もう一つの衣服、ホームウエア 家で着るアパレル史

  • みすず書房 (2021年3月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784622089971

作品紹介・あらすじ

“ステイホーム”の新習慣でクローズアップされているホームウエア。
成熟社会、健康志向、高齢化社会、リモートワーク、ウィズコロナ――私たちは、いま、家で過ごす時間や素の自分になるときの衣服のことを、ますます意識し、考えるようになっている。
外着でもあり下着でもある、あいまいで自由な衣服「ホームウエア」。ファッション史の裏側に隠れているが、いや表からは見えにくいからこそ、そこには人々の欲望や夢、そして現実が映し出されている。
日本のアパレルにおけるその発展を、服飾史・文化史の視点のもとにひもとく、初めてのホームウエア小史。

ボディファッション(インナーウエア)業界のフリーランスのジャーナリストとして国内外の動向を見続けている著者が、従来、ナイトウエアやラウンジウエア、あるいはルームウエアといわれていた産業分野を、新たに「ホームウエア」という位置づけに括って、過去を振り返り、未来を展望する。
あなたにとっての“ホーム”を考える1冊。

* コラム「ブランド・クロニクル」では、ホームウエアの業界の歴史をつくってきた代表的な企業・ブランド9社を紹介。その足跡をたどる。

〈表からは見えにくい領域かもしれないが、
まさに人々の“どう生きるか”という思いがここに込められている。〉
――本書より

感想・レビュー・書評

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  • 家着、寝巻き

  • このところラジオ業界の歴史、サラ金の歴史、外食産業の歴史…と産業史を立て続けに読んで、立て続けに目鱗体験を続けています。今度は寝間着(本書ではそんな言い方していません!)産業だ、とばかりに「もう一つの衣服、ホームウェア 家で着るアパレル史」を開きました。この歴史も予想外に面白かったです。去年のコロナ禍で急浮上したキーワードが「おうち時間」。今年はもはやあまり見かけない、ということは、家で過ごすことがニューノーマルとして、当たり前の世界になっているということ?その時、服は?というまったく気づかなかった変曲点を指摘されたような気分になりました。そしてそこに至るには長い衣料産業の歴史もあったのです。ナイトウェア、スリープウェア、ルームウェア、ラウンジウェア、ワンマイルウェア、ホームウェア…そして著者は言います、「ホームウェアの歴史とは、女性の社会進出の歴史でもあるのだ。」と。長年、インナーウェア業界専門誌の記者をしてきた著者の「私」という縦糸も本書の大切な要素かも。まったく意識していなかった領域からの学びに、少なくても、いいパジャマを買ってみようと思わせられました。リカバリーウェアがいいか、オーガニックコットンがいいか、悩んでみよう、っと。

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著者プロフィール

お茶の水女子大学文教育学部卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科(博士課程)修了、博士(社会学)。武蔵大学社会学部教授。専攻は都市社会学、地域社会学。著書に『瀬戸内海離島社会の変容』(御茶の水書房)、『もんじゃの社会史』(青弓社)、『質的調査データの2次分析』(ハーベスト社)、『マニラへ渡った瀬戸内漁民』(御茶の水書房、第2回日本社会学会奨励賞受賞)など。

「2010年 『温泉リゾート・スタディーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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