〈日本幻想〉表象と反表象の比較文化論

  • ミネルヴァ書房 (2015年3月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (370ページ) / ISBN・EAN: 9784623071494

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  • 2011年に報告集(非売品)が刊行。分類は361.6だが、芸術・文学分野の研究者が中心。

    【書誌情報】
    編者 野田研一
    ジャンル 文学・言語
    出版年月日 2015年03月30日
    ISBN 9784623071494
    判型・ページ数 4-6・370ページ
    定価 定価4,400円(本体4,000円+税)

    〈日本幻想〉とは何か。英米文化圏における「日本をめぐる表象の諸様態」との遭遇、それを介した「自文化をめぐる表象の諸様態」への比較文化/自己再帰的なまなざし。そこから生成される新たな想像・構想力を探り出す画期的な書。

    [ここがポイント]
    ◎ 人間国宝 森口邦彦氏(友禅作家)との対談を収録
    ◎ 相互文化変容のダイナミズムを鮮やかに描き出す
    https://www.minervashobo.co.jp/book/b184831.html

    【目次】
    目次 [i-vii]


    序論 日本幻想──表象と反表象(野田研一) 
    一 失われる「他者の時間」――文化比較とは何か 001
    二 〈日本幻想〉とは何か――自己発見を超える試み 008
    三 理論的枠組みについて 011
    四 本書の構成 016


      第I部 幻想の産出――他者の発見 

    第1章 〈日本〉という想像の岸辺――キプリングと明治期の日英工芸デザイン[中川僚子] 
    一 キプリングの日本旅行 027
    ニ イギリスの工芸デザインと日本趣味―― E・W・ゴドウィンとドレッサー 035
    三 日本は「でっち上げである」とは? 047
    四 小さなエピローグとして 051


    第2章 ヴァージニア・ウルフの東方へのまなざし――「友情のギャラリー」の〈日本幻想〉(窪田憲子)
    一 封印されていたウルフの著作 057
    ニ ウルフの〈日本〉との遭遇――日本印象記を書評して 059
    三 日本を舞台にした作品―― 「友情のギャラリー」 063
    四幻想の〈日本〉――ウルフの〈船出〉 074


    第3章 若きバーナード・リーチの〈日本像〉――ホイッスラー、ファン・ゴッホ、劉生との関わりを考える(久守和子)
    一 テムズ河畔チェルシーにて 085
    ニ ファン・ゴッホ騒動 093
    三 茶碗と切通しと 099


      第II部 見いだされる〈日本〉――自己の発見 
    第4章 幻想としての日本/イギリス――日英博覧会(1910)と庭園文化をめぐって(木下 卓)
    一 日英博覧会 113
    ニ 庭園文化の近代 121
    三 幻想としての日本/イギリス 134


    第5章 自然を書く・見る――世紀転換期における古典文化の再利用と〈日本〉(北川扶生子)
    一 メディアのなかで書く 141
    ニ 〈文章》というフォーマット 144
    三 忘れられた明治青年のロマン主義――美文ブームと伝統回帰 146
    四 古典文化の転用と近代人の誕生 151
    五 お手本がつくる私――作文と規範 153
    六 見いだされる《帝国日本との文化 157


    第6章 本土「幻想」の結末――山之口貘の「沖縄よどこへ行く」をめぐって(仲程昌徳) 
    一 「復帰」願望 161
    二 「郷愁」の色調 165
    三 輝く「日本語」 170
    四 「習俗」の差異 174
    五 沖縄の風物たち 177


      第III部 交錯する日本幻想――反表象の力学

    第7章  弱さと正義、力と不正義――琉球・沖縄、日本、アメリカをめぐる〈幻想〉試論(山里勝己)
    一 琉球、沖縄、日本、アメリカ――錯綜する幻想 187
    二 帝国化するアメリカと琉球 192
    三 弱さと正義、力と不正義 201
    四 ペリー百年の夢と琉球・沖縄の自己幻想 210


    第8章 乱反射する日本幻想、オリエンタリズム小論――小島信夫の小説を手がかりに[笹田直人]
    一 オリエンタリズムとオクシデンタリズム 217
    ニ 劣等複合の幻影 224
    三 すれちがう他者幻想 228
    四 反転するオリエンタリズム/オクシデンタリズム 238


    第9章 フォークナーの見つめた「近代」日本――芸者人形とアメリカ南部(竹内理矢)
    一 敗戦国からの文化大使フォークナー 245
    ニ 「アメリカ幻想」の打破――戦後の刻印 247
    三 フォークナーの「日本幻想」――「芸者」と「着物」 255
    四 「近代」の歴史的共振――戦後を生きた女性たち 259


      第Ⅳ部 日本幻想の遠近法 

    ①座談会 二人の父、二つの文化――友禅をめぐって
    (話し手:森口邦彦 聞き手:久守和子、中村邦生、野田研一) 273
    ②不思議の国のゴリウォグ――日本への眼差し(高田賢一) 301
    ③〈日本幻想〉の手前で息継ぎをする――未完の思考として(中村邦生) 317
    ④はっぴいえんど的日本幻想、もしくは「渚感覚」(野田研一) 331


    あとがきに代えて――「美化の拒否」に抗して(野田研一) [345-349]


    事項索引 [4-6]([351-353])
    人名索引 [1-3]([354-356])
    執筆者紹介 [357-360]

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著者プロフィール

立教大学名誉教授。1950年福岡県生まれ。専門はアメリカ文学/文化、環境文学。著書に『失われるのは、ぼくらのほうだ―自然・沈黙・他者』(水声社、2016)、論文に“The Logic of the Glance: Non-Perspectival Literary Landscape in Wildfires by Ooka Shohei,” in Embodied Memories, Embedded Healing: New Ecological Perspectives from East Asia (Lexington Books, 2021)、「石牟礼道子の銀河系―「直線の覇権」(インゴルド)に抗して」(『たぐい』Vol.4、亜紀書房、2021)など。

「2023年 『石牟礼道子と〈古典〉の水脈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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