競争なきアメリカ 自由市場を再起動する経済学

  • みすず書房 (2025年3月19日発売)
3.95
  • (6)
  • (8)
  • (4)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 180
感想 : 19
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784622097549

作品紹介・あらすじ

アメリカでのブロードバンド平均月額料金は66.17ドル。対してドイツでは35.71ドル、フランスでは38.10ドル支払えば、同等のサービスが利用できる(2017年)。熾烈な価格競争が行なわれるはずの自由市場の国アメリカでは、ヨーロッパの人々の2倍近くを払わないとインターネットを利用できない。
本書によると、これは通信業界だけの問題ではない。競争が減少し、一握りの企業への集中が高まったことで、様々な物・サービスの市場で価格が上昇しているという。その背景には企業の政治家へのロビー活動や選挙資金提供で歪められた政策があると著者は喝破する。カネと政治の結合が歪めたのは価格だけではない。投資、生産性、経済成長、賃金が低調になり、格差が拡大した。Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftといった21世紀のテック系スターは、GE、GMといった過去のスター企業を上回るほど経済に貢献してはいない。ニューヨーク大学スターン経営大学院でマクロ経済とファイナンスを専攻する経済学者が、データを徹底的に活用して説く。「21世紀の資本主義を理解するための必読書」(ガブリエル・ズックマン。カリフォルニア大学バークレー校経済学部)。

みんなの感想まとめ

アメリカの自由市場が抱える深刻な問題を解明する一冊で、特に通信料金の高さを例に取り、競争の減少と独占化がもたらす影響を詳述しています。著者は、企業のロビー活動や選挙資金提供が政策を歪め、結果として市場...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • <BOOK REVIEW>『競争なきアメリカ 自由市場を再起動する経済学』 - 週刊BCN+ 2025/05/02
    https://www.weeklybcn.com/journal/column/detail/20250502_209632.html

    活性化生まない産業集中 評・櫻川昌哉(経済学者・慶応大名誉教授)
    『競争なきアメリカ 自由市場を再起動する経済学』トマ・フィリポン著 : 読売新聞 2025/05/02
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/reviews/20250428-OYT8T50056/

    ◆権力にすり寄る新産業の実態[評]中北徹(東洋大名誉教授)
    <書評>『競争なきアメリカ 自由市場を再起動する経済学』トマ・フィリポン 著:東京新聞デジタル 2025年5月11日 有料会員限定記事
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/403901?rct=book

    NYU Stern - Thomas Philippon - Max L. Heine Professor of Finance
    https://www.stern.nyu.edu/faculty/bio/thomas-philippon

    競争なきアメリカ | 自由市場を再起動する経済学 | みすず書房
    https://www.msz.co.jp/book/detail/09754/

  • 米国のブロードバンド回線料金は欧州などに比べてかなり高額らしい。米国が月額平均66米ドルなのに対して欧州の平均は35米ドル。

    自由市場なはずの米国の各種サービス料金は、どんな業界でも高い。この理由を解き明かそうという一冊。

    本書の主張としては、市場競争の減少と独占化の進行、勝者総取りの無形資産の影響拡大に原因があり、どちらも大企業によるロビイ活動や選挙資金提供の影響が大きいという。

    米国での大企業ロビイ活動が特に熱心な業界は、IT、ヘルスケア、製造業、金融などであり、どれも高額所得企業ばかりだ。
    反トラスト法が実質的に機能せず、新規参入障壁が高くなり費用の高止まりにつながっていそう。
    こういうところに格差拡大の芽があるのかな。

    平均利益成長率が低下傾向なのは、利益を設備投資や給与にまわさず、自社株買いにばかり投じているのも一因か。

  • 【書誌情報】
    『競争なきアメリカ――自由市場を再起動する経済学』
    原題:THE GREAT REVERSAL: How America Gave Up on Free Markets
    著者:Thomas Philippon
    訳者:川添節子
    判型 四六判
    頁数 416頁
    定価 4,950円 (本体:4,500円)
    ISBN 978-4-622-09754-9
    Cコード C1033
    発行日 2025年3月17日

     カネと政治の結合が歪めたのは価格だけではない。投資、生産性、経済成長、賃金が低調になり、格差が拡大した。Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftといった21世紀のテック系スターは、GE、GMといった過去のスター企業を上回るほど経済に貢献してはいない。ニューヨーク大学スターン経営大学院でマクロ経済とファイナンスを専攻する経済学者が、データを徹底的に活用して説く。
    https://www.msz.co.jp/book/detail/09754/

    【目次】
    はじめに

    序論

      I アメリカにおける市場支配力の高まり
    1 経済学者はなぜ競争が好きなのか……なぜあなたもそうあるべきなのか
    2 悪い集中、良い集中
    3 市場支配力の増加
    4 投資と生産性の低下
    5 自由参入の失敗

      II ヨーロッパの状況
    6 一方、ヨーロッパではどうか
    7 アメリカの物価は高すぎるのか
    8 ヨーロッパ市場はどのように自由化したのか

      III 政治経済学
    9 ロビー活動
    10 カネと政治

     IV いくつかの産業を掘り下げる
    11 バンカーの報酬はなぜ高いのか
    12 アメリカの医療──自ら招いた禍
    13 星を見上げて──トップ企業は本当に違うのか
    14 規制すべきか否か、それが問題だ
    15 買い手独占力と格差

    結論

    補足資料/用語集/謝辞
    参考文献/索引

  • 少数の大企業が市場で価格を好きに決めることができる環境だと、競争がないせいで商品開発ではなく現状を維持する目的でロビー活動に力を入れてしまい市場全体に悪影響がでる。大して対策していないヨーロッパのほうがアメリカよりもマシとのこと。

  • 仮説を数字とロジックで説明するという、非常に理解しやすい基本に沿った構成で、それぞれの数字も理解がそこそこしやすいもので勉強になりました。算出方法を精度高く理解するのは私の頭では無理でしたが、どんな数字をベースに、どんな意味合いの数字を指標にしているか、位はわかる感じ。

  • 新聞の書評に載っていたことから、年末年始の読書にと読み始めた。
    経済成長は健全な競争に基づくという説を前提に、米国市場がいかにして歪みを持つようになったかを豊富なデータをもとに解説した経済学の本。
    興味深く読めたが年末年始に読むものではない。

  • データとグラフ満載の専門書。ハッキリ言って一般人向けではない。

  • 原書を4-5年前に読んだが、良い本だった記憶があり、翻訳が出て再読した。米国から競争がなくなってきている、主な理由はロビー活動である、欧州はかつての米国から学び、またEUの仕組みとしてロビー活動が機能しにくいこともあり、むしろ米国より競争的な市場を築きつつある、競争は厚生を向上させている、というストーリーは、説得力があり、また欧・米の比較について新鮮でもあった。EUについて官僚的云々と良くない話も良く聞くが、可能性を感じさせてもらえた。良い意味で経済学的に理路整然とした議論であり、訳もとても良い。

  • 【本学OPACへのリンク☟】

    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/731583

  • 今なお世界経済をけん引するアメリカ。
    自由市場で起業家精神にあふれ、日本のように停滞しておらず、
    GAFAMを筆頭にどんどん新しい発明があり、発展する経済大国。
    総サラリーマン化した日本とは違う、夢の国。

    と思っていたらこのタイトル。
    読み進めるにつれ、今やアメリカのネット料金はヨーロッパよりはるかに高い。
    医療費に至っては最悪、、、

    そしてその原因は競争がないから。
    さらにそうなる原因はロビイスト。。。

    日本も企業献金だの天下りだの補助金だのが問題と思っていたら、
    アメリカはそのスケールも大きい。これに加えて選挙のための献金。
    使う金額も比べ物にならない。

    ダメじゃん、アメリカ。
    途中まで読んで思い出したのは、

    松嶋×町山 未公開映画を観るTV

    東京MXでやってた。町山智浩さんが、未公開映画からアメリカの闇を暴いていた。
    ウォルマートの回が印象的だった。
    小規模店舗や消費者のことなど考えず、自らの利益の極大化だけのために動く大企業
    って図式だった。(ほかのねたもたくさんあったけど)

    GAFAMがろくに税金も払わずデカくなっているのも、
    経営者がプライベートジェットに乗っているのも、
    アメリカなのだ。
    最近は日本もそのまねをして、
    日産を滅ぼす直前まで放っておいた前社長が報酬を6億円もらってたり、
    一部の奴だけが美味しい思いをして、庶民がどんどん干上がっていく。

    私が書くと情緒的、というか、感情的だが、
    この本は、これらをデータを基にエビデンスをもって実証している。

    やはり日本はアメリカの真似をしてはだめだ。
    まして今のトランプに追従していってもろくなことはない。
    自分で考えにゃ。

    はじめに
    序論

    I アメリカにおける市場支配力の高まり
    1 経済学者はなぜ競争が好きなのか……なぜあなたもそうあるべきなのか
    2 悪い集中、良い集中
    3 市場支配力の増加
    4 投資と生産性の低下
    5 自由参入の失敗

    II ヨーロッパの状況
    6 一方、ヨーロッパではどうか
    7 アメリカの物価は高すぎるのか
    8 ヨーロッパ市場はどのように自由化したのか

    III 政治経済学
    9 ロビー活動
    10 カネと政治

    IV いくつかの産業を掘り下げる
    11 バンカーの報酬はなぜ高いのか
    12 アメリカの医療──自ら招いた禍
    13 星を見上げて──トップ企業は本当に違うのか
    14 規制すべきか否か、それが問題だ
    15 買い手独占力と格差

    結論

    補足資料/用語集/謝辞
    参考文献/索引

  • 欧州と米国は近くもあり対極でもあることがわかる

  • 東2法経図・6F開架:332.53A/P54k//K

全14件中 1 - 14件を表示

この本が好きな人におすすめの本

トマ・フィリポンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×