実証政治学構築への道 (シリーズ「自伝」my life my world)

  • ミネルヴァ書房 (2011年7月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784623060887

感想・レビュー・書評

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  • 私も猪口さんのように多読で執筆多数になりたい。

    岩波文庫の社会学系の本を外国語で読破する。
    街区国語で社会科学の古典を読破する。
    地球的視野から政治、経済、社会学、歴史学、哲学などを総嘗めする。
    外国の大学や研究機関え何が良いかというと、自分の考えていることが批判的な目にさらされること。
    日本社会では学術研究で文科系、理科系を分け、血液型と関連させたりする愚かな考えもあるが、実証主義でいく限り、文科系も理科系もない。
    日本では日本向けに執筆していないと競争的研究資金獲得競争で勝ち残れない。
    読書量、執筆量でそこから生まれる考えの展開は豊富になるし、同時に逆説的に鋭角的なものも多くできる言語に対する忌避感の欠如は様々な考え方を開放的にする。
    日常の情報分析生活で、国際政治学は必ずしも国内社会で使われるメディアではあまり登場しない。
    そのため、英語や海外のメディアをふだんから見ることが望まれる。そういうものを日頃から見ている中で、問題意識も鋭くなり、深見のあるものになる。

    論文執筆の要点
    1.何が問題であるか明らかにする。なぜ問題にするのか、なぜ問題にしようとする問題が重要であるかを考える。
    2.そのような問題に対する取組の今までの実績を明らかにする。誰がどのような角度からどのような資料、データを参照して、どのような討論をしているかを要約する。
    3.概念枠組みのどのような視点と概念で分析するか、ということがどのように問題を料理するかにあたる
    4.分析の本体。論理の展開の順序を間違えずに、分析や議論を進めることが重要。順序を間違えるとすぐにわからなくなる。
    5.反省。
    6.結論

    国際政治は圧倒的に英語の世界。とりわけ政府文書を読む速度と正確度がある程度を超えるくらいでないと、狭い事件や時代をカバーするだけになってしまう。

    情報分析生活の中で重要なのは、研究を企画、実行すること。
    国際政治学は入りやすく、出にくい。出にくいのは、ちょっとした観察から、概念的にしっかりとした仮説を立てて、それを経験的なデータで実証できるか、反証できるかまでもっていく、そのうえで、最初のちょっとした観察を学術的にもある程度しっかりとした論文へと持っていかなければならないから。

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著者プロフィール

1944年、新潟県生まれ。政治学博士(M.I.T.)。東京大学名誉教授。前新潟県立大学学長兼理事長。元国連大学上級副学長。現桜美林大学特別招聘教授。著書・論文多数。

「2021年 『実力大学をどう創るか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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