学校史に見る日本 足利学校・寺子屋・私塾から現代まで

  • みすず書房 (2021年12月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784622090649

作品紹介・あらすじ

学校から時代が見える。学校を見てゆくと、歴史の流れがよくわかる。
学校は時代の要請により生まれ、時代とともに変化してきた。日本で学校はどのように始まり、発展して現代に至るのか。〈『礼記』に「家に塾有り、党に庠有り、術に序有り、国に学有り」〉(はじめに)。日本で学校と教育の広がりは、古代、令制にもとづく大学寮から始まる(第1章)。
中世、足利学校には学徒が雲集し、足利は〈日本で初めての学園町であった〉(第2章)。近世には藩校や私塾・家塾や寺子屋(手習所)の世界が豊かに展開する。岡山藩主池田光政が地方の指導者の育成のため庶民の子弟にも他藩の子弟にも門戸を開いた閑谷学校。入塾にあたり三奪すなわち身分・学識・年齢の差なく平等に学び、運営の多くも塾生が担った咸宜園。また寺子屋には女子も通い、寺子屋を終えた後の女学校の設立も構想された。水戸弘道館は、修養の場としての偕楽園をも一対の施設とし、総合大学的教育研究を行なった(第3-7章)。やがて改革の時代を経て、近代の文明の時代、経済の時代、経済によって文明と戦争が結ばれた時代、そして敗戦後、環境の時代から今日へ(第8章)。学校はこれから社会の時代に向かうのか。類のない通史。

感想・レビュー・書評

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  • 学校と教育の広がり:
    学校の始まり
    嵯峨朝の学校と政治
    学校と文人による政治
    文人政治家の衰退
    文士と女房の古典文化
    家の教育へ
    鎌倉と京の学問

    足利学校:
    室町期の学問
    足利学校の創設
    足利学校の発展
    学校の盛期
    学徒の町・足利
    学校の講義と学徒
    西国の学校

    学校の制度:
    徳川政権と足利学校
    儒者の私塾
    古学派の塾
    藩校の制度
    閑谷学校
    手習所(寺子屋)
    吉宗政権下の文教政策

    教育の世界:
    蘭学の世界と芝蘭堂
    私塾と咸宜園
    咸宜園の教育
    シーボルトの鳴滝塾
    閑谷学校の世界
    足利学校・時習館
    本居宣長の鈴の屋塾
    熊本の時習館と福岡の修猷館
    佐賀弘道館と琉球国学、中四国四館

    藩校と寺子屋の世界:
    彦根稽古館と加賀明倫堂、富山広徳館
    道学堂と致道館の規模
    秋田藩・弘前藩・仙台藩の藩校
    興譲館と日新館
    崇教館・明倫堂と湾岸二館
    昌平坂学問所
    江戸の教育事情
    寺子屋の普及
    描かれた寺子屋

    改革の時代:
    水戸の弘道館
    改心楼・韮山塾・文武学校
    幕末三館と彦根藩講道館
    近江五個荘の寺子屋
    伊予の寺子屋と塾・藩校
    江戸近郊の村の寺子屋
    長崎海軍伝習所
    蕃書調所と作人館
    順天堂・成徳書院と明道館

    西南雄藩の学校改革:
    土佐藩の致道館
    薩摩藩の造士館
    三計塾・山梔窩・咸宜園
    高島塾と佐賀弘道館の改革
    長州萩藩の明倫館
    松下村塾
    長崎の養生所・英語所
    適塾とその門人
    宇和島藩の藩校と開成所
    福沢諭吉と文明

    文明と環境の学校:
    文明と学校
    明治の学校
    経済の時代へ
    戦争と文明を結ぶ経済
    環境の時代
    コロナ禍の「社会」

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著者プロフィール

1946年生まれ。東京大学・放送大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。専門は日本中世史。著書『院政期社会の研究』(山川出版社)、『吾妻鏡の方法』(吉川弘文館)、『中世のことばと絵』(中公新書)、『絵巻で読む中世』(ちくま学芸文庫)、『書物の中世史』(みすず書房)など。

「2019年 『中世史講義 院政期から戦国時代まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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