ネオレアリズモ イタリアの戦後と映画

  • みすず書房 (2022年5月11日発売)
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本 ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784622090953

作品紹介・あらすじ

戦争とファシズムを生き抜いたイタリアで生まれた、新しいリアリズムの潮流、ネオレアリズモ。
デ・シーカ(『自転車泥棒』『ウンベルト・D』)、ロッセリーニ(『無防備都市』『戦火のかなた』)など名だたる監督たちによる作品群として知られるが、その中心にいたのは、デ・シーカの共作者であり、数々の作品を世に送り出した脚本家・製作者チェーザレ・ザヴァッティーニである。
素人役者の起用、子供を主役に据えること、野外ロケーションなどの偶然に開かれた撮影手法によって、市井の人々の、生きられる現実をつづるネオレアリズモは、同時代のフランスの映画批評家バザンにより「俳優も、物語も、演出も存在しない、現実そのものという美学的幻想の内にある映画」と称賛され、ドゥルーズにより「純粋な光学的状況」と評された。それは映画の究極の夢であるとしても、ネオレアリズモは「純粋映画」の神話にとどまるものではない。
ネオレアリズモを映画理論の枠組みから解き放ったとき、イタリアの土地の方言としてのネオレアリズモが立ち現れてくる。本書は、長年にわたりイタリアに魅入られ、探究してきた西洋美術史家による、ネオレアリズモ再訪への招待状である。

感想・レビュー・書評

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  • 論文で使うから繰り返し読まねば

    デシーカ、ロッセリーニ、ヴィスコンティ、ザンパら辺は全部見とかないと話にならない

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著者プロフィール

【著者】岡田 温司(おかだ・あつし)
1954年広島県生まれ。京都大学名誉教授。
西洋美術史、思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003年、吉田秀和賞)、『フロイトのイタリア』(平凡社、2008年、讀賣文学賞)、『映画とキリスト』(みすず書房、2017)、『映画と黙示録』(みすず書房、2019)、『イタリア芸術のプリズム』(平凡社、2020)。訳書にロベルト・ロンギ『芸術論叢』(中央公論美術出版、1999年、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞)など多数。

「2025年 『映画が恋したフロイト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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