カフカ素描集

  • みすず書房 (2023年10月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784622096061

作品紹介・あらすじ

〈カフカの遺品のうち、まさに素描のほとんどが含まれている部分が、何十年にもわたってまったく手の届かない状態に置かれていた。そのひと束の紙が、カフカの創作の最後の偉大な未知数であったと言っても、決して過言ではない。〉
――「前書き」より

チューリッヒの金庫に保管されていた160点余の素描。2019年、没後百年を目前にしてようやく姿をあらわした、もうひとりの、画家カフカ。実物大、オールカラーで収録。

・10年余におよぶ係争の末、2019年に公表され、世界的な話題となったカフカの素描群。その全てを初めて出版。
・全素描に加え、関連する資料図版・詳細な解説を付し、絵を描くことに熱を上げていた当時のカフカを浮かび上がらせる。
・ユダヤ文学研究者アンドレアス・キルヒャーによる詳細な学術的解説。
・哲学者ジュディス・バトラーによる独創的な論考。
・芸術家パーヴェル・シュミットによる全作品目録。

感想・レビュー・書評

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  • フランツ・カフカの“画集”が出版。100年の眠りから覚めたカフカの絵と文学の関係|ARTnews JAPAN(2022.06.16)
    https://artnewsjapan.com/article/268

    Franz Kafka: The Drawings
    https://shelf-bookshop.com/?pid=169643864

    カフカ素描集 | みすず書房
    https://www.msz.co.jp/book/detail/09606/

  • カフカが絵を描いていたんだ!という驚きで、読書室ポワロで手にとり。巻頭の素描集がカフカから友人ブロート、その秘書と遺族、イスラエルの博物館に渡る来歴と、素描集のみ読了。素描集はほんとうに描線がシンプルで、書簡や旅日記やスケッチの切れ端などに描かれたもので、個人的には本の表紙にも使われた人物像が印象に。また、ブロートのカフカ以上のよくぞここまでといった感じの収集欲には脱帽。その後の来歴も数奇。

  • 近年、コロナ禍で注目されたのは、『ペスト』のカミュだったか。いずれにせよ、20世紀を代表する不条理作家の双璧で、こちらは『変身』のカフカの素描画集。

    2023年12月、どの新聞の書評欄だか忘れたが、取り上げていたので、図書館で借りてみたもの。

    これまで、チューリッヒの金庫に保管されていた素描が160点もあったという。2019年、没後百年を目前にして、訴訟が決着し(権利関係かなにかだろう)、日の目をみたという。

    画家カフカを知る貴重な史料とのことだが、絵として眺める価値は然程見いだせなかった。
    画家が本業であったなら、まったく鳴かず飛ばすだったろう。作家カフカがあってこその素描画だろう。

    実物大でオールカラーだそうだ。鉛筆か万年筆で、モノクロで書かれており、カラーの意味もほとんどない。

    絵に魅力がないので、詳細な解説も読む気があまりしない。そもそも、作家カフカに対しても、それほど思い入れはなかった。

    ま、一芸(作家)として名を挙げれば、手遊びの芸のほうも、それなりに評価してもらえるという一例だろう。

  • ふむ

  • 『カフカ断片集』で挿絵に使われていたような抽象的なピクトグラムのような図もあれば、批評的なカトゥーンような群像もあり、自画像もある。というか、全部、自画像なんだろうな。
    あの、テキストを書き溜めていたカフカが、同時に、筆遊びなのか、こういう絵を描いていたのだと思いながら、しみじみと見ていく。
    出版に至った経緯もまたカフカ的だといえようか。この素描の発見を含み込んだ、カフカ画文全集決定版を、ぜひ刊行してほしい。

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著者プロフィール

高橋 文子(たかはし・あやこ)1976年2月18日生まれ、千葉県出身。青山学院大学卒。中学・高校はソフトテニスをプレー、大学から硬式テニスに転向した。フォア・バックともに両手打ちで、攻撃的かと言えばそうではなく、試合になるとバックハンドスライスしか打てなくなる”チキンプレーヤー”だった。現在は、エームサービス株式会社勤務。(公財)日本テニス協会強化サポート委員会委員として、テニス選手の栄養サポートを行なっている。

「2022年 『最新テニスの栄養学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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