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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784622090762
作品紹介・あらすじ
家族史を語れば必ず服の話になる。いっぽうで悲しみから立ち直れない祖母の店にショアーの亡霊がとりつき、いっぽうで時代に即応して命を燃やすように生きた一家は思わぬ成功にとまどっている。両方を行き来しながら育った女性は、やがて自分にぴったりの世界を探し求める。
鋭くも優しい眼差しを自らの家系に向けながら、一つの世界の終わりをみごとに描くこの自伝的小説は、家族のサーガにしてヨーロッパ現代史となり、高い評価を受けた。
「曾祖母が身を粉にして働いた青空市から、両親が起業し、国内に展開した系列店にいたるまで、どこを見ても思い知らされる。うちの祖先はポーランドのシュテットルに暮らすユダヤ人の仕立屋だったのだ。
移住から数えて四世代目となる頃、既製服の仕入先はパリのサンティエ地区から姿の見えない流通業者に代わった。商品はバングラデシュ、パキスタン、あるいは中国で買い付けられてくる。それがどこから来たのか、誰が、どのように作ったのか。そんなことを気にする必要はない。山と積まれた服のうち、客が気に入ってくれそうな品を見分けることが肝心だった。迅速な判断と、正しい選択が欠かせない。ヨーロッパ全域に広まった新時代の小売店に脅かされ、もはや一刻の猶予もなかった。イディッシュ語でシュマテスと呼ばれる仕事は、ついにその命運が尽きようとしていたのである。」 (ナタリー・スコヴロネク )
感想・レビュー・書評
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期せずして、佐藤亜紀からベルギー繋がりとなった。
仕立て屋さんから始まった商売が、次第に既製服のの大量生産に飲み込まれていく。流行の服を売るユダヤ人家族の歴史と、その家族の中にいて自分の世界を模索する少女。限りなく自伝に近いと思われる小説。
ラナ・プラザ崩壊事故も出てくる。
ユダヤ系アパレル業界の内実としても、ヨーロッパにおけるユダヤ人史としても、家族史としても読め、少女の成長ものの側面も持つ。
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