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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784622097013
作品紹介・あらすじ
約3億年前に爬虫類の祖先と分かれたグループが、幾多の絶滅事件を乗り越えて私たちに至るまでの、途方もない歴史を描く書。
今、地球には約6000種の哺乳類が生息している。この動物たちは、哺乳類というグループが織りなしてきた豊かな系統樹のごくごく一部にすぎない。過去には、車のような大きさのアルマジロ、犬のような小ささのゾウ、マメジカのような華奢な四肢を持つクジラの祖先など、奇想天外な動物たちがいたことが化石記録から明らかになっている。
哺乳類の系統樹の枝は、小惑星の衝突や火山の噴火、気候の変動などに起因する絶滅事件により、大半が刈り込まれてしまった。しかし絶滅哺乳類が獲得した進化の遺産は、私たちの身体に確かに引き継がれている。たとえば、耳や顎の骨の形状、妊娠や乳児の成長の仕方、咀嚼を可能にした臼歯の形状や乳歯・永久歯のしくみは、私たちの祖先が3億年の間に一つ一つ獲得したものだ。
古生物学者たちは、世界中を探索し、化石記録やDNA解析を元に、絶滅の危機を辛くも耐え抜きついに繁栄を勝ちえた哺乳類の歩みを明らかにしてきた。本書はその発見と解明の興奮を追体験する書でもある。
図版多数収録。
みんなの感想まとめ
途方もない歴史を描く本書は、哺乳類の進化と絶滅のドラマを探求します。約3億年前に爬虫類の祖先から分かれた哺乳類が、小惑星の衝突や気候変動といった絶滅事件を乗り越え、どのように繁栄を遂げたのかを解説。ゾ...
感想・レビュー・書評
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先日、上野の科学博物館で「大絶滅展」をみてきた流れでこの本を読んでみた。地球史で5回起きた大絶滅=ビックファイブの最後、6600万年前の小惑星の衝突による恐竜絶滅後に哺乳類が栄えた、という一見単純な物語が、本書を読むと一気に複雑で立体的にとらえられる。しかも一人ひとりの研究者の物語も描かれており、とても読み応えがあった。
恐竜の全盛期、哺乳類は恐竜の巨体に押しつぶされるような環境の中でも、何千万年も途切れず進化し続けていた。夜行性、小ささ、地中や樹洞の利用、雑食や虫食、感覚器の発達、繁殖の速さといった生命戦略が積み重なり続けていた。こういう要素を体系立てて理解できるのはよい。
小惑星衝突による大量絶滅が訪れると、それまで劣勢だった系統が俄然有利になる。小ささ、雑食性、夜行性など恐竜時代では端役の特徴だったものが、世界が一変した途端、優位性に変わる。運命の皮肉ともいえ、生物の「強さ」とは本質的な属性ではなく、環境が与える評価に過ぎないのだなと感じる。
本書が面白いのは、哺乳類の進化を「成功物語」にしない点だ。森が広がると樹上性が伸び、草原が拡大すると走る者が伸びる。寒冷化が進めば脂肪や体毛の厚さが意味を持ち、逆に温暖化すると別の形質が伸びる。クジラやコウモリの話もこの文脈で描かれるので、ストンと落ちる。哺乳類の歴史とは、個々の努力ではなく地球規模の環境変動に押し流されながら形を変えていくプロセスだった。
当然ホモサピエンスの特性も哺乳類の広い文脈に埋め込まれている。ネアンデルタール人やデニソワ人との温血、育児、社会性、感覚器の発達なども哺乳類の長い歴史の中で形づくられた基盤の延長にある。極めて長い系統の流れがたまたまホモサピエンスのカタチに結晶したと考え、スケールは大きい!と感動した。
影もある。哺乳類全体としては繁栄したが、絶滅した種も膨大。絶滅種にとってはホモサピエンス勃興が「小惑星」という表現はなるほどと思う。ホモサピエンスが広がって以降、哺乳類の絶滅速度は自然背景の 20倍以上 に加速しすでに 350種以上が絶滅したという。今後も続けば2100年までに哺乳類の10%が姿を消し、将来の地球ではサイなどは減り家畜のウシが最大の陸生哺乳類になり、哺乳類群集は同質化し、齧歯類と家畜中心になる可能性に言及する。それはちょっと怖いかも。
著者は現在の危機はまだビッグファイブの破局的規模には達していないとするが、放置すれば「第6の大量絶滅」に匹敵しうると警告する。人類が哺乳類の多様性を急速に奪っているいま、過去の繁栄を生んだ柔軟さと適応力をどう受け継いでいくのか考えるきっかけにもなる。
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人類史をなんらかのトピックでもってひとまとめにするビッグヒストリー系の本とは違く、「哺乳類」という観点から進化史をたどっていく体裁となっている点が本書の売りにしておすすめポイント。
哺乳類が登場したおよそ3億年前からはじまり、爬虫類からどのように進化してきたのか、その間に起こった気候や大陸間の変動について、恐竜と哺乳類の関係性と違い、などなど、進化史にまつわる様々な話題をわかりやすく通史としてまとめている。
書かれていることの多くが最新研究で解き明かされたことであり、そもそも動物について知らないことばかりだったため興味をそそられる記述が多くあった。例えば、【極端な哺乳類たち】の章では身体の一部や全体が極端に大きくなった動物たちの生態が説明されている。クジラが哺乳類なのはいいとして、ではどういった種類の哺乳類なのか?というか陸棲哺乳類からいかにして進化してきたのか?というのは言われてみればかなり謎な話で興味津々。読みながらクジラに対する著者の愛着が感じられ、自分自身もクジラが好きになっていく楽しさがあった。ちなみに、ダーウィンは『種の起源』の中でクジラの事を、「クマこそが祖先かもしれない」と推測していたらしく、後で「そんなわけ無いか……」と思い直して当該の部分を削除していたそう。クマからクジラは流石に無いよねえ。でもこういった進化史にまつわるトリビアが知れるのも本書の面白い部分だろう。
【哺乳類と気候変動】の章ではウマに関する記述が中心となっている。なんでも、草が進化したのは地球史全体で見れば最近のことらしく、ようやく登場したのは白亜紀(恐竜たちの時代に陰りが見え始め、しかし哺乳類はいまだひっそりと暮らしていた頃)あたりからとのこと。初期の草はいまの草とは違く、食用には適さないものが多数あったようで、そこから気候や土地やそこで生きる生き物たちに適応することで、大陸をまたいで繁殖し、新たな生態系となっていったみたい。さらにそこで足並みをそろえるように数を増やしていったのがウマであり……といった具合に環境の変化と哺乳類の進化がどのように進んでいったのかをひとつの叙事詩のようなかたちで提示しており、科学系の読み物というよりも、物語を楽しむ感覚で通読できた。
その他にも、「ティラコレオ(フクロライオン)」という樹上まで登ってくる凶暴なライオンのような生き物の話があったり、絶滅動物の中でも代表的なマンモスの話があったり、『恐竜の世界史』の著者だけあってか、大きくて強い生き物の記述に関しては特に熱がこもっているように感じられて楽しい。最後は「人」という哺乳類について書かれているが、あくまで哺乳類の進化史におけるひとつの過程、といった感じで必要以上に特別視をしておらず、そのフラットさがまた良かった。
やはり今回の本も文章の方が多めなのだが、動物の挿絵や骨格の写真は『恐竜の世界史』よりも若干増えているので、姿かたちは前作よりも想像しやすいと思う。
動物史、面白いな……。 -
小惑星の衝突により恐竜が滅びたニッチに、哺乳類が進出し今に至るまでの興隆
ゾウ、コウモリ、クジラへと、またはホモ・サピ エンスへと進化したもの。いや、滅びたもの。
途方もなく壮大なロマン、、 -
面白い。
化石掘り苦労話→特定の哺乳類主観話→解説
を繰り返す構成。化石掘り苦労話は退屈。あと絵が欲しい。 -
佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD07898162 -
すごいぞー。楽しかった。
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大型哺乳類メガファウナをメインに地球時間軸でみた変遷を一気に頭に突っ込んだ感じ。恐竜ものにも共通する化石調査は興味深い。
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●なかなか読むのが大変だった。タイトルどおり、哺乳類がいかに発展していったかを解説した本。
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哺乳類が恐竜の陰に隠れて夜行性の小さな生物としてスタート、恐竜絶滅の後生存領域を広げてあらゆるところに住み、巨大化していったが、それが人間によってまた絶滅の危機にさらされている。
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