普通のドイツ人とホロコ-スト: ヒトラ-の自発的死刑執行人たち (MINERVA西洋史ライブラリー 75)

  • ミネルヴァ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (631ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623039340

作品紹介・あらすじ

1990年代中頃に「ゴールドハーゲン論争」を巻き起こし、ドイツ歴史学界の激しい批判を浴びつつも、ベストセラーとなったホロコーストに関する問題書の全訳。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツは「アウシュヴィッツ絶滅収容所」に象徴されるように、ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅をめざして、組織的に差別・迫害・殺害の限りを尽くした。本書では、ユダヤ人大量虐殺の現場、これを遂行した「普通のドイツ人」の動機や心情など、学術的史書では後景に隠されがちな情景が、重苦しいばかりの記述となって再現されている。本書を「逸脱の書」と評するか、「告発の書」はたまた「警醒の書」と見るか、いまなお論議は終わっていない。

感想・レビュー・書評

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  • 朝日新聞掲載2019629

  • ユダヤ人を殺戮した人々の圧倒的多くは、これは最も重要なことであるがドイツ時だった。他の民族集団の成員も、ユダヤ人の殺戮に際してドイツ人を手助けしたが、ホロコーストの遂行はまずもってドイツ人によってなされたのである。ドイツ人がヨーロッパの幇助者を乱さなかったならば、ホロコーストはどこか異なった展開をしていただろうし、またドイツ人にはこんなに多くのユダヤ人を殺すことには成功してはいなかっただろう。ホロコーストは、ドイツ人による企てであり、決定、計画、組織的な供給源、そしてその実行者の大多数はドイツ人なのである。それゆえにホロコーストという悪事を理解し説明することは、ユダヤ人を殺すことへのドイツ人の衝動についての説明を求めることになる 。

  • 反ユダヤ主義、それはナチスだけ狂気ではない。歴史学者から痛烈な批判を浴びたこの結論は、強大な論争を巻き起こし、結果、歴史学への新たな門戸を開いた。タブーへの問いのきっかけとなった。クリストファー・ブラウニングの著作と合わせて読みたい。
                                         ボランティアK

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