国体論はなぜ生まれたか 明治国家の知の地形図 (MINERVA歴史・文化ライブラリー 26)
- ミネルヴァ書房 (2015年4月30日発売)


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本 ・本 (314ページ) / ISBN・EAN: 9784623073443
感想・レビュー・書評
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新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:155//Y82
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【新着図書ピックアップ!】わが高校の日本史の授業は、幕末・明治から始まった。現代まで到達すると、一挙に古代まで戻り、縄文土器、卑弥呼、古墳、聖徳太子などからしだいに歴史を上っていった。
そのようなわけで一番印象に残ったのは、大正・昭和にかけてのできごとだった。大正デモクラシー、金解禁、米騒動、足尾銅山の鉱毒、治安維持法、国体などなど。
その後、国体という言葉は妙に気になった。何をさしていたのかよく分からない。けれども戦前の日本の人々は、つまりわたしたちの祖父母、曾祖父母の代の人々は、この言葉に戦々恐々としたらしい。
この本のカバーには「『国体』に反するすべての思想は『絞殺』されると、北一輝は書いた。実際、『国体』は近代日本社会を金縛りにした言葉だった。治安維持法や天皇機関説事件も、国体論というタブーに触れることを禁じた」とある。
飛躍するかもしれないが、集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」という現政権の言葉の使い方が、「国体」という言葉の使い方と似ているように感じる。そう感じるのはわたしだけだろうか。
「存立危機事態」に金縛りにならないためにも、国体論はなぜ生まれたのか、この知の歴史を知っておく必要があるように思う。
[New Book!] The theme of this book is 国体(Kokutai: National Polity) in Meiji era. Before World War II, Japanese people had suffered 国体 as a kind of political "old hag syndrome".
I recommend this book to anyone who wants to escape this type of "old hag syndrome" in Japan's current politics. You may escape it by learning theretical history.
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