有島武郎: 世間に対して真剣勝負をし続けて (ミネルヴァ日本評伝選)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623066988

感想・レビュー・書評

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  • 有島武郎の評伝。主にアメリカ留学に焦点が当てられる。

    ホイットマン受容の重視、『或る女』を一世一代の傑作(「本格小説」)とする捉え方、その後の創作意欲減退期にはかなり急ぎ足で飛ばしていく、というこのあたりの関心の持ち方は比較文学者らしいなあと思った。

    共産主義思想はまだ若干触れるものの、アナーキズム周辺への目配りがほぼ皆無。作家をトータルに捉えていないと言えなくはないんだが、これはこれでいっそ潔いかも。

    さらに言うと、結構作家を貶めた記述も含んでいます。それで、これはこれでニュートラルな感じも受け、変なオマージュになっていないという点で、思い込みが先行した作家評伝よりもずっと良いんじゃないでしょうか。

  • 有島武郎(1878~1923) 大正時代の小説家。
    クリスチャン、人道主義者、白樺派を代表する作家。何より『或る女』によって、日本近代文学に比類ない「本格小説」を実現した小説家。米国留学体験、ホイットマンとの出会い、日本社会の権威との対決、果敢な文学的実験を追跡し、主要作品を丹念に読み、その創造力の根底に迫る。
    【ここがポイント】
    ・アメリカ文化・アメリカ文学研究の第一人者が、有島武郎を描く。
    ・「本格小説」作家・有島武郎の、文学的土台と、「本格」たる所以に迫る。

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著者プロフィール

1932年、岐阜県生まれ。55年東京大学文学部英文科卒業。大学院で比較文学比較文化を専攻。文学博士。東京大学名誉教授。著書『近代文学におけるホイットマンの運命』(研究社、1970、日本学士院賞受賞)、共著『亀井俊介と読む古典アメリカ小説12』(南雲堂、2001)、『語り明かすアメリカ古典文学12』 (南雲堂、2007)他多数。

「2021年 『物語るちから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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