- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622089544
作品紹介・あらすじ
「恋するわたしは狂っている。そう言えるわたしは狂っていない。わたしは自分のイメージを二分しているのだ。自分の眼にわたしは気のふれたものと映る(わたしは自分の錯乱のなんたるかを識っている)のだが、他人の眼にはただ変っているだけと映るだろう。わたしが自分の狂気をいたって正気に物語っているからだ。わたしはたえずこの狂気を意識し、それについてのディスクールを維持しつづけている」
恋愛の諸相を分析し、その内的宇宙を開示するのに、ロラン・バルトほどの適任者はいないであろう。この著作は、恋する主体に扮した「わたし」の体験をはじめ、友人との会話、『若きウェルテルの悩み』、ニーチェ、ラカン、禅など、さまざまなテクストを自在に引用、あるいはそっと潜ませて展開されている。不在、共苦、肉体、沈黙、夜など、バルトならではの断章形式によって「非連続の書物、いくぶんかはラブストーリーに異議を申し立てる書物」となった本書は、刊行直後から今に至るまで、世界中で多くの読者を惹きつけている。いつでも、いつまでも読んでいたい本である。
感想・レビュー・書評
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ジュラール・ジュネット『物語のディスクール』がアーカイブに無かったので、代用。
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様ざまのテクストを横断して恋愛に潜む記号を断片的に描き出してゆくさまは、安易な共感といった読み方にも救いを与えるし、単純に読んでいて楽しい。今後の失恋に備えて枕元にでも置いておこうかと思った。
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結局好きになった方が負けだし、あなたが好きなあの人は特にあなたのことはどうとも思っていない。
その人を手に入れたいならそれ相応の対価は必要よね。
著者プロフィール
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