恋愛のディスクール・断章【新装版】

  • みすず書房
3.20
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622089544

作品紹介・あらすじ

「恋するわたしは狂っている。そう言えるわたしは狂っていない。わたしは自分のイメージを二分しているのだ。自分の眼にわたしは気のふれたものと映る(わたしは自分の錯乱のなんたるかを識っている)のだが、他人の眼にはただ変っているだけと映るだろう。わたしが自分の狂気をいたって正気に物語っているからだ。わたしはたえずこの狂気を意識し、それについてのディスクールを維持しつづけている」
ロラン・バルトと恋愛、これはまことに魅力的な組み合せである。複雑微妙な恋愛の諸相を分析し、その内的宇宙を開示するのに、彼以上の適任者はいないであろう。本書は、バルト自身の体験をはじめ、友人との会話、『若きウェルテルの悩み』からニーチェ、ラカン、禅など、さまざまなテクストを自在に引用、あるいは潜ませて展開されている。不在、共苦、肉体、沈黙、夜など、バルト一流の断章形式によって十全に表現された、これら恋する者たちのディスクール=エッセーはまさに、恋愛にかんする詩的な百科全書、現代の〈恋愛論〉といってもよかろう。

感想・レビュー・書評

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  • ロラン・バルトの箴言の何かを読んで「なるほど!」と思ったんだよねー。
    だからって、まるまる一冊の彼の文章を理解できると思っていたのか、20年前の私は!(読みたい本リストに載せたのは20年くらい前)
    いやもう、全然歯が立ちません。

    そもそも難しいことを理解できる頭ではないこと、そして恋愛にそれほど興味がないこと。
    いやもう、全然歯が立ちません。

    その人の死を心から悲しむのは母親だけだ、とか、電話は偽りのコミュニケーションであるなど、「なるほど…」と思う文章がないわけではないけれど、引用される文章もロラン・バルトの思索もまあ難しい。
    ギリシャの哲学者から松尾芭蕉の俳句、老子の言葉など古典から多くの文章を拾って来るかと思えば、映画の話があったりして、そうだ、彼はわりかし現代の人なんだと改めて思う。

    それでも
    ”狂おしいまでのカップルから、世帯というみだらさ――一方が他方のために一生料理を作る――が生じるのである。”
    という文章が、20世紀の限界を表しているなあと思った。

    そして、『若きウェルテルの悩み』を物凄く再読したいと思っている。
    中学一年のときに読んだきりだから、さすがに今読んだらもう少し理解できそうな気がするので。

  • ジュラール・ジュネット『物語のディスクール』がアーカイブに無かったので、代用。

  • 様ざまのテクストを横断して恋愛に潜む記号を断片的に描き出してゆくさまは、安易な共感といった読み方にも救いを与えるし、単純に読んでいて楽しい。今後の失恋に備えて枕元にでも置いておこうかと思った。

  • 結局好きになった方が負けだし、あなたが好きなあの人は特にあなたのことはどうとも思っていない。
    その人を手に入れたいならそれ相応の対価は必要よね。

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著者プロフィール

(Roland Barthes)
1915-1980。フランスの批評家・思想家。1953年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1975年に彼自身が分類した位相によれば、(1)サルトル、マルクス、ブレヒトの読解をつうじて生まれた演劇論、『現代社会の神話(ミトロジー)』(2)ソシュールの読解をつうじて生まれた『記号学の原理』『モードの体系』(3)ソレルス、クリテヴァ、デリダ、ラカンの読解をつうじて生まれた『S/Z』『サド、フーリエ、ロヨラ』『記号の国』(4)ニーチェの読解をつうじて生まれた『テクストの快楽』『ロラン・バルトによるロラン・バルト』などの著作がある。そして『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』を出版したが、その直後、1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

「2023年 『ロラン・バルト 喪の日記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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