儀式をゲーム理論で考える――協調問題、共通知識とは

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622090519

作品紹介・あらすじ

他の人々の知識についての知識が、集団の行動に参加したいと考える要因となる。その仕組みについて、国王の行進などの公共的儀式を典型例として、映画『波止場』の1シーン、スーパーボールにおける広告、パノプティコン刑務所ほかを、ゲーム理論の「共通知識」と「協調問題」の議論を使って解き明かす。『儀式は何の役に立つか』(新曜社、2003 年)に、著者による新しい「あとがき」を加えて再刊。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:361.6A/C69g//K

  • 1 はじめに
    この本は何の役に立つか
    議論
    協調問題
    共通知識
    議論の由来

    2 理論を応用する
    式典と権威
    儀式はいかにはたらくか
    内向きの円形構造
    『波止場』
    大宣伝は効果がある
    公共化の価格
    強い紐帯と弱い紐帯
    一望監視刑務所の礼拝堂

    3 理論を磨く
    競合する説明
    共通知識は見果てぬ理想?
    意味と共通知識
    共通知識の競い合い
    共通知識と歴史
    共通知識と集団アイデンティティ

    4 おわりに

    付録 ダイアグラムで議論を表現する
    協調問題をモデル化する
    メタ知識をモデル化する
    なぜ共通知識は協調問題の解決に役立つのか

  • 【書誌】
    儀式をゲーム理論で考える――協調問題、共通知識とは
    RATIONAL RITUAL: Culture, Coordination, and Common Knowledge
    著者:Michael Suk-Young Chwe
    訳者:安田 雪
    判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
    頁数 192頁
    定価 3,300円 (本体:3,000円)
    ISBN 978-4-622-09051-9
    Cコード C1030
    発行日 2022年6月10日

    「公共的儀式は、共通知識を生み出す社会的行為だと理解できる。たとえば公共的な式典は、社会的統合と既存の権威体系を維持するのに役立つ。公共的な決起集会やデモも、政治的・社会的変革にとってきわめて重要である。社会的統合も政治的変革も、共に協調問題として理解することができる。現在の権威やシステムであれ反体制のそれであれ、他の人々が支持すればするほど、私もそれらを支持しがちである。公共的儀式、決起集会や式典は、こういう不可欠の共通知識を作り出す。公共的儀式は、単に情報の中心から個別の聴衆へのメッセージの伝達ではない。それは同時に、聴衆に他の聴衆が何を知っているかを知らせるのである」
     (「まえがき」より)
     
    他の人々の知識についての知識が、集団の行動に参加したいと思う要因となる。その仕組みについて、国王の行進、円形構造の市議会会議場、映画『波止場』のシーン、スーパーボウルで流される広告ほかの、文化・社会現象を、ゲーム理論の「協調問題」と「共通知識」を応用して解き明かす。共通知識が安易に生成される、昨今のSNS時代にも通ずる課題の本質とは? 2001年に先取りで考察していた本書を、新たに「序文」「あとがき」を加えて刊行する。
    [https://www.msz.co.jp/book/detail/09051/]

    【目次】
    新版へのまえがき
    まえがき

    1 はじめに
    この本は何の役に立つか
    議論
    協調問題
    共通知識
    議論の由来

    2 理論を応用する
    式典と権威
    儀式はいかにはたらくか
    内向きの円形構造
    『波止場』
    大宣伝は効果がある
    公共化の価格
    強い紐帯と弱い紐帯
    一望監視刑務所の礼拝堂

    3 理論を磨く
    競合する説明
    共通知識は見果てぬ理想?
    意味と共通知識
    共通知識の競い合い
    共通知識と歴史
    共通知識と集団アイデンティティ

    4 おわりに

    付録 ダイアグラムで議論を表現する
    協調問題をモデル化する
    メタ知識をモデル化する
    なぜ共通知識は協調問題の解決に役立つのか

    2013年版へのあとがき
    新版への訳者あとがき
    図表一覧
    引用文献
    索引

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著者プロフィール

(Michael Suk-Young Chwe)
シカゴ大学、ニューヨーク大学、ユタ大学などの勤務を経て、現在、カリフォルニア大学ロサンゼルス校政治学部教授、政治学部学部長。The American Journal of SociologyとThe Journal of Economic Behavior and Organizationのアソシエイト・エディターを務める。著書として、本書のほか、『ジェイン・オースティンに学ぶゲーム理論――恋愛と結婚をめぐる戦略的思考』(川越敏司訳、NTT出版)があり、ともに韓国、中国でも翻訳出版されている。

「2022年 『儀式をゲーム理論で考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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