福祉の経済哲学 個人・制度・公共性

  • ミネルヴァ書房 (2015年7月30日発売)
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本 ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784623071456

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  • 目次

    はしがき
    序 章 福祉と経済学、そして哲学
     1 個人の選択と自己責任
     2 福祉と戦争
     3 推論と常識
     4 世界への気遣いと経済学
     5 本書の基礎概念

     第 Ⅰ部 福祉の比較理論分析
    導 論 規範理論の分析視座
    第1章 リベラリズムとコミュニタリアニズム
     1 個人内分配と個人間分配の相違
     2 リスクの前で対称的な個々人への「等しい尊重と配慮」
     3 異なる境遇の個々人への「等しい尊重と配慮」
     4 相互性の諸観念
     5 ルールの制定・受容に関する相互性
     6 個人の統一的な価値をとらえる評価の仕組み
     7 社会保障制度の規範的分析における展望
    第2章 正義とケア
     1 正義とケアという2つの観点
     2 基本的枠組み
     3 個人の公共的判断とは
     4 正義とケアの観点の切り結び
     5 ケアと依存性
     6 正義と主体性
     7 当事者・主体・共同性
    第3章 リスクに抗する福祉とは
     1 リスクと社会階層構造
     2 観点としてのリスク
     3 リスクの個人化
     4 アリストテレスの正義と衡平性
     5 不当性を伴う経済的給付
     6 カテゴリー別給付の意味
     7 基礎的機会の保障
     8 福祉国家のヴァリエーション
     9 制度と規範意識
    補論1 善と正義

     第Ⅱ部 福祉制度の経済分析
    導 論 福祉制度の分析視座
    第4章 「財産所有民主主義」システム
     1 公理的アプローチに基づく比較制度分析
     2 基本モデル
     3 福祉国家のヴァリエーション
     4 福祉国家を支える諸規範理論と評価軸
     5 政治的リベラリズムと潜在能力アプローチ
     6 「財産所有民主主義」システムの構想
     7 公正概念再考
     8 損失補塡と基本財保障
    第5章 市場の論理と福祉制度
     1 経済体制と規範理論
     2 所得政策と福祉政策
     3 市場を補完する所得政策
     4 アダム・スミス「見えざる手」の再解釈
     5 匿名性・効率性・衡平性、そして市民的自由
     6 市場の失敗と政府の失敗
     7 不釣り合いを支える規範と労働インセンティブ
     8 選好の内生的変化と市場
     9 福祉の思想
    第6章 公的扶助の財政と就労インセンティブ
     1 福祉制度と財政構造
     2 現代日本の所得保障制度の概観
     3 日本の生活保護制度
     4 NITモデルとアメリカ・フランスの低所得者政策
     5 ミニマム福祉保障再考
     6 制度の構想
     7 就労意欲を支える公共的相互性
     8 価値の多元性とミニマム
    補論2 福祉と経済成長

     第Ⅲ部 潜在能力アプローチと福祉の社会的選択
    導 論 セン経済学の誕生
    第7章 自立の社会的基盤と公的扶助
     1 独立と自尊
     2 自立の社会的基盤再考
     3 個人の選択したこと、しなかったことの意味
     4 自立の実質的機会の保障について
     5 自立支援政策の問題
     6 個人と公的扶助
    第8章 政治的リベラリズムを越える論理と制度
     1 フェミニズムの視点と制度化の論理
     2 制度化批判に伴いがちな4つの論理的盲点
     3 支配と依存、そして自由
     4 暴力的に介入されない自由と能力
     5 暴力の介入の不在を保障する施策
     6 J.S. ミルとM. ヌスバウムの議論から
     7 「特権性」に関する等しい承認プロセス
     8 個別・特殊間の整合性
    第9章 社会的排除・基本的福祉の保障
     1 集合間の布置と社会的排除
     2 内外関係のもたらす不利性
     3 潜在能力貧困と社会的排除
     4 公共的経済支援政策の範囲と実行可能性
     5 社会的選択手続きの枠組み
     6 公共的経済支援政策の社会的選択手続きモデル
     7 社会的選択手続きに課す規範的諸条件
     8 社会的排除と責任
    補論3 リベラリズムの数理的定式化

     第Ⅳ部 福祉の政治経済学
    導 論 アロー、ロールズ、そしてセン
    第10章 多元的民主主義と公共性
     1 ロールズとセンのパースペクティブ
     2 ロールズ正義理論の要諦
     3 ロールズ正義理論に対するセンの批判
     4 〈社会〉か多元的集合体かというセンの批判
     5 複数の集団にまたがる個人の自己統合化
     6 公共的熟議と必要の発見
     7 社会的参加と社会的排除あるいは包含
    第11章 民主主義の沈黙
     1 非決定性の論理と構造
     2 集合的決定と手続き的正義
     3 パレート条件の十分性の検討
     4 パレート条件の必要性
     5 多数決ルールの合理性
     6 ポジション配慮的選択手続きの可能性
     7 民主主義の限界と可能性
    第12章 差異の平等
     1 センによるロールズ正義「理論」批判
     2 平等をめぐるロールズ- セン論争
     3 厚生経済学と「公正としての正義」構想の内的整合性
     4 非完備性とロールズ格差原理への潜在能力アプローチ
     5 ロールズ正義理論の方法的枠組みの拡張可能性
     6 社会ルールの客体としての個々人に関する非対称的扱い
     7 社会ルールの主体としての個々人に関する非対称的扱い
     8 「公正としての正義」の向こうへ
    補論4 現代正義論と支援の思想

    終 章 自由への規範としての制度
     1 福祉サービスの平等と差異化
     2 差異と平等規範
     3 福祉と資本

    参考文献
    あとがき
    人名・事項索引
    https://www.minervashobo.co.jp/book/b182019.html

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著者プロフィール

1958年生まれ。一橋大学博士(経済学)。帝京大学経済学部・先端総合機構教授、一橋大学名誉教授。『潜在能力アプローチ――倫理と経済』(岩波書店、2017年)、『福祉の経済哲学――個人・制度・公共性』(ミネルヴァ書房、2015年)、『正義の経済哲学――ロールズとセン』(東洋経済新報社、2002年)、ほか。

「2022年 『尊厳と生存』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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