沖縄の生活史

  • みすず書房 (2023年5月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (880ページ) / ISBN・EAN: 9784622095989

作品紹介・あらすじ

2022年5月に、日本復帰50年を迎えた沖縄。これを節目として、沖縄の歴史とともに生きてきた人々の来し方を聞き取って文章に残そう、という沖縄タイムス社の企画が結実したのが本書である。
沖縄タイムス紙上での募集に応えた「聞き手」たちが、それぞれ思い思いの「語り手」を選び、その人生を聞き取って生活史として仕上げた。紙上に、およそ半年以上にわたって連載された85篇に加え、新聞には掲載しなかった15篇を合わせた、計100篇の生活史がここにまとめられている。巻頭と巻末にはそれぞれ、監修者のまえがき、あとがきを収録する。

「私は本書のどの語りの、どの部分を読んでも、深い感慨と感動をおぼえます。ここには語り手たちが経験した「沖縄の戦後」が、確かに存在するのです」
(岸政彦、まえがきより)

「数多くの沖縄の人たちから聞き取りしてきたにもかかわらず、庶民の生活の奥深くに分け入り、心の襞に触れるところまでは、聞き取りはしていなかったか、と思わざるを得ない語りにも出会えました」
(石原昌家、あとがきより)

感想・レビュー・書評

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  • 沖縄の生活史 | 沖縄タイムス+プラス
    https://www.okinawatimes.co.jp/category/okinawanoseikatushi

    みすず書房『沖縄の生活史』特設サイト
    https://www.msz.co.jp/special/09598/

    沖縄の生活史 | みすず書房
    https://www.msz.co.jp/book/detail/09598/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【書評】『沖縄の生活史』石原昌家・岸政彦 監修 沖縄タイムス社 編 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌
      https://www.webdoku....
      【書評】『沖縄の生活史』石原昌家・岸政彦 監修 沖縄タイムス社 編 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌
      https://www.webdoku.jp/cafe/nakame/20230608080000.html
      2023/06/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      戦後生きた100人の物語 [評]奥野修司(ノンフィクション作家)
      <書評>沖縄の生活史:北海道新聞デジタル
      https://www.hokk...
      戦後生きた100人の物語 [評]奥野修司(ノンフィクション作家)
      <書評>沖縄の生活史:北海道新聞デジタル
      https://www.hokkaido-np.co.jp/article/875202/
      2023/07/10
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      <書評>『沖縄の生活史』 100年にわたる沖縄の世相 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト
      https://ryukyush...
      <書評>『沖縄の生活史』 100年にわたる沖縄の世相 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト
      https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1747780.html
      2023/07/18
  • 2021年12月から「沖縄タイムス」で始まった
    「沖縄の生活史」プロジェクト。それは、現代の伝承。
    100名の聞き手が100名の語り手から聞いた、生活史の数々。
    ・はじめに 岸政彦  ・おわりに 石原昌家

    100通りの沖縄生活史は、実際に体験した人々の経験と記憶。
    一人につき1万字の飾らぬ言葉には20代から99歳の、
    戦前・戦中の生活、戦後の沖縄が日本ではなかった時代、
    沖縄復帰後と現代の、複雑で様々な思いが込められている。
    日本軍の兵士、空襲、手榴弾、身近過ぎる死、捕虜、収容所、
    移民と沖縄への帰還、終戦後の本土から沖縄へ帰るまでの苦難、
    マラリア、ハンセン病、本土での差別、パスポート、
    通貨、米軍関係の仕事、アメリカの文化、ベトナム戦争、
    米軍の事故や事件、コザ暴動、復帰運動と復帰反対運動、
    730、沖縄本島と離島の違い、標準語と方言、教育、密貿易、
    密航、台風、本土から沖縄への結婚、現代での紆余曲折、
    「ちむどんどん」、悲喜こもごもの家族や親族との関係など。
    当事者と近辺にいた者、どちらも生の声であり、重要な証言。
    復帰の日の記憶が覚束ないほどに、生きるのに必死だったこと。
    本の重みと同時に、言葉の重みがずしりと伝わってきます。

  • ひとりひとりのページ数はさほど多くはないが、それが100人分集まった本自体の物理的な重量と内容が手首と心にずっしり響いた。過酷な体験ばかりではなく、戦争マラリアのこと、生きるための知恵や工夫、沖縄の歴史や家族の大切な記憶。
    その時その時を必死に生きてこられた方々の証言を聞き取り共有してくださりありがとうございます。

  • 生活史三部作の一つ。沖縄本土復帰を経験した方の話のため、話者に高齢者が多い。貴重な話の記録。

  • 【書誌情報】
    『沖縄の生活史』
    監修:石原昌家
    監修:岸政彦
    編:沖縄タイムス社
    判型 A5判
    頁数 880頁
    定価 4,950円 (本体:4,500円)
    ISBN 978-4-622-09598-9
    Cコード C0036
    発行日 2023年5月12日
    電子書籍配信開始日 2023年6月16日
    https://www.msz.co.jp/book/detail/09598/

    【目次】
    まえがき 岸政彦

    あの時の東京はね、お店の正面に「沖縄者お断り」って書いてあったんだよ。野蛮人と言ってから
    聞き手=安里優子(五七) 語り手=母・池原春子(八四)

    「おい、比嘉君ね、これからが僕らの時代だよ」って言うんだよ
    聞き手=安里百合香(六一) 語り手=安里繁雄(九一)

    おじー必ず、運転したいって言ってさ、どうしても運転したいって
    聞き手=東春奈(三六) 語り手=父(七二)

    爆弾の破片とか、買いに来る業者がいたわけ。家にね。そこの業者さんに売ったりしてた。小遣い稼ぎ。一キロ売ったらいくらだよということで
    聞き手=安谷屋佑磨(二九) 語り手=父(六二)

    耕運機買うのも、吉本家が初めて。開墾するのも、吉本が初め。みんなやらないわけよ、こんなの
    聞き手=荒井聡(三九) 語り手=吉本良子(九七)

    なんでないのって聞いたら一番上の兄が(給料を)そっくり持っていってあるわけよ
    聞き手=新川真奈美(三二) 語り手=祖母(七四)

    努力しなくて、なんとかなるさじゃないわけよ。努力しての結果が「なんくるないさ」、それ全然違うね
    聞き手=泡☆盛子(五〇) 語り手=幼馴染の母・添盛文子(七一)

    裏返して、僕の住所を書いたわけ。その時にまぁ、ポロポロポロポロ泣いたよ
    聞き手=伊是名夏子(四〇) 語り手=父・伊是名進(七八)

    ブランクなくドラムたたいてきたから、俺みたいにいろんなジャンルのドラムを経験してきたのは珍しいんじゃないかね
    聞き手=井筒形(五九) 語り手=津嘉山善栄(七四)

    ある奥さんはさ、必ず「あんた連れて行って、子どもが大きくなるまで一緒に育ててくれないか」と言いよったけど
    聞き手=上江洲清哉(二四) 語り手=上江洲ツネ(九〇)

    でも、見てくれてたんだぁー、分かってくれてたんだぁーってのがあって。すごいあの言葉は忘れられなかった
    聞き手=上原健太郎(三七) 語り手=糸満市出身の女性(六〇代)

    沖縄の歴史から呼ばれて、自ら沖縄の歴史を呼び込んでいく、その在り方みたいなもの
    聞き手=上原沙也加 語り手=仲里効

    だからほんとにしたいと思ったこともそのときなかったし。諦めてたから
    聞き手=上間陽子

    俺の妹と父ちゃんは、ちゃんと国から感謝状もらってるけど警察署から。俺はちゃんと逮捕状もらってるよ(笑)
    聞き手=打越正行(四三) 語り手=剛(五〇代)

    夜寝られない。起こされて、もう亡くなる人が、亡くなった人が来てよ、もう死んだまま。もう大変だった。墓が開く時は、誰がって分かりよったわけよ
    聞き手=大城沙織(二五) 語り手=男性(八一)

    仕事も全部、覚えてきている時だから、二六ぐらいだと思うけど。その頃に偽札が横行したのよ。二〇ドル札の偽札が
    聞き手=大城譲司(五四) 語り手=母(八七)

    「いーいーなぁ、うやんくゎんやん、この戦争ややん、ぬーがないら分からんくとぅやん、やらはんどー」んち。おばあがウリさるばー
    聞き手=大城ひかり(二八) 語り手=祖母・大城千代(九八)

    だから当時のコザはやっぱり怖かったですよ。行くと。白人はクルカジャーシーって黒人の匂いが嫌いだし。黒人はまた白人の匂いが嫌い、キモチワリーみたいな
    聞き手=大田泰正(三一) 語り手=父・大田至(六一)

    わじわじーですよ。怒り狂って、あぎじゃびよー、たっけーらせーと
    聞き手=大塚和徳(四五) 語り手=高江洲義八(七三)

    生物の時間だったのかな?「えっ、メダカ? メダカ見たことない」って言ったら、みんなが笑うわけ
    聞き手=岡本彰子(五四) 語り手=従姉・金城千代己(七五)

    それから数日後に母が「やはり、ハワイ行った方がいいよ」と言って。妹はまだ小さかったからね、私一人で沖縄を出たんです
    聞き手=荻堂志野(二九) 語り手=東恩納良吉(八六)

    門中の子どもたちを守って子孫を繁盛させてくださいと、それだけをお願いするだけだよ
    聞き手=語り手の甥(六二) 語り手=門中の神人(八九)

    ずーっと耳で、なんか日本語分かると思ってたんだけど、あれ日本語じゃなかったね。ほぼ半分以上はもう、うちなーぐち
    聞き手=加藤勲(四〇) 語り手=安富祖美智江

    「おい福峯、お前、沖縄復帰させてもらって良かったなぁー」って言った一言で、俺、胸ぐら捕まえて大げんかしたよ
    聞き手=加藤里織(四七) 語り手=福峯衆宝(六九)

    マジに信じてたのは復帰するってのは、本土に沖縄の島がくっつくことだと思ってたわけね。そのまんま九州の鹿児島にくっつく、これが復帰だと思ってたわけ
    聞き手=兼島拓也(三三) 語り手=父(六〇代)

    復帰したら、アメリカーが店に来なくなるから。うちも夫も、心の中では復帰には反対だったから。もうけなくなるさあね
    聞き手=嘉納英明(五九) 語り手=石川静子(八七)

    別に復帰がどうこうして、覚えてることはないよ。何にも私には、関係のないことだから
    聞き手=叶祐介(二四) 語り手=祖母・仲間久子(八七)

    飛行士が見えるのよ。見えるんだよ。パイロットが。ぷわーっとやってね、ぷわーっと逃げたのよ。全員無事だったけど、屋根が燃えてよ
    聞き手=神村メイ(六九) 語り手=夫の叔父・新垣昌也(八四)

    本土に来てから、青森や鹿児島とか難しそうな方言を使ってるのに、何で沖縄だけ禁止になったわけってすごく腹が立ったね
    聞き手=川野香織(五〇) 語り手=母・畑山シズ(七四)

    人間はね、どんな苦労でも、金で使われていると、金に使われていると思ったらどんな苦労でも耐えきれるという話、聞かされたから。ああ人間は、そうだねえと言って
    聞き手=岸政彦

    他の職業では復帰前の資格が復帰後も認められているケースもあるわけで、なぜ私たちだけ「沖縄弁護士」を名乗らなければいけないのか、差別ではないか、という意識はありますよ
    聞き手=喜屋武馨(八二) 語り手=松田朝徳(八七)

    戦前は、はだしで歩いたので足裏が硬くなっていた。寒い時につまずいてつま先を打って血が出ても痛さを感じないぐらいだった
    聞き手=喜屋武すま子(七三) 語り手=義母・喜屋武初子(九九)

    首ちりどぅし、これ一言で、僕の頭の中ではね。沖縄で首ちりどぅしという言葉は、なかなか言わないけど、そのぐらい親しいんだね
    聞き手=喜屋武悠生(三五) 語り手=父親の親友(七四)

    私たち夫婦は(一九六四年の)東京オリンピックから、今度のオリンピックまで華やかな人生だった。ちょうど一緒、珍しいことに
    聞き手=金城愛音(二七) 語り手=祖母・我那覇英子(八二)

    うちなーぐちを使えるようになったのは沖縄に帰ってきてから。生活のために覚えたさ
    聞き手=金城さつき(四〇) 語り手=玉城秀子(八四)

    ニュースペーパーボーイ、ユーノウ?
    聞き手=具志堅大樹(二九) 語り手=両親の友人(六〇代)

    九八ドルだったら生活やっていけたけど、三万六〇〇〇円では生活やっていけなかったね
    聞き手=久保祥子(三〇) 語り手=伯父・知念正樹(七四)

    うん、モテて大変だった。モテモテ(笑)。内地に連れて帰ろうかなぁ、って、まあ、おべっか言う人もいたよ
    聞き手=久保山亜希子(三四) 語り手=母(七〇)

    結婚するよりか、技術を習わんとね。もう、親もいないからという感じですよ
    聞き手=幸地一(五九) 語り手=幸地廣明(八四)

    人生ってやり返しきくって言うけど、はーとんでもない。一度ひっくり返ったらなかなか簡単じゃないよ
    聞き手=古我知智子(六〇) 語り手=義母(九四)

    いい絵を描けばアメリカーでも認めてくれるんじゃないのっていうのもあるわけ。それで、美術を一生懸命やり始めたわけ
    聞き手=酒井織恵(五二) 語り手=父・稲嶺成祚(八九)

    この大雨はうちなーんちゅの涙だ、このことは絶対に忘れない、と思ったのは、はっきり覚えています。その後は気が遠くなって、倒れていました
    聞き手=佐藤学(六四) 語り手=宜野座映子(七五)

    よく買ってくれる人はもうけあるけど、また買ってくれない人もいるわけよ。なんかヤミみたいだから。ゲートで調べる人が来たら没収もするから、戦々恐々よ、もう
    聞き手=さゆき(三三) 語り手=祖母(九四)

    中の町来て、この辺でも燃えていて、胡屋十字路来たらまた空港通りも、ここも燃えていたんだ
    聞き手=織(二四) 語り手=祖父(七七)

    たまに、自分なんかのおうちにターユーっていう魚が入ってくるわけさ
    聞き手=島袋秋人(二三) 語り手=祖母・比嘉あさみ(六七)

    燃やした記憶はないけどよ、どうせ俺はもう沖縄に帰らんってからさ。捨てたような気がする。もう要らないって、帰るつもりはないって
    聞き手=島袋幸司(三八) 語り手=沖縄本島中部の男性(七〇代)

    自分が味わってきた沖縄だけの閉鎖的な空間よりは、どんどん出てってほしい。だから、あまり実家には近寄りたくなかった
    聞き手=島袋弘暉(二二) 語り手=母(五〇代)

    この差があるわけ、ここは下。外人は上。事故しても外人が事故しても、何にも関係ないのに
    聞き手=島袋真由美(三七) 語り手=大叔父(八四)

    復帰記念メダルもらった。メダル、学校からみんなに。お祭り騒ぎだったかな。よく覚えていないな
    聞き手=島袋みゆき(五二) 語り手=配偶者(六〇)

    自分は中学三年で受験勉強してたもんだから。もっと勉強したいから行きたくないっていうことで、毎日けんか
    聞き手=下地隆弘(二二) 語り手=祖母(八〇代)

    五年生くらいの時に方言を使わなかった子で、表彰されたわけ。下地君は学校で方言を使いませんでした、とか言ってさ
    聞き手=下地レオ(三二) 語り手=父(五八)

    だから学校も行っていないから食べ歩いて聞いて。食堂に帰ってそのように作って、味して「あ、この味だ」って思ったら、これで店の味にする
    聞き手=城間碩也(二四) 語り手=祖母(七七)

    どんな人かねと。色が白くて髪が長くて、髪が長いというだけでジュリ(遊女)じゃないか、みたいな。みんな、見に来るわけ
    聞き手=城間美咲(三八) 語り手=富田初江(八四)

    復帰しないで自分たちがそのまま、琉球政府としていきたいみたいな討論会があったよ、高校生が
    聞き手=城間優子(四六) 語り手=父の従妹(六〇代)

    戦後はもうだんだんヤマトに世替わりだからね。向こうしか向いてないから。逆に僕は「こっち向けよ」と思って、方言ニュースを
    聞き手=新垣啓子(六三) 語り手=母の従弟・又吉健次郎(九〇)

    先祖まつりの長男だから、帰らないかん宿命にあるんですけど、少し働いて、働いていう間に六〇年間、最初は二ヵ月のつもりで来たんですよ
    聞き手=末松史(四三) 語り手=金城豊秀(八三)

    沖縄の歴史かな。四年生から学べるわけさ。これオレ楽しみにしてたわけよ。そしたら四年なったらなくなっていた
    聞き手=末吉利旭(三六) 語り手=父(六〇)

    僕は手をやられていますから、抵抗できるのは口しかないんですよ。だから、僕も馬の顎にかみついた
    聞き手=鈴木陽子(六一) 語り手=平得壯市(八五)

    それがもう「ショウショウショウショウショーウ! ショーウ!」って言うから(笑)
    聞き手=平良伊都実(二五) 語り手=母(五五)

    親戚のおじさん、おばさんが勝手に付けたの。呼びやすいように。よう子、よう子って。お母さんの姉さんも名前二つあるさね。栄子なのに、しげーって呼ばれてた
    聞き手=高浪千裕(五〇) 語り手=入嵩西時子(七五)

    そうサミットが始まる前だったからね。「G7って付けた方がいいんじゃないか」って言ったらさ、そのあとにG7が始まったさ
    聞き手=知念渉 語り手=赤嶺千穂子、夫=芳弘

    なんか、あっちから通るバス見たら、ああ、あのバスどこ行くんだろうな、乗ってみたいなぁって思ってた
    聞き手=知念真由美(五七) 語り手=母(八三)

    手続きしたら、これ何人て書くんですかーってなったわけさ、だから琉球人って書きなさいって言われたよって言ってるわけ
    聞き手=知念ゆかり(二四) 語り手=父の姉(七八)

    おやじと電話でよくけんかしたよ。おやじは復帰したら何もかもよくなるって言うわけさぁ。これでは駄目だようと思ったわけさぁ
    聞き手=寺田光枝(七四) 語り手=玉城薫(七四)

    五〇〇円と言われて、五〇〇円くらいなら何とかならなかったかな、って今考えたら思うけど、あれも悔しかったよ、りま
    聞き手=徳森りま(三四) 語り手=父・徳森栄春(六二)

    超ショック。何か分かんない。もうソーセージ食べられなくなった
    聞き手=富山勝代(四九) 語り手=友人・えーみー(四八)

    同世代の子が「やー」とか「えー」とか言っていると、何のことか分からなくて、超戸惑った覚えがありますね。怒ってるー、なんだこりゃーって
    聞き手=鳥井由美子(三八) 語り手=上地愛乃(三一)

    いつもさ「もう少しだよ、もう少しだよ」って。いつもその言葉にさ、ばあちゃんはさ、その言葉につられてずっと一緒にじいちゃんと仕事していた
    聞き手=仲地二葉(三〇) 語り手=祖母・照屋キヨ子(八一)

    でも僕も若くて、「日本語上手ですね」って言われて「あなたより上手かもしれませんね」なんて言って(笑)
    聞き手=仲程玲(四〇) 語り手=伯父・江川義久(七七)

    軍歌、嫌なぐらい分かるわけ。兄たちがいつも軍歌歌うから聞き覚えて。教育って大変よ。軍歌まだ覚えているもん、小学生の女の子だったのに
    聞き手=仲間尚子(六一) 語り手=母・玉城千代(八七)

    「あい、おとう、これ三番いなぐんぐゎーがもうけている給料どー」と言って。おばあはかんなじおとうに手合わせよった。これいつなっても忘れない
    聞き手=仲松沙也香(二二) 語り手=大叔母・トキ子(八三)

    何にもいいことはない。おばさんだちは何もない時期の子どもだからね。意味ないよ
    聞き手=仲嶺真(三三) 語り手=伯母(八〇代)

    「育てもしないくせに」って。泣きよったよ。口から出しよったよ。「育てもしないくせに」って。その時は恨みよった
    聞き手=鉢嶺京子(四一) 語り手=祖堅秀子(八三)

    着いて、第一声が教授に呼ばれて、「日本語話せるね?」って
    聞き手=比嘉あんの(一六) 語り手=祖母・高良敏子(八四)

    そう。アイドルですよ。ホントに(笑)。交通指導が終わるまで待っている人がいたの。それくらい、「見せる警察官」
    聞き手=比嘉鈴代(四五) 語り手=母・比嘉洋子(六九)

    隣近所の子どもたち、集まって隠れとってから、映画始まったら、戸閉めるから、その時に入るさ
    聞き手=比嘉チハル(四三) 語り手=比嘉幸保(六六)

    あの時思ったんは、沖縄と貧乏は別もんやなってすごく感じて。私はそれをいっしょくたにして、沖縄を嫌ってたなあと思って
    聞き手=比嘉直子(五五) 語り手=沖縄二世K・N(六〇代)

    友達とねー、れんげ畑ね、帰り。原田屋のおうちの下は、みーんな稲さ。稲取った後はれんげがもういっぱい咲くのね
    聞き手=比嘉和香(四九) 語り手=母・賀数孝子(八一)

    あっちの嫁になせって言われるからよ、ゲーしてさ、反抗になって、反抗してよ
    聞き手=ヒヤジョウマキ(二七) 語り手=祖母・眞栄田トシ(八九)

    だから、出たらひかれていたかもしれない。通るのにじゃまになっている私の車を側溝に落として通りたかったんだから
    聞き手=藤宮子(三六) 語り手=義母(七二)

    これはいかんと思って、「返してこうね」ってお母さんに言ったら、お母さんは「行かないで! 恭枝さん、それは私が買うから」って言いはんねん
    聞き手=藤本朋子(五一) 語り手=石原恭枝(八三)

    「おばさん来たよ」って言ったら、来た途端に「元気だった?」と歓迎してくれたのは、このことだったんだなって後で分かったんだけど
    聞き手=古里友香(四九) 語り手=大城(旧姓・知花)フヂ子(七七)

    普通でしたら、親が子どもの介護をするじゃないですか。私の場合は反対で、息子に介護されて、病院生活を過ごさせていただいたという感じですね
    聞き手=平安名萌恵(二七) 語り手=レイコ(七〇代)

    願っていた内容の復帰ではない。そうだったら、まあ、あまりうれしくはない人もいただろうが、しかし、あの、僕自身はね、まずは復帰するんだという思いが強かった
    聞き手=前泊美紀(四九) 語り手=前泊甫美(八二)

    うん。法律が適用されるさ。アメリカの法律じゃなくて、日本の法律。それが、一番のうれしさだったな
    聞き手=前原洸大(二四) 語り手=仲村渠實(八二)

    私たちもだまされてなかったら、今頃、大きなビル建てていたんじゃないかねーって思うよ(笑)
    聞き手=真境名育恵(四七) 語り手=母・新開麗子(七四)

    新川のお墓へ行く時は、牛に車ひかせて、みんな乗せて行った。牛はゆっくりだからいいわけさ。あー、あの時、カメラがあったら写したのにねー
    聞き手=松井裕子(七一) 語り手=中村トヨ(八六)

    沖縄で墓を初めて見てびっくりしたよ。防空壕だと思った
    聞き手=松岡幸子(七五) 語り手=上運天賢盛(九〇)

    家に持ってきて食べるって言って。あんまりおいしいから。もうとにかくおいしい。カニ豆腐って言って、もうとってもおいしい料理があるんだけどね
    聞き手=松田郁乃(三二) 語り手=祖母(八三)

    宿題とか勉強していたらお母が怒られよった。「なんでいなぐんぐゎーに勉強させる?」って
    聞き手=松田哲郎(四一) 語り手=母(六九)

    屋敷の桑の木に小さなマイマイがいたからそれを集めてね、湯がいてから食べて、そうやって生きていたんだよ
    聞き手=諸見里梨奈(二〇) 語り手=祖父(八六)

    どんなしてお母さんと言うか。私のお母さん、育てのお母さん、このお母だのにって思ってよ……
    聞き手=山内直子(五四) 語り手=母・ゑみ子(八九)

    たばこをやめた日です。五月一五日に何をしていたかというと……たばこをやめる以外には何もなかったような気がするけれども
    聞き手=山口祐里瑛(二四) 語り手=祖父・仲里政幸(九一)

    たまに卵取って飲みよったよ、隠れて。たたいてからに、穴が空いたらチュッチュッチュして
    聞き手=山田哲也(四八) 語り手=母(七四)

    逆に、学校の先生たちが本土と一緒にしようと思って躍起になっていたんだ。俺ら……、子どもはね、あんまり興味なかった
    聞き手=山入端由香(三二) 語り手=男性(六〇代)

    役場から公報来て、大暴れして「今すぐ天皇陛下連れてきて、殺せー!」って言ったよ
    聞き手=山本和(二六) 語り手=田中美江(九二)

    だから全然記憶がないんじゃ。そういう子ども、記憶がない子ども
    聞き手=雪田倫代(三七) 語り手=父(七八)

    罰金するって言って罰金払ったよ。嫌だのに、あんなの。ストライキしても意味ない。働いた方がいいさ。やっても、やらなくても勝ち目はないですよ
    聞き手=吉門夏輝(三一) 語り手=八重瀬町の祖母(七五)

    そんな時に、朝ごはんに納豆が出たの。いくらなんでも、私たちのことが嫌いだからって、こんな腐ったものを出すことないのにねって(笑)
    聞き手=渡邉隆(三七) 語り手=母・渡邉敬子(六七)

    例えば僕はよ、箸のつかみ方。八重山でも普通にごはん食べてるさ。日本ではどんなして使うのかなぁとか思ったりよ。一緒なのかな、違うのかな、と思ったりしてよ
    聞き手=綿貫円(三三) 語り手=石堂徳一(七三)

    あとがき――記憶の玉手箱のような存在 石原昌家


    写真・上原沙也加

    反響
    聞き手の方から寄せられた感想
    「誰かの人生を丁寧に聞くことは、きっと誰かの励ましや勇気付けのきっかけになる」
    藤本朋子さん
    「全てを受け入れ、歩んできた母の人生に、私は誇りと勇気をもらった。うそ偽りのない生の声だからこそ、残す意味がある」
    安里優子さん
    「戦争や貧困、身近にある米軍からの暴力、どこかで命を落としていてもおかしくなかったおばあが生き延びたから、私が存在する。ありがとうと思ったら、涙が出た」
    さゆきさん
    「市井の人たちの語りを残すことは、〈時の権力者による歴史の改ざん〉にも立ち向かっていける貴重な記録として後世に受け継がれていく」
    真境名育恵さん
    「それぞれの世代や地域の人の語りを残すことは、次の世代に語り継ぐことはもちろん、同世代の人が過去を振り返って、共感し、懐かしむことのできる機会になった」
    富山勝代さん
    「母の生活史は、私が所有してきた時間の前にも後にも並走して伸びていた。生活史とは、幾つもの時間があざなえる救いの記録でもあった」
    高浪千裕さん

  • 和光大学図書・情報館の所蔵
    https://libweb.wako.ac.jp/opac/opac_link/bibid/SS01159784

    ◆ 電子ブック(学内限定[VPN可])
    https://libweb.wako.ac.jp/opac/opac_link/bibid/EB00002216

    ※電子ブックの利用方法については、図書・情報館ホームページをご覧ください。
    https://www.wako.ac.jp/library/search/link/book.html#pagelink01

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著者プロフィール

岸 政彦(きし・まさひこ):1967年生まれ。社会学者。京都大学大学院文学研究科教授。研究テーマは沖縄、生活史、社会調査方法論。著作に『同化と他者化』『街の人生』『断片的なものの社会学』『ビニール傘』『マンゴーと手榴弾』『図書室』『リリアン』、共著に『地元を生きる』『生活史論集』、編著に『東京の生活史』『沖縄の生活史』『大阪の生活史』『調査する人生』など多数。

「2025年 『沖縄社会論 周縁と暴力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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