,完全沒想到會有嚴苛條件,更沒想到會被割地,結果被奪走殖民地,接著亞爾薩斯洛林被奪、非武裝區波蘭復活讓東普魯士和部分工業地帶被分離,大量軍需品被接收,軍隊構成被大為限制。德意志帝國在戰前是大帝國也是國際舞台的主角之一,戰中又獲得大量領土,但戰後失去的大量領土且國際地位失墜,與奧地利合邦也被禁止,這是威瑪共和被國內蔑視、引起激憤的原因之一,加上凡爾賽條約直接把戰爭的道德責任冠在德國頭上。鉅額賠償縱然不妥但起因於戰勝國激憤、渴望報復的民意;會議最終未決定賠償總額也給德國一種被逼簽空白支票的憤怒感,這個被硬塞給德國人的條約後來被不少人與威瑪共和連在在一起。不只是德國,其他盟友更慘,例如奧地利割讓大量領土又賠款,國力大減期盼合邦,政府未能守住這點被迫接受條約,讓極右獲得大肆批判的機會。德國人沒有意識到戰勝國的報復、恐懼德國復興戰爭再來的情緒,也沒想過自己當初對蘇聯和羅馬尼亞有多苛刻,除了屈辱,也覺得很憤怒為何民族自決只適用在戰勝國不適用在戰敗國。但其實民族自決本身要用在這種複雜的區域本來就很難,國境紛爭與內戰隨之而來在來就是國內強勢的少數民族日後吵著要和強勢的所謂"本國"合併,因為條約使三百萬德系人被切割到國境之外,這些人也很容易受到民族主義煽動,使"失地回復主義"成為戰後政治大課題。會議給了少數民族不少權利(甚至國外關係者也可以對壓抑少數民族的政府提訴,所以德國以蘇台德區德人為由對捷克斯洛伐克提訴)是巴黎和會一大成果,但在德人心中還是覺得這只是壓制戰敗國行使民族自決的隠れ蓑而已,這一切原因正是德國人誤以為"民族自決"是凡爾賽條約的根本,所以無論如何他們都想要奪回這些被失去的少數民族,條約修正在納粹抬頭之前就已經是主要的政治議題
    ・德國湧進大量俄國難民與在東歐被迫害的猶太人難民,引起社會緊張,也助長反感與文化優越意識(猶太系德國人也排斥東歐、俄系猶太人),抱著認為他們很野蠻的偏見,無根的國際主義者所以不會愛國,或甚至覺得赤化是他們所引起,反布爾什維克=反猶被連起來,通貨膨脹跟戰敗被連結到猶太銀行家、猶太人的責任
    ・作者認為威瑪共和其實一路擊退很多來自左右兩翼的各種革命與攻擊(遠超過1970年代的連邦共和國)但卻總被認為是虛弱的民主政體,撐過通膨與馬克暴跌、賠款的風暴,經濟漸漸復甦,1923年的時點(當時還是有暴力革命)看來其實毋寧說是漸趨安定的,因此總是著重在考察其脆弱,是後來1933崩解之後回頭看的後見之明。在短時間相對和平地將帝政政權轉型成共和國,政治社會文化都有大改革(例如女性參政權),作者認為這場革命還是值得評價

    --
    我是被聳動的標題騙進來讀的。作者正面評價威瑪共和是相對流血少,轉型成相對進步民主,並且撐過諸多左右派暴力攻擊的政權,或許遠比我們想像還要堅韌。
    屈辱與覺得被背刺的國民感情、賠款問題、凡爾賽條約、難民、復員與創傷、通膨、馬克暴跌、大大小小的暴力革命..等等紛亂複雜的問題,後見之明看來早已預告共和國的悲慘結局,然而如果沒有1929的風暴或許事情不會是這樣?大歷史中國家每個環節真的要兢兢業業地運步,一步錯可能就是懸崖,周遭環境也可能將危機推波助瀾,或許在這種驚滔駭浪中沉沒只是意料中事,挺過反而是奇蹟。此書讀起來絕非他人事,見證過關關難過關關過的奇蹟,我們不敢奢求始終幸運,今後也還是要如履薄冰而堅定地前行。

  • ナチスの勃興を許したことなどから、評価が低いワイマール共和国について、当時の時代背景などをもとに、ポジティブに評価した書。「敗戦国」としての清算をできずに第二次世界大戦に突き進んでいく背景も理解できる。新しい視点で戦間期を知ることができる好著。訳注で原作の細かい事実誤認に関する指摘が頻出するのには少し興ざめだが、訳もとても良い。

  • 東2法経図・6F開架:234.07A/G37s//K

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著者プロフィール

1976年ベルリン生まれ。ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン現代史教授および同大学戦争研究センター所長。専攻は近現代ヨーロッパ史、とくにドイツ史。著書に、Hitler’s Hangman: The Life of Heydrich, New Haven and London: Yale University Press 2011(『ヒトラーの絞首人ハイドリヒ』宮下嶺夫訳、白水社、2016)、The Vanquished: Why the First World War Failed to End, 1917-1923, London: Allen Lane 2016(『敗北者たち』小原淳訳、みすず書房、2019)、Die größte aller Revolutionen: November 1918 und der Aufbruch in eine neue Zeit, Siedler Verlag 2018(『史上最大の革命』大久保・小原・紀・前川訳、みすず書房、2020)などがある。

「2020年 『史上最大の革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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