知と学びのヨーロッパ史 人文学・人文主義の歴史的展開 (MINERVA西洋史ライブラリー 73)

  • ミネルヴァ書房 (2007年3月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784623048472

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  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000133732

  • 本書は、ヨーロッパが蓄積してきた人文学の歴史と伝統を概観し、それをどのように教育・研究してきたのかを明らかにしている。これは、今日の教養教育を考える上で、大切なことと信じている。

    商人と人文学とは、関係が薄いという先入観を持っていたが、本書によりそれは修正された。フランスをはじめとするヨーロッパで、絶対主義体制の維持を目的に、国富増大のための「重商主義」がとられた。ここで重要な役割を果たした、いわば特権的な商人は、子息を育成するために、読み書きそろばん、丁稚奉公、複式簿記、為替手形の実務を学んでいく必要性があった。加えて社会的上昇を目的としてコレージュに通わせ修辞学を学んだ。教養のある商人は、好みによった文化活動を行っていった。エリート商人は、ミュゼ・ド・ボルドーを設置にかかわり、語学・人文学・自然科学教育・演劇・音楽の教養を身に付けた。それは貴族や官僚とは異なった世界だったという。結果的に、教養を身に付けた商人は、知識人と交流し政治にも加わっていくことになったという。


    後学のために目次を引用しておく。

    序 人文学と人文主義のヨーロッパ史(南川高志)  

    一 人文学と人文主義のダイナミズム 1 大帝国統治と教養(井上文則) 2 実業家と教養(君塚弘恭) 3 学びを支える社会と力(金澤周作)  

    二 人文学と人文主義のリアリティ 4 古典の復興と人文主義のリアリティ(藤井 崇) 5 人文主義と宗教改革(藤井真生) 6 歴史叙述とアイデンティティ(服部良久) 7 啓蒙主義と人文学(佐々木博光) 8 人文学の受容とその葛藤(橋本伸也)  

    三 教育の発展と人文学の行方 9 専門と教養(川添信介) 10 宗派化と大学の変容(小山 哲) 11 古典人文学の伝統と教育改革(上垣 豊) 12 近代の大学改革と人文学の位置(安原義仁)

    結 人文学の未来のために(南川高志)

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著者プロフィール

京都大学大学院文学研究科教授
1955年 三重県生まれ
1984年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学
    京都大学博士(文学)
1996年 京都大学助手、大阪外国語大学助教授、京都大学文学部助教授、教授を経て現職
主な著訳書
『ローマ皇帝とその時代』(創文社)
『ローマ五賢帝』(講談社学術文庫)
『海のかなたのローマ帝国』(岩波書店)
アエリウス・スパルティアヌス他『ローマ皇帝群像1、2』(2は共訳、京都大学学術出版会)
『人文学への接近法──西洋史を学ぶ』(共編、京都大学学術出版会)
『新・ローマ帝国衰亡史』(岩波新書)

「2014年 『ローマ皇帝群像4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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