アンチ・アンチエイジングの思想 ボーヴォワール『老い』を読む

  • みすず書房 (2025年4月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784622097303

作品紹介・あらすじ

老いには誰も抗えない。それなのに、私たちはなぜ老いを恐れるのだろう。平均寿命が延び、老人としての生が長くなったことで、誰もが老いに直面すると同時に不安も高まっている。
自分が老いたことを認めたくないのは、社会が老いを認めないからだ。それを惨めにしているのは文明のほうなのだ。「老いは文明のスキャンダルである」――この言葉に導かれて、ボーヴォワール『老い』への探究がはじまる。
さらに日本の介護の現場を考察し、ボーヴォワールのみた景色の先へと進む。認知症への恐怖、ピンピンコロリという理想、安楽死という死の権利。その裏側にある老いへの否定から見えてくるのは、弱いまま尊厳をもって生ききるための思想がぜひとも必要だということだ。
ひとが最後の最後まで人間らしく生きるには、徹底的な社会の変革が必要なのだ。老いて弱くなることを否定する「アンチエイジング」にアンチをとなえ、老い衰え、自立を失った人間が生きる社会を構想する。

みんなの感想まとめ

老いというテーマに真摯に向き合い、私たちが直面する不安や認識を深く掘り下げた内容が展開されている。老いに対する社会の偏見や恐怖を考察し、ボーヴォワールの視点を通じて、過去と現在の高齢者の扱いの変遷を見...

感想・レビュー・書評

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  • 終了した催し
    上野 千鶴子氏講演「アンチ・アンチエイジングの思想」 | 慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)
    https://www.keiomcc.com/magazine/sekigaku241/

    フィルムアート社 | 映画・アート・人文の出版社 | 『アンチ・アンチエイジングの思想 ボーヴォワール『老い』を読む』 上野千鶴子 みすず書房 老いには誰も抗えない。それなのに、私たちはなぜ老いを恐れるのだろう。平均寿命が延び、老人としての生が長くなったことで、誰もが老いに直面すると同時に不安も高まっている。... | Instagram
    https://www.instagram.com/filmartsha/p/DIEGlKgPgSI/

    『アンチ・アンチエイジングの思想』ためし読み | WEBみすず 2025年4月14日
    https://magazine.msz.co.jp/new/09730/

    上野研究室 | ウィメンズアクションネットワーク Women's Action Network
    https://wan.or.jp/ueno

    アンチ・アンチエイジングの思想 | ボーヴォワール『老い』を読む | みすず書房
    https://www.msz.co.jp/book/detail/09730/
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    (Marcieさん)marcie's booksの本棚から

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    限りある命を相応に生きてこそ、、、無駄に若くあり続けたら若い人達に申し訳ないくないかい?ᓚᘏᗢ

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      女の本屋 > わたしのイチオシ > 【転載】書評『アンチ・アンチエイジングの思想』ほか   ◆二木 立 (日本福祉大学名誉教授) | ウィメ...
      女の本屋 > わたしのイチオシ > 【転載】書評『アンチ・アンチエイジングの思想』ほか   ◆二木 立 (日本福祉大学名誉教授) | ウィメンズアクションネットワーク Women's Action Network 2025.06.11
      https://wan.or.jp/article/show/11941
      2025/06/14
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆依存的な存在として生ききる[評]武田砂鉄(ライター)
      <書評>『アンチ・アンチエイジングの思想 ボーヴォワール『老い』を読む』上野千鶴子...
      ◆依存的な存在として生ききる[評]武田砂鉄(ライター)
      <書評>『アンチ・アンチエイジングの思想 ボーヴォワール『老い』を読む』上野千鶴子 著:東京新聞デジタル 2025年6月22日 有料会員限定記事
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/413231?rct=book
      2025/06/23
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ■先人とともに老いと向き合う 〔評〕小川公代(上智大教授)
      <書評>「アンチ・アンチエイジングの思想」上野千鶴子著:北海道新聞デジタル 20...
      ■先人とともに老いと向き合う 〔評〕小川公代(上智大教授)
      <書評>「アンチ・アンチエイジングの思想」上野千鶴子著:北海道新聞デジタル 2025年7月20日
      https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1187122/
      2025/07/23
  • サルトルとボーヴォワールの意図的な三角関係(「なんとかプレイ」とか名前が付きそうなやつ)の話がえげつなくて、本題の老いについてのあれこれが自分の中からふっとんでしまったきらいがある。が、歴史のなかで高齢者がどのように扱われてきたかを俯瞰できたのはよかった。現役世代にとって高齢者が「他者」であるという説明には納得。そうでなかったら近年のネット上の大っぴらな高齢者叩きは理解できない。

    ただ、無惨な過去を突きつけられはするものの、マクロでみればましになってきていると思う。老人に対する嫌悪を隠すべきという建前はエラスムスの時代よりはあるし、介護保険制度はできたし、当事者からの発信も前よりはあるし。あと20年したらさらにくよくよせずに老いることができるようになるんじゃないだろうか。

    なぜそう思ったかというと、本書で挙げられている具体例が、団塊の世代にとってはリアルだろうが、団塊ジュニア世代の自分には少々昔話だったから(ボーヴォワールの『老い』が1972年、著者が参照している老人の調査もおおむね昭和期のもの)。伝統的な家の仕組みがどんどんほどけていくなかで、さらに多くの人たちがあっさりと介護を外注せざるを得なくなるだろうし、「迷惑をかけちゃう」「親兄弟は大事だけど自分の人生がなくなる」と苦しむくらいなら、外注したらいいと思う。公的介護サービスのリソースやコストを考慮に入れていない、大雑把で楽観的な考えだけど。

    死ぬ時期を自分で決めていいかどうかについては、「生きていることに遠慮しないでいられる環境下において」という超絶難しい条件をつけて、さてどうでしょう、というところ。24時間どこかがとても痛いとか息ができないとかいう状況で、家族が悲しむから生き続けるというのもしっくりこない。ただし、貯金が尽きたから死にたいと思わないですむ日本にはなってほしい。そうなれば、安心して使い果たせるし。

  • 老いには誰も抗えない。それなのに、私たちはなぜ老いを恐れるのだろう。
    自分が老いたことを認めたくないのは、社会が老いを認めないからだ。
    それを惨めにしているのは文明のほうなのだ。
    「老いは文明のスキャンダルである」
    ――この言葉に導かれて、ボーヴォワール『老い』への探究がはじまる。

    ボーヴォワールにしても、上野千鶴子さんにしても、
    「女性」をテーマに闘ってきた、というイメージはあったが、
    老い にも着目していた。
    もちろん、「女性の老い」と「男性の老い」の位置づけの違いにも着目しているが。

    でもまず「老い」である。
    確かになあ、、老いを受け入れる、歓迎する社会だったら、
    アンチエイジングなんて言葉は生まれなかったかもしれない。
    私自身も内臓関係の衰えを感じながら、マラソンを通じて、
    過去の自分と闘っている。老いたくはない。

    その発想自身どうなのよ、ってところだろう。ボーヴォワールも千鶴子さんも。
    耄碌、認知症、、、どうしたって最後の何年間は世話をかけざるを得ない。
    かけたっていいじゃないか、と。

    ただねえ、、、
    今の若い人は自分が生きるのに精いっぱいで子供も持てない。
    そんな中で年寄の面倒まで見ろというのは無理筋って気はするんだよなあ。
    野生の動物だって、生き延びるために老いたもの、病に倒れたものは置いていく。
    それが自然の摂理なんじゃないかなあ。
    いや人間はもっと高尚な生き物だ、といいたいところだが、
    現状の日本の出生率はそれが困難なことを示している。

    そこに輪をかけて年寄りが「選択的夫婦別姓は家族を壊す!」などとのたまう。
    同姓だって壊れている家はたくさんあるし、
    別姓を認めないから家族になれないカップルも少なからずいるんだけどねえ。

    話がだいぶそれてしまった。
    老いを語るのは難しい。
    男女の老いの差を語るのは大いに語りたいね。
    生殖能力、性欲、、、

    第1章 老いは文明のスキャンダルである
    第2章 文化の中の老い
    第3章 歴史の中の老い
    第4章 近代化の中の老い
    第5章 「生きられた経験」としての老い
    第6章 知識人の老い
    第7章 老いと性
    第8章 女性の老い
    第9章 高齢者福祉の起源
    第10章 ボケ老人へ向ける眼
    第11章 アンチ・エイジズム
    第12章 三つの死
    第13章 「死の自己決定」はあるか
    第14章 ボーヴォワールの「宿題」
    第15章 「自立神話」を超えて

    引用・参照文献
    ボーヴォワール略年譜
    あとがき

  • とても興味深く読んだ。
    p265 名郷医師は「上り坂のケア」と「下り坂のケア」を比較する。
    「乳児に意識があるとして、おむつ替えに罪悪感を抱くことがあるだろうか。あるいは、おむつを交換してもらっている乳児を見て、乳児が罪悪感を持つべきだと考える大人がいるだろうか。」
    この想像力にまず驚く。そして乳児のケアを「上り坂のケア」、高齢者のケアを「下り坂のケア」と区別して、「上り坂のケア」に罪悪感がなく、「下り坂のケア」に罪悪感があるとしたら、それはケアに対する罪悪感ではなく、下ることに対する罪悪感だと考えるのが妥当だろう」と指摘する。
    「しかし、このくだりは万人にとって共通のものである。老いることは下ることである。すべての人に共通する下りに、罪悪感を抱く必要はない。みんな無用の罪悪感を抱かされているのだ。」
    「なぜこのような無用の罪悪感を抱くことになる」かの理由は、「年老いても健康でなくてはならない、自立していなければならないという社会の圧力がある」からだと名郷医師はいう。「自己決定できない者は生存する価値がないという優勢思想」もこれを後押しする。したがって「自立」へと成長しない、できない、障がいを持った子供たちへのケアも、社会から迷惑がられる。

    ほんとそうだなと。
    誰だって老いるのにね。とはもちろん思う。思うけれど、乳児には未来(死ぬまでの長い時間)があって、何よりもピカピカで可愛い。そこが老い先短く古びた身体の下り坂のケアとはどうしたって違うところなのだよね。難しい。

    わたしがはっとしたのは次の部分。
    p268「大井医師は認知症高齢者を「精神疾患を持つ患者」とか「理解不可能な訳のわからない精神状態にある病者」と見なすのではなく、「老化に伴う認知と生活障害」を持つ「普通の人」と解釈することを提唱する。したがって認知症高齢者に必要なのは、治療ではなく「その人の認知能力と身体能力に応じた適切なケア、すなわち生活支援」であるとする。それによって、このひとびとも最期までひとりの「生活者」として過ごすことが可能になる。わたしたちに必要なのは、「認知症を治療する社会」ではなく、「認知症と共に暮らせる社会」なのである。」

    2,3年前だったかな、親しい友人だと思っていた人と会って話していて、わたしが認知症の母のことを「精神疾患のある人が家族にいると大変よね」と言ったとき、「精神疾患に対して偏見があるわけじゃないけど、お母さんに対してそういう言い方はないと思うよ」とかなり強い調子で言って、わたしは驚いてしまった。
    えええ…と思って、当時わたしは本当に大変な思いをしていて彼女も同じく認知症母がいて、わかりあえると思って何気なく発しただけだった。彼女は立腹し、その後少し口論のような感じになり(それまでもちろん喧嘩などしたことなかった)、わたしは悲しくて悔しくて泣きながら家路につき、以来ぱったり、メールをしても返事が返ってこなくなった。何がどんなに彼女を怒らせたのかと以来ずっと考えてきたけど、ここに答えのようなものを見つけた。

    彼女はきっと、認知症の母親を、精神疾患ではなく「老化に伴う認知と生活障害」を持つ「普通の人」として見るべきだと強く思っていたに違いない。そこにわたしの上記発言。我慢ならなかったのだろう。連絡を絶つほどに…
    それがわかっただけでも読んだ甲斐のある本だった。

  • ボーヴォワールの「老い」を今の
    上野先生の頭で読む
    いつか忘れたが若い頃に読んだ「老い」
    人間は老いて死ぬ
    そんなことを考えて読んだな
    体力も知力も減退した時どう生きるか

    上野先生の分析は素晴らしい
    そしてボーヴォワールの時代とは
    福祉も高齢者も変わった

    しかし終末期の医療が死ぬことを強いる あるいは生きることを強いる場合もあるという考えには はっとさせられた

    結論としてどんな状況にあろうと
    生きることの大切さだった

  • 出版社(みすず書房)のページ
    https://www.msz.co.jp/book/detail/09730/
    紹介、目次、著訳者略歴

  • 静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓

    https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=OJV%2FuOY9b0xbLcoIP5uL9A%3D%3D

  • 老いについて深く考察してある。
    誰もが経験するのに語られてこなかったあれこれを
    正面から書いてある。思ったより読みやすい。
    自分が出来ていたことが出来なくなっていく自信喪失。認知症。死について。それらをいろんな方面からみている。
    今までそれらに対して抱いていたぼんやりイメージするだけだったものがちょっと分かった気になる。実際に経験してみないと本当にはわからないだろうがいろいろ考えさせられた。

  • 13章は下手なホラーより怖い

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/581618

  • 健康診断のリストを見て若い人に「年齢がばれるから嫌ですね」と言われました(年齢によって検査項目が増えるから)。当たり障りなくかわすためには「ね、ほんと嫌だー」というようなことをひとこと言っておくと良いみたい。「(その年齢に)見えないから大丈夫ですよ」というフォローにはとりあえず自分を下げ気味に表現しておきます。挨拶みたいなものだから、こちらも世渡り的に必要な範囲のリアクションを返します。しかしエイジズムについて学んだ経験を無視できないし、サラッとかわすにしても少しだけ労力が要る。というわけで読み始めた本。

    「わたしたちは「若い(あるいは年齢より若く見える)ことが価値であるような社会に住んでいる。若い者ももはや若くない者も、その価値を内面化している。だからこそ「お若いですね」が高齢者に対する「ほめ言葉」になり、高齢者もそれを嬉しがる。」


    人は老いるもの、衰えるもの。医療や公衆衛生などが発展し長寿を手に入れた社会で、長寿を憂うしかないのか?生産的でなくても、生きているだけでいいじゃないか、という後半の部分は上野千鶴子氏のよく話されている内容で、頭の中で拍手しながら読んでました。

    第8章ではサルトルとボーヴォワールの恋愛関係、三角関係やそれをモデルとした小説の解説があって、話題のyoutuberのオープンマリッジを連想。笑

    【第8章:女性の老い】

  • 良い本!

  • ふむ

  • 【本学OPACへのリンク☟】

    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/731469

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著者プロフィール

社会学者。東京大学名誉教授。1948年、富山県生まれ。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。女性学、ジェンダー研究のパイオニア。現在は高齢者の介護とケアの問題についても研究している。京都大学大学院修了後、平安女学院短期大学助教授、京都精華大学助教授、メキシコ大学院大学客員教授、コロンビア大学客員教授などを歴任。1994年、『近代家族の成立と終焉』(岩波書店)でサントリー学芸賞受賞。著書に、『家父長制と資本制』(岩波現代文庫)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『女の子はどう生きるか』(岩波ジュニア新書)、『アンチ・アンチエイジングの思想』(みすず書房)など多数。

「2026年 『新版 女の本屋の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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