山崎闇斎 天人唯一の妙、神明不思議の道 (ミネルヴァ日本評伝選)
- ミネルヴァ書房 (2014年3月10日発売)
本棚登録 : 13人
感想 : 2件
サイトに貼り付ける
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784623067008
感想・レビュー・書評
-
山崎闇斎の生涯と思想について解説している評伝です。
リゴリスティックな朱子学者であると同時に垂加神道の提唱者でもある闇斎は、その全体像を整合的に把握することがむずかしいと評されることがあります。著者は、「神儒妙契」ということばで端的に闇斎の思想を言い表わすことができると述べており、闇斎の全体像を偏りなく解説しています。その意味では、闇斎の思想のうちのある特定の側面に焦点をあてて深く掘り下げることはなされていませんが、表層的な解説にとどまっているのではなく、とくに東アジアにおける儒学思想の展開のうちに闇斎を位置づける試みがなされている点に特徴があります。
李退渓の性理学が闇斎の思想に大きな影響をあたえたことは、阿部吉雄をはじめ多くの論者たちが指摘しており、その影響の具体的な解釈についてもさまざまな議論が戦わされていますが、本書ではより広い視野をとることで、東アジアの儒学思想への展望を切り開きつつ、闇斎が彼の生きた時代における諸問題に対処しつつその思想を構築していったことが明らかにされています。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示
